クライ・ハヴォック・ベンド・ジ・エンド #7
「機関室……!」ニンジャスレイヤーは司令室内を素早く見渡した。「イヤーッ!」戦略机をチョップで粉砕し、中から転がり出た内容不明のマキモノ二本、何者かの写真付き経歴書、フロッピーディスク一枚を素早く懐へ仕舞い込む。二秒後、既に司令室内にニンジャスレイヤーの姿は無かった。
2011-09-28 19:38:55「……で、俺は?このでっかい棺桶と一緒に埋葬か?」ガンドーはダークニンジャを見上げた。両肩関節が脱臼した腕は後ろ手に縛られ、アグラしている。機関室内には弾痕が数発。床には49マグナム二丁。モニターは減りゆく数字を冷徹に表示している。ダークニンジャは腕組みし、ガンドーを見下ろす。
2011-09-28 20:15:04「少なくともここでは殺さぬ。ここで尋問する時間は無い……見ての通りな」モニターの数字をアゴで示し、「お前はキョート城へ連れてゆく」「有難いね」ガンドーは口の端を歪めて笑った。「素敵な遠足だ。ところで腕がすげぇ痛いんだが……」「そうだな」ダークニンジャは頷いた。頷いただけだ。
2011-09-28 20:19:22「なぁその、なんでまた最下層まで隔壁をブチ抜くんだい。随分と乱暴な話だが……」「侵入者はお前一人では無い。スラッシャー役は司令室か」「まぁ、そうなんじゃないか」ガンドーは答えた。「ここで無駄話してて良いのかい」ブガーブガーブガー!「ほら。俺らの負けって事だろ、了解、了解」
2011-09-28 20:29:44「スラッシャー役のニンジャは?」「ニンジャ?え?ニンジャだって?」ガンドーは笑った。「ニンジャナンデ?」「どこのニンジャだ」ダークニンジャは取り合わぬ。まるで冷たいマシンである。ガンドーは真顔になった。「……心当たりでも有るのかい。ザイバツに楯突く狂気じみたニンジャに」「……」
2011-09-28 21:01:59ダークニンジャは耳をそばだてた。そして呟く。「トゥールビヨン=サンは死んだか」「え?」それからガンドーを一瞥すると、ノレンをくぐり、廊下へ出た。
2011-09-28 21:04:41機関室から廊下へ出たダークニンジャが横を向くと、その視線の先に一人のニンジャが立っていた。不吉な赤黒の装束。恐怖を煽る字体で「忍」「殺」とレリーフされたメンポ。そのニンジャはダークニンジャへ向かってオジギをした。「ドーモ、ダークニンジャ=サン。ニンジャスレイヤーです」
2011-09-28 21:09:07(第二部「キョート殺伐都市」より:「クライ・ハヴォック・ベンド・ジ・エンド」#7 終わり。#8へ続く)
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