宗教2世が離脱すると単純な2分法から抜けるのに苦労するという話

倉数茂　「再魔術化するテクスト　──カルトとスピリチュアルの時代の文化批評」文学＋WEB版で連載中 @kurageru

宗教２世当事者の本を数冊読んだけど、脱会したあともこれまで馴染んできた善悪二元論、単純な二分法から抜けられず、現実がグレーゾーンばかりであることに混乱し不安になるということは皆言っていた。

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カルトの離れがたさというのは単なる「信仰」の問題ではなく、何十年も鋳型にはめられて、それ以外の環境に適応できなくなるという部分がある。ただでさえ、人間関係や経済面で孤立するのに。

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カルトに持ってかれるのは真面目で信じやすい人という印象があるが、親が信者で幼年期から環境で育てば性格・能力に関わりなくその価値に染まる。社会の側で何らかの対応が必要。

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しかし単純な価値の鋳型にはまってしまい、複雑な判断ができなくなるというのはネトウヨなどでもありそう。あるいは他のイデオロギーでも。

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教団から注入されるか、ネットで自己洗脳するかの違いはあれ、数年かけて鋳型にはめられた価値観は、解くのにも数年かかるだろうというのがポイント。

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昔、エホバの証人を脱会した知人（その時点では左派活動家になっていた）が、実は今でもこの宇宙に神はいないのだと思うとすごく不安になると言っていたのが印象的だった。

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献金やらノルマやら過剰な献身やらを求められるとしても、それはブラック企業で働き詰めのうちに麻痺してある種の安定状態に入ってしまうようなもので、気がつけば十年経っていたというのはありうる。苦しいけど不安はない状態と自由だけど不安でいっぱいの状態だったら前者を取る人は必ずいる。

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今ボロボロと内幕が明らかになっているオリンピックが典型だが、安倍政権（特に第二次）はイベント政治というか、劇場政治というか、経済や外交といった実質的な政策とは別のところに派手なスペクタクルをぶち上げて、分断上等で無理に押し切るという独自の手法を持っていたと思う。

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分断上等というのは、敵を名指し、罵倒し、それによって味方の支持を固めて政権を浮揚させる手法で、正直、左派もそれに乗ってしまったと思っている。政策の検討より、安倍個人の賛否ばかりが喧しく、他の声はかき消えてしまった。

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保守派が国葬にこだわるのは、そういう儀礼的イベント以外の政治を想像できなくなっているからではないか。しかし、では左派は、それとは違う実質的な政治アジェンダを提示できているか。

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２、３年前までは、左派は象徴的闘争ばかりでなく、きちんと経済問題を論じなければならないという雰囲気があったが、どこかへ行ってしまった。

76点 @made_of_7

単純な二分法はやばいよね。そういう話し方をしてくる人は、本人は無宗教と思っていても、自分で自分のカルトを作って人を勧誘してるようなもん。 twitter.com/kurageru/statu…

SS.Fujiyama @ssfujiyama

なんかこの話、日本国そのものを言われた気がしてドキッとしたな‥。 日本の教育にも似たところあるよな‥と思っちゃった。 twitter.com/kurageru/statu…