【脚本家・一色伸幸(@nobuyukiisshiki)】横田和善監督と「宇宙船サジタリウス」について
つぶやき
【訃報】僕の実質的なデビューである「ミームいろいろ夢の旅」、初めてメインライターを務めた「宇宙船サジタリウス」の横田和善監督が9月7日に急逝されました。もし横田さんと親交のあった方がいらしたら、僕にメッセージでメアドか電話番号をお知らせください。あの‥悲しくって、それで、悲しい。
2011-09-28 00:00:40いっしょに作品を作った人の悲報は淋しい。打ち合わせや飲みも駆け引きや心理戦で本音で語り合うことはない。残された作品に刻まれた痕跡以外に、彼の本音の声は知らない。
2011-09-28 10:08:16サジタリウスは「2クールの穴埋め番組だから好きにしていい」と言われた。だから好きにした(笑)。結果数字が19%に達し、1年9ヶ月もつづくことになった。いままでの仕事の大半がそうだけど、狙っていない時のほうがうまくいく。
2011-09-28 10:53:52当時の30分アニメは3千枚以内のセル画で作っていたが、サジタリウスは喜怒哀楽の微妙な表情を描くのに枚数を食い、9千枚使った回もあった。こだわってくれた演出陣‥‥そのチーフだった横田和善さんに、あらためて、感謝。
2011-09-28 10:55:39サジタリウスは好き勝手やったせいで、局プロの怒りを買っておろされた。僕も25歳で喧嘩っ早かった。でも数字が良くなると急きょ、番組に呼び戻された。大人の世界を知った(笑)。1年9ヶ月つづいた番組の打ち上げは朝までつづき、最後に、この局プロと抱き合って泣いた。
2011-09-28 11:06:22いまでも、オリジナルが許されるなら、いちばん書きたいのは子供向けのTVアニメだ。僕自身がそうであるように、小さい頃に夢中になったアニメは、後年に観るどんな映画や舞台よりも、心の芯に残るから。横田さんとミームとサジタリウスを作れたことを、誇りに思っている。
2011-09-28 11:16:16そしてアニメは、本当に多くの国で放映されている。金額はわずかだが、名も知らない国での放映印税が入ることがある。僕自身、タイの空港のテレビでタイ語で喋るミームに出くわして驚いたり、グアムのホテルで英語で喋るラナに目を丸くした経験がある。アニメという日本固有の表現‥‥頑張ってほしい。
2011-09-28 11:18:573年ほど前、拙著の宣伝でNHKに出演した。横田さんが、「見ました」と電話をくれて1時間ほどあれこれおしゃべりをした。‥‥それが、最後。あっけないもんだなあ。
2011-09-28 11:31:49サジタリウスは宇宙で地味な仕事をする中小企業の飛行士たちの困窮生活の物語。「大活躍するヒーローって、おうちに帰りたくはならないのか?」と考えたのが物語の発端。バブル直前、僕は「私をスキーに連れてって」などで浮かれた世界を、サジタリウスなどで地道な生活を書き、バランスを取っていた。
2011-09-28 11:44:33ミームのギャラは1本15万、サジタリウスは16万。一話書き終えるごとに近所の肉屋で100g7千円の肉を200g買って自分で焼いて食べた。ごほうび♪ その頃は中央線沿線に住んでいて、朝など、新宿から泥酔して戻って来る横田さんと行き合ったこともあった。誰も彼もが若かった(笑)
2011-09-28 11:53:39「サジタリウス、面白いですよ」と、僕に生まれて初めてのインタビューに来てくれたのがアニメージュの編集長、いまジブリ社長の鈴木敏夫さんだった。数年前、あるライブ会場で会ったら、「僕も一色くんも老けたなあ」と大笑い。いやそれ、当然ですから /(^o^)\
2011-09-28 11:55:38松土プロデューサー、ジブリの鈴木社長に伝え、僕のお役目は一旦終了。人が亡くなると、多くの人が自分の足下を見つめる。自身の不確かさを再認識する。
2011-09-28 14:40:57横田さん。サジタリウスを見ててくれた人、いっぱいいます。地味だけど(笑)ミームも。‥‥そちらに声が届いていること、祈っています。
2011-09-28 15:15:10