夜のバーでヒーローを信じてあげる

朱羽 @blackxorange

blackxorangeさんは、「夜のバー」で登場人物が「信じる」、「ヒーロー」という単語を使ったお話を考えて下さい。 http://t.co/CvXVCmud #rendai ダイナーシリーズといい、見られてんのか

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now 大学生になって一人暮らししてるはずのルカが遊び人というか、売りをやって生計立ててるって話を聞いて(組の人が怪しい男と歩いてるの見てバーテンに聞いたとか)、ルカが行き着けらしいバーに行くコウくん。変装済み(髪下ろしてる眼鏡スーツ)

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now 暫くカウンターの隅で酒飲んでたらルカの声がする。顔伏せるコウ。近付く気配。酔ってるらしく誰かと機嫌良さそうに話している。

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now 暫くきゃっきゃしてる声が聞こえてて、なんだダチと来てんのかって目を上げた途端視界に映るのは男とキスしてるルカ。何事かと見てたら、反対側に座ってた女にせがまれてそっちにもキスしてる。

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now 「！？」ってなりながら成り行きを見守ってたんだけど、男側がルカになんか耳打ちして出て行こうとするのね。でルカもスツールから降りるんだけど、隅に座ってる姿を見て男を「ごめんね」ってあっさり突き放す。なんでだよって言われても「好みの見つけちゃった」って言うんだ

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now 酔ってるからコウだって気付いてないルカ。ふらふらコウの隣に座って、「なぁなぁ、俺オマエに一目惚れしちゃった」とか腕絡めてくる。コウは黙ったまま。「男はダメな方？俺上手いよ。お金いらないから、イイコトしよう」とかアプローチしてくるルカ。

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now オマエいつもそんな事してんのか、とか言いそうになって堪えるコウにルカはやけに誘いをかける。「本番やなら口でさせて」とか。腕を振り払わないからなのか、肩に寄りかかってくる、かなり酔っているらしく、アルコールの匂いにコウは顔を顰める。

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now ルカは半分うとうとしながらコウの手に自分の手絡めたりすんのね。で「俺の好きなヤツに似てるんだよね」とか言ってくる。好きなヤツがいるならどうしてこんな事するんだ、ってコウは奥歯を噛み締める。

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now 指を絡めたままうとうとしてるルカは自分でも意外そうにしてたりしたらいい。「あれ…こんくらいじゃ酔わないはずなんだけど…オマエに酔った？ハハ」とか一人笑ってる。コウが振り払わないから、ルカは少しずつ身を寄せてくる。

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now ふとルカが黙り込んでから「コウ…」って呟いて、コウは「ばれてたのか」って内心焦るんだけどルカが直ぐに「なぁ、ちょっとだけさ、話だけでも付き合ってくんない？相槌打つだけでいい、から」とかって目を閉じたまま肩にもたれ掛かったまま言うの。

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now 沈黙を了承だと思ったのか、ルカが話し出す。「コウ」「……あぁ」ばれないかひやひやしながら返事するけど、ルカはもうかなり夢現でコウの声に気付かない。心地良さそうにしてる。「俺さ、ずっとコウが好きだったよ…」

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now 本人には告白する気ないのに、聞かされちゃうコウ。びっくりして無言だったのを、ルカはまた都合良く捉える。「好きで、仕方なくて…一緒に住んでた時、寝てるコウにこっそりチューした事も、あったよ」「……」「二人で、West Beachに住んでた時が、一番幸せだった」

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now 「コウは俺の憧れで…ヒーローで…兄貴で…」「……」「ずっと、一緒に居られるかもって、勘違いしちゃったんだ」だから、って呟いて、ルカが目元をコウの肩に押し付ける。黙ったままのコウ。突然の事態に付いていけないし、何よりルカの行動が理解出来ない。

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now 高校を卒業して、ルカは直ぐに一人暮らしのアパートを見つけてきた。コウになんの相談もなく(する必要もないけど)、一人であっさり実家から離れた場所に住み始めた。

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now West Beachは潰されちゃったけど、コウはそれなりにルカと二人West Beachでの生活を楽しんでいたから、そうやって簡単に自分から離れていったルカを「また行きやがった」って思ってたのね。高校入学の時と一緒だ、って。

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now 高校でバンビと出会って、別に恋愛には発展しなかったけど子供の頃の自分達を振り返って成長出来たコウは、ルカを追わなかった。自分達は、今度こそ別々の道を歩くべきだって、ルカが選んだ道を否定しなかった。だから、今更そんな事を言うルカがわからない。

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now 「ずっと一緒が良かった。でも、コウはそうじゃないんだよな？」そう言われて、回想からはっとなるコウ。ルカは相変わらずうとうとしてる。「俺はバカだから、コウがいなくても大丈夫だと思ってた。でもダメだった。きっとコウもそうだと、思ってたのに」

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now 「電話しても、家行っても会えなくて…偶に会っても、忙しそうで…俺ばっか会いたくて…」ってぽつぽつしゃべり出すルカ。確かにコウは親の手伝いとか増やしたバイトのせいで忙しくて、大学生になったルカとは時間も合わなくて、最近は会えてなかった。

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now でもそれも、そもそもオマエが選んだ道だろ、ってコウは思うんだよ。もし一緒に住んでたら、生活の時間帯がずれても会えるし、そうしなかったのはオマエだって言いたいのを飲み込む。ルカの指先に力が入る。

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now 「もう、コウは俺を追い掛けてくれない…」って呟かれて、コウは思わず「バカが」って言っちゃう。そんな風に俺を待ってたのか、って頭が痛くなる。「West Beach、なら…コウは追い掛けてきてくれるかな…」って、呟くルカくん。

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now 「でも、West Beachなくて…俺の家、なくて…コウが、追い掛けてきてくれる場所、なくて…」って切れ切れに言うルカに、なんか嫌な予感がしてコウは口を開く。「潰されちまったんだろ？」「だから、もっかい、建てるしかない…だろ…」

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now コイツバカだ、ってコウは顔を顰める。ルカだって、体売って稼いだ金くらいじゃ、West Beach再建なんか夢のまた夢だって判ってる。でも、そうやってコウと過ごした思い出に縋ってないと、やってられない。コウが居ない現実が辛過ぎて、立っていられない。

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now ルカがコウを好きだとかそういう目で見ていたって言う事実以上に、ルカがそうやって追い掛けて来ない自分を待って泣いていたのかっていう事実の方が辛いと言うか衝撃的なコウ。自分も、一人歩き出したルカに負けないように、必死で兄貴として歩いてきたのに。

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now その生き方も丸々否定されたような、そんな憤り。必死でやってきた俺はどうなるんだって思うけど、でもふとルカが「もう、追い掛けてきてくれない」って言ったのを思い出す。

朱羽 @blackxorange

@GSBL_now そうだ、そういう考えがルカの中にあるのは、ルカが「追い掛けてきてくれるかも」と思うのは、そもそも俺自身が原因なのか、って気付くコウ。