実話怪談いろいろ話

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加藤AZUKI @azukiglg

実話――に限らないけど、怪談って表紙や挿絵の扱いが凄く難しい、と個人的には思う。新書だった頃の「超」怖い話の最初の二冊には確かに挿絵があったんだけど、挿絵を先に見るとオチバレしてしまう。怪談はオチを先読みされると、サゲの効果が薄れるため、挿絵が(別の意味で)怖い(^^;)

2011-10-01 04:19:20
加藤AZUKI @azukiglg

かといって、イメージカットとか割と意味のないワンシーンを入れたのでは、単なる埋め草になってしまう。「イラストだとイメージが制限される」という人もいて、かといって写真やコラージュでも「写真だと――」という人が。どっちに振っても全員は満足しない(´・ω・`)

2011-10-01 04:20:39
加藤AZUKI @azukiglg

この「どっちに振っても全員一致での満足は引き出せない」ってところは怪談そのものにもあって、中毒者の間で「名作」と名高い怪談を怪談にまったく興味が無い人に聞かせたら「それ、何が怖いの?」と怪訝な顔をされたり、その逆のことも起こり得る。

2011-10-01 04:22:04
はくまに・アーチボルト @haku_mania_P

個人的には、「超」シリーズにはまった要員の一つが、挿絵がないがゆえに、想像力を働かせる余地と緊張感があったからだったりするわけです RT @azukiglg: 実話――に限らないけど、怪談って表紙や挿絵の扱いが凄く難しい、と個人的には思う。新書だった頃の「超」怖い話の最初の二冊に

2011-10-01 04:22:30
加藤AZUKI @azukiglg

怪談を継続的に書いていると「何が怖いのかわからなくなる」というスランプのようなものに罹るケースは、恐らく一度や二度や三度や(以下略)くらいは経験すると思う。マニアに受けてるからokと思ってると、ビギナーが入ってこなくなって段々先細りしたりするっていう、別種の恐怖が。

2011-10-01 04:23:17
加藤AZUKI @azukiglg

ビギナーに配慮した怪談を書いていると、今度はマニアの方から「ぬるい!」とお叱りが。新規読者の門を閉ざすことも、リピーターを軽視することも、どっちも正しくはないけど、双方を同時に満たすのはこれまた難しい。

2011-10-01 04:24:36
加藤AZUKI @azukiglg

そう考えると、「好きなのもあった、物足りないのもあった」で、だいたい70~80点くらい、しかし人によっては「当たり」はそれぞれ異なる――というくらいがよい、ということになるんだけど、それをまたうまいこと著者がハンドリングするのは難しい。実話怪談はネタの引きに左右されるし。

2011-10-01 04:25:37
加藤AZUKI @azukiglg

結局は、細切れの話をたくさん入れて「好きなように選んで下さい」になるんだけど、ネタをたくさん集めるのって本当に大変。半日割いて聞いた話が2頁で終わったり、とか珍しくない(^^;) 労力的には割に合わないので、「その一話を膨らませて小説を一本書く」ほうが商売としては(以下略

2011-10-01 04:27:07
加藤AZUKI @azukiglg

ネタの引き当ては、次々に舞い込む人、紹介された人を次々に訪ね歩く人、それぞれスタイルが違い、どれが正解っていうのはないと思うけど、仕事になるほどたくさん書いてる人は、やっぱ大変だろうなあ、と同業相哀れむ(ry

2011-10-01 04:28:44
加藤AZUKI @azukiglg

超怖は割と投げっぱなし系で、作者の結論や解釈がない話が多いですが、そこらへん、9割以下の完成度で筆を置いて、残り1割に読者自身が考える余地を残すっていうのが良かったのかもしれませんな。読み返すたびに「見えなかったところ」の解釈が変わったりするし RT @haku_mania_P:

2011-10-01 04:30:42
加藤AZUKI @azukiglg

普通、綺麗にオチが付いた怪談は、それで完成仕切ってるから二度読めない。仕掛けが分かってるびっくり箱は驚かないし、出てくる仕掛けが決まってるお化け屋敷も以下同文。怪談は文章の形で固定されている点は仕掛けが固定されたお化け屋敷と変わらない。

2011-10-01 04:31:59
はくまに・アーチボルト @haku_mania_P

ですねえ。その辺が他と比べて非常に新鮮だったんだと思います RT @azukiglg: 超怖は割と投げっぱなし系で、作者の結論や解釈がない話が多いですが、そこらへん、9割以下の完成度で筆を置いて、残り1割に読者自身が考える余地を残すっていうのが良かったのかもしれませんな。読み返す

2011-10-01 04:32:48
加藤AZUKI @azukiglg

ただ、「闇が闇として残っている怪談」「著者が闇を照らさなかった怪談」というのは、正解として明かされなかった闇をどう解釈するか?という余地が読者に残される分、繰り返し読めるってのはあるかも。

2011-10-01 04:33:55
加藤AZUKI @azukiglg

夜の墓場は固定されてそれ以上何も出てこないはずだけど、「何か出るかも?」という闇への不安があるから、何度同じ場所を通っても怖い、みたいな。

2011-10-01 04:33:56
加藤AZUKI @azukiglg

明かされない闇について、一度目よりは二度目のほうが知識や経験やそれに基づく想像力が発達することで、一度目にはなかった想像を巡らせるようになる。知恵が付いて怖くなくなる、という人もいるだろうけど、「本当に怖くないかどうか?」の種明かしはされないから、結局闇は闇として残る。

2011-10-01 04:35:14
加藤AZUKI @azukiglg

作者が「つまりこれは○○○だったのだ!」と結論づけたものは、そこで結論が固定されているから、二度読む必要が無い。闇がない怪談、闇の隅々まで解明されてしまった怪談は、だから二度読めない。二度読めない怪談はBOOKOFFに売られてしまいます(´;ω;`)

2011-10-01 04:36:23
加藤AZUKI @azukiglg

でも、読み返してみると自分の中の解釈が変わることで違う怪談、違う可能性を見せる怪談というのは、繰り返し読めるから手放されない。BOOKOFFに行かないので、その分読者が減りません!ヽ(´∇`)ノ

2011-10-01 04:37:03
加藤AZUKI @azukiglg

その意味で、7~8割くらい書いて、最後まで明解せずに筆を置く超怖は、読んだ人が「自分の解釈を加えることで10割まで完成させ、誰か他の人に話す」という余地を作ってたのかもしれない。期せずして。

2011-10-01 04:38:30
加藤AZUKI @azukiglg

と、ここで仕事が一段落したのだが、怪罰の草稿が312頁もある件についてorz 絶対に入りきらないので、ここから90頁くらい削ります(´;ω;`)

2011-10-01 04:43:19
加藤AZUKI @azukiglg

病院で読むのはいかがなものかwww RT @fukushimanohito: 入院していいたときに読んで、あまりの怖さにナースステーション前の共用文庫に放置してきたのはいい思い出。そして初期物を手放したことをすごく後悔しているw RT @azukiglg 繰り返し読めるから手放さ

2011-10-01 04:45:29
加藤AZUKI @azukiglg

小説は作者の意図について、読者によって違った解釈をされるってことは作者の意図が正しく伝わってないってことでよろしくないんだけど(^^;)、実話怪談は完全な正解が作者にもわからないのだから、体験者の状況を正確に伝えるのは必要としても、作者の結論を読者に正確に伝える必要はないのかも。

2011-10-01 04:47:59
加藤AZUKI @azukiglg

「もし自分なら」「自分が考える理由は」「たぶんこうだと思う」そういう、欠損したパーツを読者それぞれが嵌め込む余地を残し、紹介されて改めて読んだ別の読者が、紹介者とは違った結論や可能性を設定できるのが、実話怪談という「不完全な読み物」の味わい方なのかもしれません。

2011-10-01 04:49:15
加藤AZUKI @azukiglg

まあ、そういうことにしとこうや。

2011-10-01 04:53:18