アール・ブリュットを巡る トークシリーズ vol.4(ゲスト:細馬宏通氏)まとめ
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【アール・ブリュットを巡るトークシリーズ 14時から開始 Twitter中継もします】本日のテーマは「コミュニケーションの回路としてのアール・ブリュット ゲスト:細馬宏通さん(動物行動学者 / 滋賀県立大学 教授) ハッシュタグは #artbrut_t
2011-10-01 14:01:49
元々、虫(尺取虫やトンボ)などの研究をしていた。虫同士の縄張りの決まり方、イネ科の植物の高低差のあるところの高い「タワー」的なところにトンボはとまる。雄同士は一個タワーを挟んでそのタワー間で縄張りを張る。僕らからみたら平坦な芝。(細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:11:39
でもそのちょっとした起伏はトンボにとっては重要。最近は人間の行動の研究をしてるが、人間もいったん身体を動かし始めたらどういった環境がその行動に作用しているか。アールブリュット作家についても内面に入っていきたいというよりは、(細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:12:57
その作家たちがどういった環境で手を動かし、どういった工程を作っているのか、そういったことに興味がある。アールブリュットがなんぞやとう話より、作家さんたちが実際に、どういった作業、制作をしているかを皆さんと一緒に観ていこうと思う(細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:14:59
まずは舛次崇さんの話。http://t.co/tYm5y7oN モノクロのクレイのような人が出て来たなと思った。輪郭が途中でぼーっとお化けのようにぼやけていく。エッジのぼやけっぷりが面白い。(細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:16:55
抽象的な図形、具体的な図形ともに舛次さんの特徴としての輪郭のボケ。パステルをきゅっと持って手がパステルでくろずんでいく。彼が描いている間に手の平の下について、塗っているところ以外もキャンパスがこすれて汚れていく(細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:19:17
水差しのぼやっとした輪郭が画面に写し取られていく。普通なら輪郭の上で黒く塗れたらそれで終わりやけど、塗り過ぎてケント紙が毛羽立っていく。それでもやめない。面白いところはこすりしぎたパステルのもわっとしたふくらみと立体感。(細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:22:06
黒だけでなく白の部分も同じく。消しゴムもある意味、パステルのように使う。消しまくると大量の消しカスが出て、そのカスを払うためか、紙を立てて、トントンと机に音を立てる。この音がまた彼にとって楽しそう。(細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:23:41
消しカスによってもパステルをぼやかす効果がでている。彼と同じすずかけアトリエに通う伊藤てつやさんの絵もすごい。エビフライを描くのだがエビフライがえらく飛び出してみえる。とにかく蛍光色パステルを画像紙が毛羽立つほど塗りまくる。(細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:27:11
すずかけのヒロコさん。ドラえもんの青を塗るのにもの凄いインクを使う。同じ空間で作業してた大阪成蹊大の学生のドラえもんとヒロコさんのドラえもんの質が圧倒的に違う。インクの投入量がまず違う。その作られる工程自体が凄い。(細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:30:47
僕らはよくアールブリュット作家の凄い作品を観るとその人の内面の凄さという話になりがちだが、むしろそこよりもその工程、インクの使用量にリミッターをかけるかかけないか、こういう部分は実はまったく真似ができない凄さ。(細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:32:05
フィギュア展でも出している石野敬祐さんの話。http://t.co/0Uq58bkk 立体なんだけど、立体っぽくない作品。作っているシーンが衝撃。 (細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:34:27
やはりインクの投入量は多い。女の子のモデルの下絵を描いたあと、立体にするときのやり方が面白い。下絵にハサミをスカートのど真ん中を切る!これはどういうことやと。 手を切る、目を切る。こうやって切っていくと後で立体する時に楽らしいが(細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:36:40
小休止、テレビゲーム、そして制作復活。側頭部が横からくっつけて、パーツをつなぎ合わせる。これは芯がびしっとしっかりして、その横に紙がぎっしりついているから丈夫。このブッロク工法のおかげで髪型や手の動き等どんどん凝った事してもちゃんと自立性を保てる。(細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:39:23
この作品の照りはセロハンテープの照り。素材の照り。こういう身近な素材って美術家って使うのか?(細馬)完成品にポスカラやマジックペンなどを使うことは(インサイダーでは)まずない。(保坂) #artbrut_t
2011-10-01 14:41:28
アロイーズの作品も紙の表裏両方描いてたり、あと紙自体をつぎはぎしてたり。(細馬)いまフランスのリールではその長いつぎはぎの作品を全部みれるようにロール式でまわっていく展示もしてたり(保坂) #artbrut_t
2011-10-01 14:42:50
ヘンリーダーガーも表裏に描いたり。(細馬)クレイや草間弥生さんもよく裏表も描いている。草間さんは境界性でもあるので微妙な事例かもしれないが。あと金銭的な理由でそう描く場合もあるにはある(保坂) #artbrut_t
2011-10-01 14:44:20
ポスカラ一本使って毛羽立った紙がまたパステル吸って妙な蛍光だった立体だったエビフライができる。とにかく文具をけちらない(笑)普通はもったいないと思う。滋賀の木村茜さんも文具の「もったいなさ」はない。その感じってあんまり実は観た事がなかった。(細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:28:30
小幡正雄さん。http://t.co/lZHAyHXi段ボールに作品を描く。段ボール自体に柄がはいっていたりするけど、まったくそんなことは気にしない。従来の作家が気にする素材の耐久性や真っ白な紙に描きたいみたいなことはない(細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:46:31
伝統的な美術制作の考え方として質量計装論という考え方がある(保坂) 無駄がないようにするのがファインアート的だとすれば、セロテープの継ぎ目も結構見えてるこういう石野さんの作品は違う(細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:48:29
石野さんは作品は中の骨組みの構造がなく、二次元の絵がそのまま三次元になっただけと思っていたが、実はこういう自立的な構造があるということを改めて知った。(保坂) #artbrut_t
2011-10-01 14:49:40
女の子をど真ん中から切ってしまう。このことは石野さんが「実物」を本当に観ているのかということも考えている。アートは本来自分の中の作品のイメージ「イデア」と実際の物体との間の落差を埋めていくことが必要。(保坂) #artbrut_t
2011-10-01 14:51:34
僕だったらおそらくこの女の子をまっ二つに切るって発想にならない。普通は輪郭をちゃんとなぞって切ったりして…。(細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:54:22
普通の人に琵琶湖の対岸にある街にいくショートカットを聞いても「じゃあ直線で5Kmだから泳ぎましょう」とはならい。そこには生命の危機があるから。でも彼はそこを泳ぐ。(細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:54:36
北海道のサトちゃん(薬屋にいるあれ)のフィギュアをつくる作家 横山さんの話。ただの記憶力だけではなしえない技。 (細馬) #artbrut_t
2011-10-01 14:57:21