再評価される家族経営型農業

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shinshinohara @ShinShinohara

余裕を生もうとして余裕を失う皮肉な現象を、ミヒャエル・エンデは「モモ」という作品で描いている。効率化すれば余裕が生まれますよ、といううたい文句で始めるものの、実際には効率化競争の嵐に巻き込まれ、全員が余裕を失うという皮肉な結果になりやすい。

2022-07-27 18:33:52
shinshinohara @ShinShinohara

農業は、土という「生き物」を相手にする。しかし効率化一辺倒だと、ラティフンディウムという効率的経営がヨーロッパの土壌を枯らしてしまい、石灰岩の露出した荒廃した大地に変えてしまったように、農業基盤そのものを破壊しかねない。

2022-07-27 18:35:23
shinshinohara @ShinShinohara

アリの群集には、働かないアリが一定割合で含まれるという。怠惰なアリを取り除いて、よく働くアリだけにすると、またしても一定割合がサボるようになるという。アリの研究者は、働かないというゆとり、余剰を確保することが、群集の生き残りに大切なのだろう、と考えている。

2022-07-27 18:38:01
shinshinohara @ShinShinohara

ムダは決してムダとは限らない。アリの中には、フェロモンという道しるべになる印が分からなくなり、道に迷うおっちょこちょいが混じっているという。しかしそのアリのおかげで、近道が見つかるという。どういうことか。

2022-07-27 18:39:45
shinshinohara @ShinShinohara

アリはエサが見つかるまで、右往左往しながら歩き回る。エサが見つかって巣に戻る際、その右往左往した道を戻ることになるから、ひどく遠回り。しかし、道しるべを見失うおっちょこちょいが混じるおかげで、近道を発見できる。この結果、巣とエサまでを最短距離でつなぐことができる。

2022-07-27 18:41:22
shinshinohara @ShinShinohara

生物は、こうした「ゆらぎ」を確保する余裕、ゆとりを確保することで、変化に柔軟に対応できる力を備えている。しかし効率化は、しばしばこうしたゆらぎ、ゆとりをムダと排除し、硬直化を生みやすい。

2022-07-27 18:42:23