曽根泰教「これでプロマネやってみろ!」(2011.10.4 先端研究)
曽根「今日の授業は大規模なプロジェクトをやったことがない人にとってはほとんど意味がない。経験がないと知識を得てもその理解が深まらない。なぜビジネススクールがビジネスパーソンをとるのか、ポリシースクールがなぜ官僚をとるのかも同じ問題」
2011-10-04 09:35:24プロジェクトとは:「①ユニークな、繰り返さない現象(単一現象)、②決められた日時までに納品(時間制約)、③明瞭な目的(特定の目標)、④相互関係をもつ複雑な活動から成立(予測できない構造)、⑤元の仕事のラインではない(自分の組織)、⑥受益者(結果を期待する内外の受益者)」
2011-10-04 09:49:34曽根「プロジェクトの受益者問題は、シンクタンクやコンサルティング会社を例に考えるとわかりやすい。これらには必ずクライアントがいて、研究はするけど発表できないことがたくさん。クライアントのためにやるのか、広く一般のためにやるのかで全然変わってくる。」
2011-10-04 09:55:59曽根「いまだから言えることをいうと、某大物政治家に国会改革を頼まれたときに、その政治家の手下になったのかとマスコミから批判された。クライアントではなかったのに、である。この違いがわかっている人は少ない」
2011-10-04 09:57:50曽根「プロジェクトで何をマネージするのか。アイディア、仕事、組織、人、お金、時間・・・たくさんある。修士論文は自分の仕事をmanageするだけ。プロジェクトマネジメントとはレベルが違う」
2011-10-04 09:59:03曽根「日本の農業統計は世界に誇れるデータだが、政策に使われてない。何の目的で統計をとってるかがはっきりしていないからだ。アメリカの国勢調査は、選挙制度改革が目的、としっかり書いてある」
2011-10-04 10:09:59曽根「プロジェクトのプロセス:①立ち上げ→プロジェクトの承認、②計画→目的の定義・洗練化、③実行→プロジェクト活動を実行、④制御→プロジェクトを軌道に乗るようにする、⑤終了→公式にプロジェクトが終了」
2011-10-04 10:16:12曽根「プロジェクトのライフサイクル:①立ち上げ→マーケティング、フィージビリティチェック、競合調査 ②計画→目標達成のための適切な方法の決定 ③実行→プロジェクトの目標を達成するように実行 ④終了」
2011-10-04 10:18:09曽根「プロジェクトのために国際チームをつくると、文化の違いで驚くことが多い。いま一緒にプロジェクトをやっているスタンフォードの連中が我々と仕事をして、日本人は、①時間通りに来る、②必要な資料を持ってくる、③ちゃんと指示に従う、ので驚いているw」
2011-10-04 10:33:08「研究計画書:テーマ、タイトル、組織、対象、資金、手法、データ、分析、発表。特にタイトルが重要。タイトルがダメだと採択率低い。僕の感じでは細部では評価されてないと思う。テーマも大事、自分の専門外でも、良いテーマか悪いテーマかすぐにわかる」
2011-10-04 10:42:22曽根「研究の単位が大事。良い研究をやっていても、チームとしてみると、まったく組織がだめ。査読型の研究の弊害は、論文をよく書ける人だけが集まって、たんなる足し算になってしまうこと。それがかけ算になるのがチームとして機能するということ」
2011-10-04 10:45:11曽根先生への僕の質問「今日のお話はプロマネにおける『サイエンス』の部分がテーマでしたが、『アート』の部分はどれくらい重要だと思われますか?」
2011-10-04 11:08:39曽根先生答え「組織運営よりもプロジェクト運営の方が、アートの要素(人に依存する部分)が大きい。永続的な組織は官僚制をとっているので個人の影響力はなるべく排除されている。松下だって本田だって、カリスマ経営者なきあともしっかり存続している(続く)」
2011-10-04 11:11:30曽根先生答え「だが、プロジェクトでは人の要素、つまり個人の個性や能力、チームのまとまりが成果に直結する。これをあえて『科学』とすれば、コミュニケーション論やリーダーシップ論になるが、僕から見ればこれはアート。このアート部分への配慮もとても重要」
2011-10-04 11:15:00