平川氏によるICRP勧告の解説&食品基準改定

以前自分専用にまとめていたものですが、最近のものを追加して公開に。
環境 暫定基準 ICRP 放射能 現存被ばく状況
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オリジナル
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
で、この記事の問題点。それは、これは「基準の緩和なのか?」ということ。/被ばく線量、緩和認める 放射線審議会が提言へ - 47NEWS(よんななニュース) http://t.co/2lSxD5yQ

 元記事はこちら。
被ばく線量、緩和認める 放射線審議会が提言へ

 東京電力福島第1原発事故を受け、今後の被ばく線量基準の在り方を検討している国の放射線審議会の基本部会が、平常時の一般住民の被ばく線量限度とされる年1ミリシーベルトを達成することは当面困難と判断、緩和を認める方針であることが5日分かった。年1ミリシーベルトを超え20ミリシーベルト未満の「中間目標」の設定が可能とする提言を近くまとめる。事故後の混乱の中、相次いで決まった食品や土壌などの暫定基準値は、整合性を取る見直し作業が早急に必要とされており、基本部会の提言を参考に作業が進められる。ただ緩和水準によっては批判を浴び、作業に時間がかかることも予想される。

2011/10/06 02:02 【共同通信】

Hideyuki Hirakawa @hirakawah
(続)ポイントは、記事に登場する放射線審議会基本部会http://t.co/QlNmo61B で何が議論されているか。HPにある会議資料見るとわかるが、議論しているのは、ICRP103勧告に基づく被ばく状況の管理=ALARA原則に基づく線量レベルの削減に向けた管理だということ。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
(続)これはもうよく知られたことだが、ICRP103では被ばく状況を「計画被ばく状況」「緊急時被ばく状況」「現存被ばく状況」の3段階に分けている。計画~は、放射線源を意図的に導入・運用する場合のもので、線量を1mSv/年以下とする。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
(続)これに対し今回のような事故の直後は「緊急時被ばく状況」で20~100mSv/年で管理する。つまり、最大でも100mSv/年とし、合理的(reasonably)に達成可能な限り、まずは20mSv/年の水準に向けて、除染等によって下げる努力が求められる。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
(続)そして線量低下・低減によって緊急被ばく状況を脱して20mSv/年以下になると、今度は「現存被ばく状況」に移行。この段階では20mSv/年を上限として1mSv/年までできるだけ下げることが求められる。また最初から20mSv/年以下の地域は最初から現存被ばく状況が適用される。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
(続)47NEWSにあった「基準緩和」というのは、緊急被ばく状況ではない(しかし計画被ばく状況より線量が高い)エリアを現存被ばく状況として、20mSv/年を上限として(つまこれを超えたら緊急~扱い)線量低減していこうという話のはず。その意味では単なる「基準の緩和」とは違う話。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
(続)ポイントはこうだ。通常「基準」といった場合は、そこより上はアウト、下はセーフという「静的」な線引きになるのに対し、現存であれは緊急であれ被ばく状況では上限値以下ならセーフというわけではなく、下限値に向けた線量低減策が積極的に講じられなくてはならない「動的基準」だということ。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
(続)つまり被ばく状況では「上限値以下なら基準を満たしているので<何もしなてよい>」ということは言えず、上限値以下でもできる限り下限値に向けた低減努力が要求される。だからもし自治体や政府が「ここは20mSv/年以下だから何もしない」と言ったらICRP勧告に反してることになる。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
(続)ちなみにこのポイントは5月くらいに問題となった「学校肯定20mSv問題」でもそうだった。あれは文科省自体の発表文書を読めば明らかだが、本来はICRP勧告に従ったもので「20mSv/年を上限として下げていく」という主旨だった。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
(続)ところが、マスコミの報道では、ICRP勧告の意味を介してなかったのか、「20mSv」があたかも「静的な基準」であるかのように報じられてしまったし、恐らく多くの自治体や教育委員会、学校関係者もそう考えた。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
(続)また、この点は@kikumaco さんも度々指摘してたが、当時の高木大臣が、どうやらICRP歓呼の意味も文科省の方針の意図も理解しておらず、大臣記者会見でも「静的基準」のイメージが語られていたように思う。この点はある時文科省の中の人に聞いてみたが、どうやら正しそうではある。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
(続)他方、同時期のテレビニュースのインタヴューで見かけたところだと、当時の鈴木寛文科副大臣はちゃんと「20mSv」の意味を理解されていた。その後直接お会いする機会があり、話したときもそうだった。(→関連ツイート:http://t.co/KQjngx9n
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
(続)ところが、先に書いたようにメディアも文部大臣も「20mSv」を静的な基準と考えてしまった。当然、小さな子供がいる親御さんたちもそう考えた。その結果、「20mSvを撤回せよ」「1mSvに基準を戻せ」という基準値の取り方をめぐる対立に問題がすり替わってしまった。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)しかし本来問われ争われるべきだったのは、「20mSv/年を上限としつつ、どうやって1mSv/年に向けて下げるか、その方法・費用負担・担い手は?」という線量低減に向けた具体的な問題。それこそみんなが一番求めていたことであるはずが、誤った問題設定にはまって回り道してしまった。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
(続)同じ問題の立て間違いは、さっきリンクした47NEWSの記事が繰り返している。たぶん他も同じだろう。でも問わねばならないこと、求めなければならないことは「基準」を元に戻すことではなく、現実を元に戻すために、誰がどういう方法で線量を下げるか、そして下げきれない時どうするか。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
(続)つまり元に戻せない、戻しきれない場合には、当然ながら「権利」として、誰もが自由に避難・移住・疎開できなくてはならないし、当事者がそれを求める限りは、その自由を保証するためにには責任を全うしなければならない。もちろん除染もしかり。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
(続)最後に一点。放射線審議会基本部会の8月31日の会議資料第40-2-1号(PDF: )見ると、ICRP勧告の要素のうち、やはり影が薄いのが住民など当事者・利害関係者の関与。一応資料で触れられてるのだけど展望レス。そこが一番日本がダメダメなところだと思うのだよね。ほんとに。
小倉 正(XR四国)⏳ @togura04
注視したいと思いますが、そもそも暫定基準が適用される緊急時とは数日から数週間を想定されていたはず。 “@hirakawah: で、この記事の問題点。それは、これは「基準の緩和なのか?」ということ。/被ばく線量、緩和認める 放射線審議会が提言へ -
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
事故が小規模の場合はそれでいいのでしょうが、今回のようなケースではダメですね。RT @togura04: 注視したいと思いますが、そもそも暫定基準が適用される緊急時とは数日から数週間を想定されていたはず。 “@hirak… (cont) http://t.co/6V9nKhXp
小倉 正(XR四国)⏳ @togura04
4月の時点でも、文科省が20mSvの説明で1〜20mSvの大きな方と主張。 “@hirakawah: (続)これに対し今回のような事故の直後は「緊急時被ばく状況」で20~100mSv/年で管理する。つまり、最大でも100mSv/年とし、合理的(reasonably)に達成可能な限
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
(追記)先ほどリンク忘れました。4/19付の文科省の通知。「福島県内の学校の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」http://t.co/YOKy5BKZ 「参考レヴェル1~20mSv/年で、合理的に達成できる範囲で線量低減」の件。
小倉 正(XR四国)⏳ @togura04
なるほど “@hirakawah: (続)またこの点は@kikumaco さんも度々指摘してたが、当時の高木大臣が、どうやらICRP歓呼の意味も文科省の方針の意図も理解しておらず、大臣記者会見でも「静的基準」のイメージが語られていたように思う。この点はある時文科省の中の人に聞い
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
これですね。http://t.co/YOKy5BKZ これには「1~20mSv/年」を非常事態が収束した後の「参考レベル」として「合理的に達成できる範囲で,線量の低減を図ること」と明記されています。RT @togura04: 文科省が20mSvの説明で1〜20mSvの大きな方と主
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コメント

小倉 正(XR四国)⏳ @togura04 2013年8月31日
まとめを更新しました。そもそも総研放送の(参考レベル)20mSv/年紹介に異議あり、の項目を追加しました。
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