葭本未熾 🦋演劇第一世代🦋による、「トランスジェンダー問題」批評まとめ

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真面目な会社員・なろう系 @shoujo_toshi

ヨーロッパの白人の書いた本は、「白人の書いた本として」読んだ方がいいとわたしは思います。たぶん日本人の多くは、自分達のことを白人の仲間だと思い、白人がこちらに親近感を持って日本人にも適用できる理論で様々なことを書いてくれていると勘違いしているけれど、実際のところ、違います。

2022-11-04 02:59:03
真面目な会社員・なろう系 @shoujo_toshi

白人はアジア人に親近感とかは持っていません。個別では持ってくれる場合はあるけど。白人が文章を書くときに、日本のことを意識して文章なんて書かないです。だから、自分と違う社会制度の中で生きてる人の言葉として受け取った方がいいと、わたしは思います。

2022-11-04 03:04:35
真面目な会社員・なろう系 @shoujo_toshi

特に、植民地を持ったことのあるヨーロッパの国の白人の書いた言葉の背景には、無自覚な差別への肯定があると思います。列強というのは、差別をすることで巨大化に成功した帝国だからです。これは、日本人のわたしが文章を書くときにも痛感します。どの立場でものを言ってるのか、見失ってしまう。

2022-11-04 03:14:57
真面目な会社員・なろう系 @shoujo_toshi

帝国の恩恵を受けていようといまいと、差別を肯定し巨大化した国では、差別の肯定が文化として組み込まれています。差別する対象は時代によって変わったり、あるいはずっと変わらなかったりしますが、そこで育った子供たちに大きな影響を与えます。それは、差別することが大人の証だということです。

2022-11-04 03:18:34
真面目な会社員・なろう系 @shoujo_toshi

私が『トランスジェンダー問題』を読んで感じたのは、著者の根底に強い女性差別があることです。それは単純に性売買の非犯罪化について書いているからではありません。同じような意見を持つ『むずかしい女性が変えてきた』や、トランスジェンダー当事者の方が書かれた『トランスジェンダー男性学』では

2022-11-04 03:47:28
真面目な会社員・なろう系 @shoujo_toshi

書かれなかった、女性への一方的で侮蔑的な眼差しが『トランスジェンダー問題』の本文にはありました。最初それが、マティズモへの礼賛から来るものではないかと思いました。が、しばらくしてそうではなく、著者がイギリス人であることが影響しているのではないかと思いました。ここで戻るのですが

2022-11-04 03:47:28
真面目な会社員・なろう系 @shoujo_toshi

差別が大人の証であると文化に組み込まれている元・列強国の子供は、帝国の恩恵を受けているいないに関わらず、大きくなって自身の問題を語る際に、無自覚に、社会の中で弱い立場に置かれている属性を差別する言葉を書いてしまうのではないかということです。それが昔はユダヤ人で、今は女性である。

2022-11-04 03:47:28
真面目な会社員・なろう系 @shoujo_toshi

自分自身が被差別的な属性を持っていたとしても、いや持っているからこそ、自分と属性の違う被差別者(他者)を同一化し、自分のことを語る際、自分を蔑む感覚で、無自覚に他者を蔑む言葉を書いてしまう。それは、差別することが大人の証である文化で育った帝国の子供だから。という説を立てました。

2022-11-04 03:56:47
真面目な会社員・なろう系 @shoujo_toshi

話は変わりますが、わたしが『脱コルセット』を始め韓国の女性が書いた本に感じ入ることができるのは、他者への差別的な文言が無いからです。それは、彼女たちの国が一度も植民地を持ったことがなく、また彼女たち自身も国家において意思決定権を持つことが長いあいだできなかったからではと思います。

2022-11-04 04:04:44
真面目な会社員・なろう系 @shoujo_toshi

つまり、彼女たちにとって差別することは大人の証の文化ではない、のではないかということです。むしろ主張することが大人の証の文化なので、国家に対して彼女たちは主張を繰り返していますよね。こんなふうに著者がどこの国の出身か、その国がどんなふうに成り立ち、誰を差別し奴隷にしてきたかで、

2022-11-04 04:20:51
真面目な会社員・なろう系 @shoujo_toshi

本の中で使われる表現は大きく変わり、簡単そうに見える言葉も背景によって全く異なる様相を呈する。翻訳者は単純に言葉を置き換えるのではなく、異文化間でどうしても出てくる齟齬を拾い、著者の意図を読者に伝える責任がある。『トランスジェンダー問題』はそれがなされていたか、わたしは疑問です。

2022-11-04 04:20:52
真面目な会社員・なろう系 @shoujo_toshi

『トランスジェンダー問題』の翻訳は、もっと時間をかけてチームをつくり、注釈をつけるべきだったのではないでしょうか。後書きにあるように、翻訳者自身が単語レベルで迷う部分がある状態で出版されるのではなく。著者に対する敬意の中には、原文への批評性を持つことも含まれるのでないでしょうか。

2022-11-04 04:20:52
真面目な会社員・なろう系 @shoujo_toshi

また翻訳者が単語レベルで迷う段階で、SWASHの方のみに頼るのではなく、国内の性売買による被害者を支援する団体や、トランスジェンダー当事者で男性学の本を出されている方とも連携して、トランスジェンダーの性売買について、原文には無い多角的な注釈をつけることができたのではないでしょうか。

2022-11-04 04:20:52
真面目な会社員・なろう系 @shoujo_toshi

単著を出さないと安定した雇用が難しいアカデミズムの問題もあると思います。旬を逃せば古くなるジェンダーに関する本はできるだけ速く出版したいという出版社の考えもあったと思います。しかし批評性を持って翻訳して初めて、“The Transgender Issue” は日本語の読者にとって信頼性の高い本になったの

2022-11-04 04:34:17
真面目な会社員・なろう系 @shoujo_toshi

ではないでしょうか。包括的な情報のある本になったのではないでしょうか。この本をまるで専門書のようにして、翻訳者に十分な時間と金銭を与えず、献本をばらまき、トランスジェンダーに関する情報が包括的にわかる!という売り方をしている明石書店営業部に対しても、わたしはおかしいと思います。

2022-11-04 04:34:17