丸山天寿先生の「漫画化されたゴジラ」

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丸山天寿 @tenjumaruyama

さて、日曜日のお遊び。昭和29年に、日本の歴史に大きくかかわる物が三つ生まれた。一つは自衛隊。一つはご存じゴジラである。(もう一つは秘密)。ゴジラ映画と漫画は日本文化の誇りである。そこで本日のお題は「漫画化されたゴジラ」。例の如く、私の独断と偏見。洒落で読んで頂きたい。→

2011-10-09 07:49:27
丸山天寿 @tenjumaruyama

最初のゴジラ漫画は、昭和29年、おもしろブックの付録として発表された「ゴジラ」であろう。香山滋原作、阿部和助画。肩書きに「科学冒険絵物語」と書いてある。まだSFの言葉がない時代。作者はゴジラのデザインを依頼されたが採用されなかった。それでもゴジラ漫画を描いた。心の広い方である。→

2011-10-09 07:51:39
丸山天寿 @tenjumaruyama

昭和29年には杉浦茂先生が、ご自分の世界観でゴジラを描いておられる。原作とは随分違う姿で自由に言葉もしゃべる。アラビア風建物にいる人間に「おれは世界一強いんだぞう」「もう充分にわかったよう」と背景とはまるで違うのんびりとした会話を交わす。ちと、入手が困難だが、一見に値する。→

2011-10-09 07:53:15
丸山天寿 @tenjumaruyama

昭和30年~33年にかけて、「怪獣ゴジラ=福田三省」「ゴジラの逆襲=阿部和助」等が立て続けに出た。ゴジラの逆襲は他にも福田三省氏や藤田茂氏も描かれているから人気があったのだ。著作権や版権のゆるい時代。各々、ゴジラの姿と大きさが全く違う。中には映画を観たのかな?と思える物も。→

2011-10-09 07:56:43
丸山天寿 @tenjumaruyama

「モスラ対ゴジラ」昭和39年に久松文夫氏が描かれている。スーパージェッター(の顔をした子供)がゴジラと戦う。例の柔らかい線だからなんとなくゴジラやモスラが可愛い。冒険王の付録で、「怪獣漫画」とあるからまだSFではない。東宝映画化決定と書いてあるから、映画の前の作品だろう。→

2011-10-09 07:59:04
丸山天寿 @tenjumaruyama

他にも、石川球太氏が「地球最大の決戦」を、江原伸氏が「怪獣大戦争」を、園田光慶氏が「南海の大決戦」を、一峰大二氏が「ゴジラ対ヘドラ」を、古城武司氏が「ゴジラ対ガイガン」「ゴジラ対メガロ」を描いておられる。またはだしのゲンの作者、中沢啓治氏にも「ゴジラの息子」という作品がある。→

2011-10-09 08:00:54
丸山天寿 @tenjumaruyama

珍しいのは「神の使者」。昭和34年頃の作品と思われる。海賊版だろう。登場するのが「ゴズラ」になっている。ホームラン文庫だが、奥付に日付が書いてない。当時の貸本は日付を書かない。いつでも新刊扱いをするためだろう。この作者はなんと橋本将次氏。知ってる人は知っている艶画の大御所である→

2011-10-09 08:02:44
丸山天寿 @tenjumaruyama

ゴジラをキャラクターとして作品に登場させた先生方も多い。代表は永井豪先生の「ヒゲゴジラ=ハレンチ学園」。先生のあだ名がヒゲゴジラ。この先生はゴジラを守り神とする一族の一人である。社会概念を破壊する点ではその名前に恥じない大活躍をする。永井先生には「ドジラ先生」という怪作もある→

2011-10-09 08:05:11
丸山天寿 @tenjumaruyama

吾妻ひでお先生の「やけくそ天使」には等身大のゴジラが登場する。満員電車に揺られるゴジラ、上司にしかられ脱サラを考えるゴジラ、ぶるぶると怒りをこらえるゴジラ。何とも可愛く憎めないゴシラだ。いしいひさいち先生の四コマにも数多く登場するがたいていは間抜けで憎めない。ギャグファンは必見→

2011-10-09 08:07:15
丸山天寿 @tenjumaruyama

みうらじゅん先生にも「ゴジラの運搬」という作品があり青林堂から出版されている。ゴジラへの熱い思いが凝縮されている(実話という噂も)。いしかわじゅん先生の「パンクドラゴン」もゴジラではないだろうか。まつざきあけみ先生の「ぼくらは青年探偵団」は、その他大勢が皆ゴジラという怪作。→

2011-10-09 08:09:59
丸山天寿 @tenjumaruyama

他にもたくさんのゴジラ、ゴジラ関連作品がある。私が一番好きなのは「怪獣王国=江口寿史氏」。怪獣パロディー漫画の最高傑作と言って良いと思う。「コチラ(何と素敵なネーミング)」をはじめとする怪獣達が次々と現れて日本を襲う。迎え撃つ科学防衛隊。これはゴジラファンの必読書である。 了

2011-10-09 08:11:56