江夏豊氏の『プロとアマチュアの違い』今だからはなせる面白話

江夏豊 @enatsu_28

プロ野球の世界には、おもしろい話が、たくさん埋もれているんだけど、今日は、いまだから話せる話をひとつしようかな。

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プロ同士は「生きるか、死ぬか」の必死の勝負を、真剣にやっているんだけど、たまに笑いたくなる場面も、ちょこちょこあるんだよ。

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ワシが当時、日ハムのマウンドでのこと、2塁上には「世界の盗塁王」といわれていた福本。ベンチの上田監督が、ずっと3盗のサインを出し続けてたのに、福本は全く無視して、全然動こうとしなかった。

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阪急ベンチは、ワシが2塁への牽制球が「どへた」なこと知ってたんで、成功間違いなしと、サインをずっと出してたんだろうけど、福本は走らず、サインには全然気づかないふりを、してくれたんだよ。 　

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上田監督、怒りまくってとうとう福本に「3塁へ走れ」と、大声で怒鳴ってしまったんだよな。周りはあ然としていたらしいけど、ワシはマウンドで笑うに笑えず、投球にも力が入らず、苦労したという話。

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これは、ワシと福本との高校時代からの、長い付き合いのなかでの〝阿吽〟の友情とでもいうやつなんだけど、絶対人にはわからない、やりとりといえるかもな。

江夏豊 @enatsu_28

厳しい戦いを、常日頃している選手同士なんだけど、見えないところで、楽しんでいることも多々あるんだよ。このへんが、アマチュアと、プロとの違いだなと思うよ。

江夏豊 @enatsu_28

ちなみに言っておくけど、ワシが福本に「走ったら、しょうちせいへんぞ!!」と言ったりしたわけじゃないぞ。誤解のないように！