- Z_ganbarunoda
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はじまり
国会図書館の同書のリンク
馬娘婚姻譚 (民俗民芸双書 ; 第7)
元ネタ「蚕馬(捜神記)」と日本での受容
元々の話は戦前の民俗学者・柳田国男の『遠野物語』(『大白神考』?)における神様「オシラサマ」伝承の1パターン
愛し合っていた馬と娘がいて、父親が馬を殺したところ娘が馬の首に抱きついて天まで一緒に消えていった、そして天の国で結ばれた馬と娘は父親の夢に現れて蚕(カイコ)を残した、という話
中国の東晋の干宝における志怪小説「捜神記」(4世紀?)の「蚕馬」におけるパターンでは
馬が娘に恋しており、父親が馬を殺して皮を剥いだ。娘は「動物が人間に恋するからこうなる」と嘲笑ったところ馬の皮が娘を包み込んで遠くへ消えた。
馬の皮と娘は糸を吐く虫へと変わり、桑(ソウ)で育って大きな繭を作ったという。馬と娘が死んだので喪(ソウ)の意味もあるとか。
(「大きな繭」は魏文帝・曹丕と呉大帝・孫権の即位の逸話にもあるが関係は不明)
参考資料
触発されて独り言モード
養蚕とUFOの神話「金色姫」と「うつろ舟」 蚕と娘
オシラサマと中国西晋の捜神記の「蚕馬」とか自分の好みの分野なので気になるのだRT 実際この話は「馬と蚕(周礼)」「蚕と娘(養蚕)」「喪と桑の発音の類似」の関係でmjdgwpg@ 「馬娘婚姻譚 (民俗民芸双書 ; 第7) 今野円輔 著 岩崎書店, 1956」 ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300…
2022-12-23 18:12:47(馬娘婚類譚とは無関係、ミス)
馬娘婚姻譚ならうつろ舟!(UFO、168ページ) 最近新資料が発見されたとか! ibarakinews.jp/news/newsdetai…
2022-12-23 18:14:13シーボルトが持ち帰ってフランスに伝わった「養蚕秘録」には茨城県豊浦に「金色姫」という天竺の女性が養蚕を伝えた逸話があるのだ このURLだと田中嘉津夫先生が「うつろ舟」伝承の第一人者だとか nippon.com/ja/japan-topic…
2022-12-23 18:16:06「金色姫」伝承は江戸時代の養蚕書「養蚕秘録」と共にかなり広まっているのだ この中で金色姫は継母によって「4つの苦難」にあって、最後に父王に「うつろ舟で送り出されて常陸国の豊浦に着いたとか city.hitachi.lg.jp/citypromotion/…
2022-12-23 18:20:51(老夫婦に金色姫は拾われて、亡くなったあと蚕となり拾われた恩を返す)
「常陸国の豊浦」についても色々あるけれども省略 とにかく現代では「蚕影神社(こかげじんじゃ)」があって、かつては日本の産業としての養蚕で賑わったとか 伝承に色々差異はあっても「蚕影山」の「金色姫」様を祀る所では「和讃(日本語の歌)」も伝えられているのだ kaikologs.org/archives/1825
2022-12-23 18:24:18この話は馬娘婚礼譚ではないものの(さっきと違いすみません)、日本の養蚕伝承では蚕と女性のセットで広まったものなのでメモするのだ
2022-12-23 18:25:42馬と女性の関係を考えるなら女性が馬の飼育をしていたか否かを考える必要があるのと思うけれどと、馬と蚕、女性と蚕については結びついているのと、喪と桑(捜神記・発音の類似)で結びついているのでもうしばらくご辛抱をお願いするのだ
2022-12-23 18:27:05儒教の古典『周礼』『荀子』における蚕と馬
馬と蚕といえば儒教で理想視された時代に作られたとする「周礼(しゅらい)」の『夏官司馬』 司馬は軍事のことで「淮南子」天文訓にも南方と司馬の関係が書かれているのだ ここには『馬質』という馬の仕事に「禁原蠶者」とあるのだ つまり「原蚕」を育ててはいけないのだ ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%91%A8…
2022-12-23 18:32:02現代で「原蚕」というと日本の大正時代以降のの交雑の話になるので別の機会に 後の人によると「原」は2化性、つまり春と夏に卵から孵化する蚕のことなのだ(原始的なのは春のみ) 桑の葉っぱを春と夏に2回も収穫すると葉っぱが弱るのだ 馬の餌に桑を使うと不便だし、蚕から取れる絹も「当時は」低品質
2022-12-23 18:35:49