素晴らしき古典芸術

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『すばらしき古典美術』を訳してみた。偉大な美術を偉大ならしめるのは何か。それは、熟練した技とは無関係の個人的な好みにすぎないのか。それとも、美術的な作品を客観的に評価する基準が存在するのか。アーティストのロバート・フローザックがこの難問に回答します。 youtube.com/watch?v=bC9LA6… pic.twitter.com/SYZspJotzI

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現代美術と対比して、古典美術はなぜこんなにもすばらしいのか。それは、厳しい水準と何百年もの歴史を持つ美学の洗練された原則に基づき創られているからだ。ちなみに美学とは美術的な質を測る哲学の一分野である。 pic.twitter.com/qwgSiAj2Ih

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絵画や彫刻では、構図、形、色彩、線、質感、動きなどのさまざまな特性を駆使して美を創造する。経験を積んだ眼には、そして一般の鑑賞者の眼にさえも、美術と呼ぶにふさわしい作品にはこれらが備わっていることが見て取れる。 pic.twitter.com/dixBdgPx2a

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たとえば構図だ。これはオブジェクトの配置を意味する。巨匠の手にかかれば優雅で抑制が利いた構図ができあがる。未熟者の手による構図はおさまりが悪く、行き当たりばったりにみえる。色彩は見事にバランスが取れた調和的なものにもなるし、けばけばしいほどでたらめで無粋にもなる。動きは… pic.twitter.com/QYZ3FnPkKv

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…気持ちを高揚させるダイナミックなものにもなれば、静的で倒錯的にもなる。 以前の私のPragerU動画『なぜモダンアートはこんなにひどいのか?』では、1860年代ごろからどのように審美的な基準が徐々に放棄され、美術が衰退しはじめたかについて解説した。 pic.twitter.com/od8NxQGvdB

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美術にとって残念なことに、すべての人が私の考えに同意するわけではない。次のような議論を耳にしたことがあるだろう。 「美術はただただその時代を反映するのだ」 「美術において大切なのは技術的な熟練度よりも人に考えさせる力だ」 「美術は個人的な好みの問題だ。美術に出来の良い悪いなどない」 pic.twitter.com/WQtzBT69oP

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こうした思い込みはどこからやってくるのだろうか。それは、過去100年間に書かれ、教えられてきた美術史に多くを負っている。その歴史を書いたのは、美術家ではなく人文科学や社会科学を専門とする人々だった。美術的な才能はおろか、アーティストの視点や経験も持たないこうした批評家や教育者は… pic.twitter.com/jIRIOprARG

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…彼らが理解する言語のみで美術をとらえようとした。その言語とは、すなわち「意味と社会的重要性」である。したがって、人々が美術は「ただただその時代を反映する」という考えを抱くにいたったのも驚くには値しない。時代を反映することもあるだろうが、必ずしもそうではないのだ。 pic.twitter.com/UxvegA6PVt

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過去の偉大なアーティストは、その時代を反映することなど少しも気に掛けなかった。彼らが気に掛けたのは、なんといっても視覚的に麗しい美術作品を作ることだった。 pic.twitter.com/CMzv6UdhlT

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美術とは、その定義からいって、視覚的な媒体である。したがって、どのように見えるかに比べれば、その「意味」や「考えさせる力」は二の次である。文学や音楽などの他の創作媒体には意味は存在するかもしれないが、美術の唯一無二の特徴は視覚性である。したがって、視覚性が最も重要となる。 pic.twitter.com/xyahDtEC9c

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優れた作品は、鑑賞者がその"意味"について何も知らなくても、それ自体で成立することができるし、またすべきである。視覚媒体において純粋な視覚体験よりもそれが何を意味するのかが重要になるのなら、それはジャーナリズムや社会評論としては成功と言えるのかもしれないが、美術としては失敗である。 pic.twitter.com/AQAG1OOTRk

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では、美術の質を判断するにはどこを見ればいいのか。それは、視覚媒体による表現の熟練性である。たとえば、17世紀に活躍したオランダの巨匠フェルメールの絵を見てみよう。この絵画の質は、抑制されたバランスを持つ構図、調和のとれた色彩、視覚と手の協調から生まれる筆遣いにあらわれている。 pic.twitter.com/U5TlFt133W

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女性の腕と袖の境目の柔らさに注目すれば、それがフェルメールの繊細な筆のタッチにより実現したものであることがわかる。これこそが美術的な質の真髄である。 「写実的」であること、または写真のように見えることは本質ではない。リアリズムは1つのスタイルに過ぎないのだ。 pic.twitter.com/zuHQOFEW7n

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優れた美術は必ずしも写実的である必要はない。写真が古典美術の息の根をとめたと考えている人は多い。それは、写真のように見えることが絵画の目的だと彼らが思いこんでいるからだ。しかし、古典美術がそれを目指したことは一度もない。 pic.twitter.com/xSAE14iS0E

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古典美術は見るたびにその経験が深まる。しかし、現代美術から得られる経験は一般的に瞬間的なものだ。そして、オチを必要とする冗談のように、いったん知ってしまえばその先はない。 pic.twitter.com/85fFwUF2IB

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もちろん、現代の作品を楽しむことができないと言っているわけではない。だが、質と好みは別のものだということは覚えておいてほしい。質は成熟した基準に基づく。好みは個人の嗜好である。 pic.twitter.com/nx8UOGBHAy

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優れた美術がけっして行わないことが1つある。それは、あなたを笑いものにすることだ。作品の質の高さは、それが持つ意味とは無関係に、誰の眼にも明らかである。 pic.twitter.com/Pd6L73ZLvR

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魅力的な理論をふりかざす「最先端」のアーティストに心酔してしまうことがあるかもしれない。しかし、実はまんまと一杯食わされているのかもしれない。それを判断するすべはないのである。 pic.twitter.com/WnRYPdhomc

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最後に、インスピレーションに富む過去の作品とは異なり、今日の美術の多くは、私たちの住む世界がどれほど粗野でがさつになったかを示している。幸いなことにこれには解毒剤がある。それは、世界中の優れた美術館の中にある。入口で警備員に尋ねてみればいい。すぐにその場所を教えてくれるだろう。 pic.twitter.com/D5MYzL8dTF

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ロバート・フローザックでした。(了) 英文スクリプト: prageru.com/video/why-is-c…

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ロバート・フローザックによる前回のPragerU動画(2014年公開)はこちら。↓ twitter.com/tarafuku10/sta…

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動画「なぜモダンアートはこんなにひどいのか?」を訳してみた。モダンアートはなぜ、アーチストの主張の道具となり、見る人にショックを与えることが目的となってしまったのか。アーチストで大学でも教鞭をとるロバート・フローザックが説明します。 youtube.com/watch?v=lNI07e… pic.twitter.com/7lmYML1NCX

2019-08-05 19:09:50

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ロバート・フローザックの新しい動画はこちら↓ (2023年1月公開) twitter.com/tarafuku10/sta…