戦艦と対艦ミサイル、何故対艦ミサイルが戦艦をお役御免にしたと言うのか?

まだまだ追加で記載するかもです。
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ミラー @miraa1812

戦艦と対艦ミサイル。 どうして空母でも潜水艦でもなく対艦ミサイルを取り上げたか?を説明しようかなと。

2023-01-06 18:49:37
ミラー @miraa1812

まず、戦艦を廃止に追いやった要因として次の3点が通常思いつくかなと。 1.戦略的な価値を失った。 2.戦力的な価値を失った。 3.コスト的に維持出来なくなった。 この内3の要素は国が何を重視するかの取捨選択なので、兵器そのものの存続を定める要素としては不適格と思うのです。(金があれば特に)

2023-01-06 18:49:37
ミラー @miraa1812

なので、残りの2点の視野から考えていこうと思います。 まず1.の戦略的価値は特に空母との対比で大きく取り上げられると思います。 正直な処、戦略的価値は空母の方が圧倒的です。

2023-01-06 18:49:38
ミラー @miraa1812

というのも、空母は海洋の権益を抑えるという戦艦の戦略的価値以上に、敵地を直接打撃する航空基地としての価値があります。 では、何故ここで空母を戦艦を葬った対象としないか?

2023-01-06 18:49:39
ミラー @miraa1812

それはそもそも戦艦の戦略的価値が海洋権益の確保という海軍力のベース、海軍そのものの優位性の確保という部分に根ざし、単に最強のアセットとして戦艦が君臨してた「だけ」だからです。

2023-01-06 18:49:39
ミラー @miraa1812

戦艦の誕生はより強力な水上戦闘艦艇を造るという過程で生まれ、特に砲戦を重視する艦艇の中で最強の存在として発展しました。

2023-01-06 18:49:40
ミラー @miraa1812

その中でも大切な要素は装甲等もありますが、一番は主砲とその射撃管制装置にあります。 これを最強の物にする為に巨大化し、装甲を纏ったのが戦艦な訳です。

2023-01-06 18:49:40
ミラー @miraa1812

ここは次の要素で話すとして、話を戦略的価値に戻すと、対抗手段が戦艦に絞られるからこその戦略的価値だったのは事実です。 ただ、それは相対的な価値で戦略的価値が失われたからと、直ちに戦艦が廃れた訳ではありません。

2023-01-06 18:49:41
ミラー @miraa1812

これは砲戦型の巡洋艦にも言える事ですが、空母は強力な存在とはいえ、艦艇による対水上戦闘を蔑ろに出来る訳ではありません。 結果的に60年代まで戦艦を保持出来る国は保持し、砲戦型巡洋艦も保持されました。 挙げ句には80年代に復帰させた国も有るわけですが。

2023-01-06 18:49:42
ミラー @miraa1812

これが戦略的価値の喪失が直ちに戦艦の滅亡に繋がったと言えない理由です。 コスト的に維持出来ないのは、そもそも冷戦で東側に戦艦が事実上無かったのも大きいでしょう。(巡洋艦は結構居ますが)

2023-01-06 18:49:42
ミラー @miraa1812

因みに、戦略的価値という意味ではまた変わって行きます。 彼等は水中に水上艦艇とは別の王国を築いた訳です。 ただ、潜水艦の誇る最強の対艦打撃力は、その運用に於いて水上艦艇の様な扱い方は出来ないのも忘れてはならないなと。

2023-01-06 18:49:43
ミラー @miraa1812

詰まるところは、潜水艦の王国とは、彼等のペースで戦う環境の構築であって、そもそも戦艦と存在価値が喰い合う存在とは異なるなと。 話を戻して、2.戦力的価値に進めたいと思います。

2023-01-06 18:49:44
ミラー @miraa1812

戦艦の水上戦闘に於ける最大の価値はその主砲で、それによる対地攻撃能力は結果的に得た約得とも言えるものなのです。 その為、戦艦を退役させた後の米海軍が対地射撃に開発したのはズムウォルト級の155mmAGSと巡航ミサイルの発展でした。

2023-01-06 18:49:44
ミラー @miraa1812

では、航空機とはどうなのか?というと、一つは全天候での交戦能力は70年代移行までは厳しかったのと、空母は単艦で作戦行動をするには流石に艦自身の水上戦闘能力に不安があるというのがあります。 常時CAPを飛ばしたとしても、紅海の様な地形ではどうしても直接的な水上戦闘も起こりえます。

2023-01-06 18:49:45
ミラー @miraa1812

勿論、最初から叩き潰すつもりで航空作戦を展開するなら別ですが。 そういった局面でも投入出来る砲戦型巡洋艦や戦艦は、対潜護衛は必要になるにせよ、当時は魅力的な存在だった訳です。

2023-01-06 18:49:45
ミラー @miraa1812

しかし、60年代にソ連が対艦ミサイルを開発し、米軍も3Tミサイルで対艦打撃力をミサイルに与えると事情が変わって行きます。 戦艦の様な大掛かりな装備が無くとも大火力の弾頭を少ない手数で直撃できる可能性が出てきたのです。 それは戦術核弾頭を使うという選択も含めての話ですが。

2023-01-06 18:49:46
ミラー @miraa1812

ただ、戦術核ともなると戦艦クラスの主砲が必要ですし、そうでなくても砲戦型巡洋艦の様な火力を高い命中率で撃てるのは魅力的です。 そもそも火力は航空爆弾程度しか無くても、戦艦にちゃんと命中させていけるなら機能不全を起こさせる事は出来るのがWW2で証明されてる訳です。

2023-01-06 18:49:46
ミラー @miraa1812

そこに起きたのがエイラート事件です。 対艦ミサイルを載せたミサイル艇が駆逐艦を撃沈したこの事件で、西側諸国も本格的な対艦ミサイルの開発に乗り出します。 これは航空機の打撃力も更に高める事になりました。

2023-01-06 18:49:47
ミラー @miraa1812

こうして、戦艦の様な大掛かりな射撃管制装置が無くとも、巨砲が無くとも、敵の水上艦艇に打撃を与えられる装備が戦艦や砲戦型巡洋艦以外にも普及する事で、残されていた戦力的価値も失うのです。

2023-01-06 18:49:47
ミラー @miraa1812

以上が戦艦をお役御免にした存在が何故対艦ミサイルなのか?の個人的な解釈になります。 確かに、色々ご指定頂いた様に疑問に思われる事があるとは思いますが、兵器とその武装で対比したのは、対艦ミサイルという武装が単に水上艦艇以外のアセットにも大きな打撃力を与えたというのもあります。

2023-01-06 18:49:48
ミラー @miraa1812

魚雷に関しては、最強の対艦打撃力なのは事実なのですが、では魚雷を主力とした艦艇は潜水艦以外どうなったか?が回答になるかなと。

2023-01-06 18:49:48
ミラー @miraa1812

あと、空母は戦艦より有速で天候不順等の不利な環境から逃れられるとう示唆に関してですが、そこに関しては 1.海洋を支配するという戦略的な意味では正しいけど、それは水上戦闘艦として2番手の強さを維持する事に変わらないので、戦力としての価値は残る。 2.速力等の技術的要件が解決すればよいか?

2023-01-07 15:35:00
ミラー @miraa1812

という問題があるなと。 本当に空母単体で対水上戦闘が万全に行えるなら、護衛艦艇に水上戦闘能力を求める必要はないとなってしまいますが、そうはならないでしょうと。

2023-01-07 15:35:01
ミラー @miraa1812

この話で空母と引き合いになるの、確かに純粋な火力投射量と距離は空母が圧倒していて、戦艦というより水上艦艇の全ての対水上打撃力を上回ってるのだけど、自分が言いたいのはその後も残った戦艦が生き残る可能性も潰えたという話なのです。

2023-01-08 11:39:45