オミクロン株とインフルエンザの致死率とその報道

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オミクロン株とインフルエンザの致死率とその報道

川端裕人 『ドードー鳥と孤独鳥』(国書刊行会)いよいよ発売中! @Rsider

神戸大学の中澤港教授が「オミクロン株の致死率は季節性インフルエンザ並み」という静岡県の資料が、元々オミクロンの過小評価と、インフルの過大評価の両方向のバイアスがあることを示唆する当初の注釈が脱落して「事実」として流通する過程を追ったスライドを公開しているminato.sip21c.org/infodemic-flu-…

2023-01-10 21:25:27
川端裕人 『ドードー鳥と孤独鳥』(国書刊行会)いよいよ発売中! @Rsider

報道機関による孫引きの中で、注釈が脱落し、そのうちに「見出しによる強調」が行われる。分母がなにで、分子がなにかというのを常に意識しないとこういうことになる。すべての人に意識しろというのは無理としても、報道機関は慎重に見てほしいもの。

2023-01-10 21:26:36
川端裕人 『ドードー鳥と孤独鳥』(国書刊行会)いよいよ発売中! @Rsider

なお、仮に、「致死率」が同じだとしても、Rt大きいと多くの人が感染することになるし、10倍感染すれば10倍の人がなくなることになるのは当たり前で、致死率だけでは語っていけないことは、アドバイザリーボードへの提出書類で押谷さんや西浦さんが言っていた通り。

2023-01-10 21:28:31
川端裕人 『ドードー鳥と孤独鳥』(国書刊行会)いよいよ発売中! @Rsider

今、それを実感している人も多いのではないだろうか。インフルエンザの年間超過死亡は(普通にインフルが流行していた頃は)だいたい1万人っていわれたけれど、現状のコロナの場合、ほとんど1ヶ月で1万人の死亡が積み上がっているわけだし、超過死亡がわかる頃には更に増えていることは確実だろうし

2023-01-10 21:33:25
ABC @ssaa6443653

@Rsider これで国民の意識が 「季節性インフルエンザと同等に考えれば良い」と変わってしまったのだとしたら静岡県は相当罪深いことをした。 分科会はその後もインフルエンザと同等とは言えないと否定していましたがこの流れは覆せませんでしたね。

2023-01-11 01:58:08
ramos2 @ramos262740691

川上先生のこのスレは良スレです。 twitter.com/koichi_kawakam…

2022-07-18 00:53:01
Koichi Kawakami, 川上浩一 @koichi_kawakami

インフルエンザとコロナの致死率に関する考察: 6月17日静岡県健康福祉課の資料↓ pref.shizuoka.jp/kousei/ko-420a… pdf中に、インフルエンザ致死率0.09%、オミクロン株致死率0.08%の記述があります。以下のスレッドでインフルの致死率が過大評価である可能性を指摘します。 @BB45_Colorado pic.twitter.com/05hbwl2yI5

2022-07-16 09:41:05
Koichi Kawakami, 川上浩一 @koichi_kawakami

インフルエンザとコロナの致死率に関する考察: 6月17日静岡県健康福祉課の資料↓ pref.shizuoka.jp/kousei/ko-420a… pdf中に、インフルエンザ致死率0.09%、オミクロン株致死率0.08%の記述があります。以下のスレッドでインフルの致死率が過大評価である可能性を指摘します。 @BB45_Colorado pic.twitter.com/05hbwl2yI5

2022-07-16 09:41:05
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Koichi Kawakami, 川上浩一 @koichi_kawakami

このインフルエンザ致死率0.09%(死亡27,679人/感染者31,665,539人)の数字は、第74回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料(3月2日)↓ mhlw.go.jp/stf/seisakunit… 資料3-10、奈良県立医科大学医学部 野田龍也准教授が作成した資料によるものです。 pic.twitter.com/CE16SATFxE

2022-07-16 09:53:07
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Koichi Kawakami, 川上浩一 @koichi_kawakami

数字は「レセプト情報・特定健診等情報データベース」から取得し、2017年9月~2020年8月の3年間にインフルエンザで医療機関を受診した述べ患者数と受診から28日以内の死亡者とあります。 この数字は確かでしょうか? まず直感的にインフルの感染者数が一の位までわかるわけがない、ことに気付きます。

2022-07-16 10:01:13
Koichi Kawakami, 川上浩一 @koichi_kawakami

2010年、大阪大学感染制御部の資料↓ hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-infect… "􏲎およそ2000􏱐􏱎􏱄􏴏􏴥􏱤􏱴􏱵万人の国民が感染"するが(日本の医療体制は優れているので)"インフルエンザ感染者の致死率は0.001%未満で"ある、という記述があります。厚労省の資料0.09%よりかなり低い数値ですね。どうしてでしょう? pic.twitter.com/zhkAKPbDZm

2022-07-16 10:30:50
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Koichi Kawakami, 川上浩一 @koichi_kawakami

インフルエンザによる死亡数は以下の通り↓ honkawa2.sakura.ne.jp/1955.html 2020年:956人(コロナ対策のおかげで減少) 2019:3575 2018:3325 2017:2569 前出の大阪大学の資料の2010年は死亡数161人。特に少なかったようで、それから増加傾向にあります。それでも、4000人/年以下、3年で計27679人にはほど遠い。 pic.twitter.com/nO3iHJNyFH

2022-07-16 12:26:11
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Koichi Kawakami, 川上浩一 @koichi_kawakami

この2010年以降の死亡数の増加の理由はわかりません。 インフルエンザウイルスの性質が変わったのか? インフルエンザの死亡数比較(主要国)↓ honkawa2.sakura.ne.jp/1956.html 米国に同調して増加しているのが見て取れます。 コロナと同じく、米国で流行すると日本で流行する、 と考えることは可能ですね。 pic.twitter.com/310DPGyb4C

2022-07-16 12:43:57
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Koichi Kawakami, 川上浩一 @koichi_kawakami

「超過死亡」というのは端的に言うと、いつもより多く人が死亡したという指標で、インフルエンザ死と認定されなかった死亡も含む可能性がある。 過去の日本の超過死亡数のグラフはこちら↓ niid.go.jp/niid/images/ia… 1998/99が突出している。これはインフルが原因ではないでしょう。2018/2019は3276人。 pic.twitter.com/wlEmGmbG75

2022-07-16 15:16:16
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Koichi Kawakami, 川上浩一 @koichi_kawakami

国立感染症研の2018/2019シーズンのインフルエンザについての報告書↓ niid.go.jp/niid/images/id… ここに ”21大都市合計では、例年よりやや高いレベルの死亡数が観察されたが、超過死亡は観察されなかった(p19)” とあります。なので2019のインフル死亡数3575人は超過死亡を考えてもそれほど変わらない。

2022-07-16 15:27:42
Koichi Kawakami, 川上浩一 @koichi_kawakami

したがってインフルエンザ致死率0.09%(死亡27,679人/感染者31,665,539人)の死亡27,679人は、あくまで”インフルエンザ受診者の受診から28日以内の死亡”であり、実際の死亡数より過大であると考えられる。野田氏自身も"インフルエンザ関連の死亡のみとは限らない点に留意が必要"と注釈している(p15)。

2022-07-16 16:09:42
Koichi Kawakami, 川上浩一 @koichi_kawakami

仮に2018~2020のインフル死亡報告数 2020:956 2019:3575 2018:3325 で計算すると、7,856/31,665,539=0.024% 2020年にはコロナ禍が始まっているので除外して、2019年の死亡数3575人を分子にして、分母(感染者数)を~1000万人として計算すると致死率~0.036%、感染者~2000万人とすると~0.018%となります。

2022-07-16 16:22:19
Koichi Kawakami, 川上浩一 @koichi_kawakami

ですので、インフルエンザの致死率を0.1%としたり0.09%とするのは、高すぎる値です。 (左)東京新聞2020年2月7日 tokyo-np.co.jp/article/17917 (右) 静岡県の新型コロナウイルス感染症者発生・入院等の状況(7月11日) pref.shizuoka.jp/kousei/ko-420a… 静岡県、コロナのデータに関しては独自によくやっていますが。 pic.twitter.com/ajMH0pPN4S

2022-07-16 17:04:53
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Koichi Kawakami, 川上浩一 @koichi_kawakami

(左)NHKのこの数値は妥当なものと思います(2022年3月4日)。 nhk.or.jp/shutoken/newsu… (右)東京新聞の表の記載は正確と思います。ただし、インフル致死率0.09%の値は、今まで説明してきたように死亡数を課題に評価したものです。 pic.twitter.com/OtCZrj8LJ2

2022-07-16 17:12:10
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Koichi Kawakami, 川上浩一 @koichi_kawakami

まん防が解除され、3月16日に岸田首相が「日常の生活を取り戻す」と述べて以降、インフルの致死率0.09~0.1%が強調され、オミクロンと大差ない、という言説が増えてきたと思います。 アドバイザリーボードの資料(3月2日)資料3-10↓ が根拠とされるのでスレッドで考察しました。 mhlw.go.jp/stf/seisakunit…

2022-07-16 17:24:23
Koichi Kawakami, 川上浩一 @koichi_kawakami

野田准教授が間違っているわけではありません。彼はアドバイザリーボードで議論するために数字の根拠を示し資料を作成した。 その資料を元に「オミクロンはインフルと同程度」と解釈するのが間違いであり、それを元に施策するのが間違いです。BA.5の病原性が未知であることも忘れてはなりません。(終)

2022-07-16 17:35:37
Koichi Kawakami, 川上浩一 @koichi_kawakami

研究者。理学博士。専門は遺伝学、分子生物学、発生生物学、神経科学。モデル動物ゼブラフィッシュを使って脊椎動物の体づくりや脳のはたらきの研究をしています。Tweetは個人の意見です。論文リスト: scholar.google.co.jp/citations?hl=j

ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9D…

欧州各国の1日死者数

(参考記事)フィンランドの1日の新たなコロナ死者数がパンデミック以来で最多の330人に(2023/01/07)

(参考記事)デンマークの1日の新たなコロナ死者数がパンデミック以来で最大に(2023/01/07)

(参考記事)スウェーデンの1日の新たなコロナ死者数が過去約1年9か月で最大の315人に (2023/01/07)

(参考記事)ベルギーの1日の新たなコロナ死者数が過去約2年で最大の167人に(2023/01/07)

(参考記事)イタリアの1日の新たなコロナ死者数が過去2年で最大の798人に (2023/01/07)

(参考記事)ドイツの1日の新たなコロナ死者数が過去8か月で最大の349人に (2023/01/07)

(参考記事)フランスの1日の新たなコロナ死者数が過去10か月で最大の423人に (2023/01/07)

https://indeep.jp/end-mics-2023jan/