茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【死後の世界を否定することは科学的態度ではない】連ツイまとめ

2011年10月23日の連続ツイート 「魂はそとをふわふわと飛んでいるのではない、脳内現象として、表象されているのである」……「魂」や「死後の世界」という仮想が存在する。それらのリアリティを否定することは「科学的態度」では断じてない……
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茂木健一郎 @kenichiromogi

「連続ツイート」をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています! 本日は、前の二日の流れを受けて!

2011-10-23 08:20:42

前二日(10/21・22)の連ツイ

まとめ 茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【カダフィ死亡に言及】&【日本の神学】連ツイまとめ 2011年10月21日 ……茂木健一郎氏:カダフィ死亡に言及…… そして、連続ツイート ……【里山の景観が日本人にとってのふるさとの心象風景になること】…… 4018 pv 25 3
まとめ 茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【日本の神道について思うこと】連ツイまとめ 2011年10月22日の連続ツイート 「ひとは、この地上の生を懸命に全うし、亡くなったときに、かみさまになる」 ……徳川家康が亡くなって東照大権現になり、菅原道真が天満天神になるように、どなたか、古に大切な仕事をして、一生懸命生きていらした女性が、亡くなって天照大神になられた。そう考えたとき、それまで腑に落ちなかった日本の神話が、急に親しく、大切な存在になったのである…… 2501 pv 10 1
茂木健一郎 @kenichiromogi

たの(1)「科学的世界観」というものを狭くとらえる人がいて、魂とか、「あの世」とか、「神」とか、そのような概念を、一切認めない人がいる。そのような狭量主義は、存在論的/認識論的誤解に基づいていると私は思う。

2011-10-23 08:21:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

たの(2)小林秀雄も言っているように、「魂」は、別にふわふわと外を飛んでいるわけではない。「魂」は、私たちの心の中にある。亡くなったおばあちゃんのことを思い出すと、その魂が心の中に脳内現象として生まれるのである。

2011-10-23 08:26:00

小林秀雄(1902年 - 1983年)

日本の文芸評論家。日本の近代批評の確立者であり、西田幾多郎と並んで戦前の日本の知性を代表する巨人であり、戦後も保守文化人の代表者であった。いわゆるフランス象徴派の詩人、ドストエフスキー、志賀直哉らの文学、ベルクソンやアランの思想に大きな影響を受ける。本居宣長の著作など近代以前の日本文学にも深い造詣と鑑識眼を持っていた。。 http://p.tl/RImJ 「ウキペディア」より

茂木健一郎 @kenichiromogi

たの(3)クオリアや志向性に満ちた脳内現象が、どのように生まれるのかは、誰にもまだわかっていない。いずれにせよ、そのような色とりどりのものたちの中に、「魂」や「死後の世界」という仮想が存在する。それらのリアリティを否定することは、「科学的態度」では断じてない。

2011-10-23 08:32:47

クオリア

心的生活のうち、内観によって知られうる現象的側面のこと、とりわけそれを構成する個々の質、感覚のことをいう。…簡単に言えば、クオリアとは「感じ」のことである。「イチゴのあの赤い感じ」「空のあの青々とした感じ」「二日酔いで頭がズキズキ痛むあの感じ」「面白い映画を見ている時のワクワクするあの感じ」といった主観的に体験される様々な質のことである。 http://p.tl/_067「ウキペディア」より

茂木健一郎 @kenichiromogi

たの(4)そもそも、目の前のコップの表象でさえ、脳の活動が生み出した得体の知れないものであり、それと「コップ自体」の関係は、たまたま進化論的に拘束されたに過ぎぬ。同じように、「魂」の表象と、「魂自体」の関係についても、ふかしぎな暗闇が存在する。

2011-10-23 08:33:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

たの(5)「コップ」の表象に対して、「コップ自体」があるのとは同じ意味では、「魂」や「死後の世界」の表象に対して、「魂自体」や「死後の世界自体」がない、という議論はありうる。私自身もそう考えているが、 人間の意識に対する切実さという意味においては、本質ではない。

2011-10-23 08:36:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

たの(6)この世に生まれて、なぜか意識というものを持ってしまい、自分の死を認識し、悩み、苦しむ。そんな中で、「魂」や「死後の世界」といった表象を生み出したからと言って、それは恥ずべきことではなく、むしろ生きることの切実さに寄り添っている。

2011-10-23 08:37:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

たの(7)狭量な科学主義者が、「魂」や「死後の世界」を口にする人を笑うのは、つまりそこに「魂自体」や「死後の世界自体」が含意されていると解釈するからだろう。しかし、本当に大切なのは表象の切実さの方で、魂がふわふわと飛んでいるわけではないことなどわかっている。

2011-10-23 08:38:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

たの(8)昨日、私が「人は死んだら神様になる」とツイートしたのも、むろん、本当に神様がふわふわと飛んでいて、「神様自体」がいらっしゃると考えているだからではない。神様という、表象を生み出した人間の切実さ。それに寄り添うことでしか、見えてこないことがある。

2011-10-23 08:39:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

たの(9)以上申し上げたことは、私にとっては、現代を生きる上では必要不可欠な素養の一つだと思う。このことさえわかっていれば、合理主義から外れることもないし、狭量に陥ることもない。いずれにせよ、意識の中に実際に感じられることを否定するのは、愚かなことだ。

2011-10-23 08:40:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「魂はそとをふわふわと飛んでいるのではない、脳内現象として、表象されているのである」ことについての連続ツイートでした。

2011-10-23 08:41:18

茂木健一郎ブログ クオリア日記

茂木健一郎 @kenichiromogi

クオリア日記 ずっとぶっこわれた青い靴でがまんしていたのが、急に靴持ちになっちゃった。 http://t.co/Sdh0h149

2011-10-23 07:44:49