最近『共感型読書(自撮り読書)』がSNS等に蔓延しているのでは、という話「シンパシーとエンパシーの問題」
- somali_bleu
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ハリー🦔です。株式会社テクノ・プロ・ジャパンという翻訳会社を経営しています。元フリーランス翻訳者。現在、両親の介護中。仕事と介護を両立させるべく奮闘する日々です。 読書中:『レーエンデ国物語 月と太陽』(多崎礼著)、練習中:Primaveral(Alicia de Larrocha)
地元紙に、国語教育に関する鴻巣友季子さんへのインタビューが掲載されていました。 最近気になることとして、「共感型読書」が目立つことを挙げられていました。Twitterなどを見ていると (文芸作品に接したときに)「共感しかない」という言葉になるか、逆に「無理」と言って拒絶するかのどちらかで、
2023-01-06 05:17:19その間が少ないように感じると。共感はできなくても理解はしようという心の動きがあまり見受けられないと。 また、小説などの文芸作品を読む意味としては、「圧倒的他者と出会うこと」と。 最近の自分は圧倒的他者と出会うような読書をしていない (半分意識的に避けている) 自覚があって、ちと反省💦
2023-01-06 05:31:45仕事の告知など。「100分de名著」『風と共に去りぬ』オンデマンドで視聴可。『謎とき「風と共に去りぬ」』『翻訳、一期一会』『文学は予言する』訳業『嵐が丘』『灯台へ』『恥辱』『誓願』『獄中シェイクスピア劇団』『わたしたちの登る丘』『緋色の記憶』『浜辺のアインシュタイン』。ペンクラブ女性作家委員、獄中作家・人権委員。
tweet有難うございます。共同通信の取材。高校国語にディスカッションなどを多く取り入れるのは賛成。しかしそういう表現力発言力(アウトプット)も読解力があって初めて培われる。日本は優れた作家が輩出しているが、読みの「土壌」が痩せていくと文学も衰えていく、なども話していると思います。 twitter.com/TU_TPJ/status/…
2023-01-07 10:15:09「共感型読書」がSNS等に蔓延していることへの危惧も話しました。自分の似姿を探す読書。「自撮り読書」とも言われます。自分と似た立場、感覚、考えの作者や人物は「共感しかない」と全肯定し、自分から遠いそれらは「このひと無理」と全否定する。同類を抱擁し異類を排除する光景が並んでいます。
2023-01-07 10:25:58シンパシー(共感)とエンパシー(理解、感情移入)
再掲します。 “シンパシー(共感)とエンパシー(理解、感情移入)の問題でもあると思うけれど、今前者ばかりが重視されていないでしょうか。読者は自分からどんなに遠い人物の気持ちも理解できていい筈です。作中の悪人の気持ちがわかると言って非難されるのであれば、文学は何のためにあるのだろう”
2023-01-08 10:08:20“私の思うsympathyとempatheyの違いはこれ。 Empathy has become a fad word for sympathy, though it was adopted expressly to mean something different from sympathy: 'intellectual insight into another's emotional state without sharing in it.' -John H. Dirckx, The Language of Medicine”
2023-01-08 10:09:21再掲続き。 “ざっと訳すと。empathy:相手の心情に必ずしも共感することなく、思考と想像力によってそれを洞察、理解すること。かな。能動的な知的活動。”
2023-01-08 10:11:19「自撮り読書」という言葉について
元々はニューヨーカー誌筆者の造語である「自撮り読書」のことに触れた文芸時評がフリーで読めるのはこちらです。 島田龍編『左川ちか全集』、井上荒野『生皮』、小砂川チト『家庭用安全坑夫』などを取り上げ、ウルフの「憑かれた家」などにも言及しています。 book.asahi.com/article/146366…
2023-01-08 10:39:59『琥珀の瞳は瑠璃を映す カルジャスタン従神記』(角川文庫)2023年11/24に刊行!既刊『王妃さまのご衣裳係』2冊(角川文庫)。書籍、歴史(特に東洋史)、美術館・博物館巡り、音楽など。
「自撮り読書」か、ふーむ。 私にとって読書は、現実逃避。心がフッと本の世界に飛び、我を忘れる感覚が好き。でも今よりも自分に自信がない若い頃は、本の中に仲間を探していた。だから分かる。 でもそれで終わりだともったいない。新しい世界や考えを知り、目から鱗を落とす醍醐味と言ったら!
2023-01-08 11:34:322021年春〜中日字幕翻訳に従事。 原点の中国ドラマ「還珠格格」。 趣味は読書。氷室冴子、椎名誠、少女小説、歴史、古典、アジアファンタジー、紅楼夢、漢詩など。 昔、北京の胡同&四合院でフィールドワークしてた。不登校の子2人の母。春〜秋はイモ活(🐛→🦋)物語の世界に浸るのが好き😍
この問題はたしかにあるのだけども。>"「共感型読書」がSNS等に蔓延していることへの危惧も話しました。自分の似姿を探す読書。「自撮り読書」とも言われます。自分と似た立場、感覚、考えの作者や人物は「共感しかない」と全肯定し、自分から遠いそれらは「このひと無理」と全否定する。"
2023-01-08 00:42:20主人公を含め特定の登場人物に共感しながら物語を追うことができるひとは、相対的にいえば、まちがいなく読む能力が高いひとだし、そういう方向で読む能力の向上にはげんでいる。共感しないこと、できないことをネガティヴにしかとらえていない。
2023-01-08 00:45:49書く方も、読者が共感しやすい方向で作品を作っている場合が多いはずだし、実際、読者が共感しやすい作品の方が高く評価され、たくさん売れているのではないだろうか。読者の共感を拒むような作品で、高く評価され、経済的にも成功した作品が思いつかない。
2023-01-08 00:48:37しかし、たしかにただ共感するために(自分のよく知っているなにかとか、自分に似たなにかを見出すために)読むというのは不健全な気がするし、たぶん共感できないことに目を向けないことになるだろうし場合によっては「このひと無理」的な全否定に陥るかもしれない。
2023-01-08 00:55:20