尾崎将也が選ぶ『名作映画100本ノック』51~100

脚本の勉強になる映画100本のリストの後半50本です。 (前半の①~㊿はこちら https://togetter.com/li/2063574) (※順不同です。番号が若い映画ほど優れているということではありません) 続きを読む
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック51 >『サイコ』ネタバレしない方がいいので概略は書きません。これは初心者は真似をしない方がいいです。基本がわかっているからこそ、そこから外れても面白い作品が作れるのです。 pic.twitter.com/FrE4JZyhXC

2022-04-22 20:30:12
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック52>『E.T.』地球に取り残された宇宙人と仲よくなる少年の話。この話は「異世界から来た存在と出会って仲よくなるが、元の世界に帰るべきと思い、無事に帰らせてやる」という点で『ローマの休日』と共通しています。これが「ストーリーの型」というものでしょう。 pic.twitter.com/MvIDuyPjOY

2022-04-23 21:21:11
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック53>『ダイ・ハード』高層ビルという閉鎖空間を舞台にスーパーヒーローではない男がテロリスト相手に孤軍奮闘。人質の中に妻がいるとか主人公は裸足だとか面白くするカセが満載の中で物語が展開し、単なるアクションにとどまらず「脚本が面白い」と思わせる作品になっています。 pic.twitter.com/gJeoGpjhv5

2022-04-24 20:16:03
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック54>『昼下りの情事』年配のプレイボーイが、純情な若いヒロインの嘘に翻弄される。前に紹介した『麗しのサブリナ』と同様の洗練されたタッチ。「ロマンティック・コメディ」と簡単に言うけど、ロマンチックとコメディを合体させるにはかなりのセンスやテクニックが必要です。 pic.twitter.com/6EtLgcjCoy

2022-04-26 20:42:27
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック55>『トッツィー』売れない役者が女装してオーディションに合格し、女優として人気者に。平行して「彼女」を中心に起こる奇妙な恋愛模様が描かれます。この二つの要素が融合したストーリーが見事。どちらかというとドラマの本質は後者にあり、前者はドラマを起こす仕掛けに相当。 pic.twitter.com/L24eoFdgqu

2022-04-28 20:59:05
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック56>『評決』「法廷もの」の代表的な作品。落ちぶれた弁護士が、たまたま舞い込んだチャンスに再起を賭けて挑む・・・って『ロッキー』と同じストーリーの型ですね。それ以外にも主人公があえて困難な道を選ぶとか裏切りがあるとか、使える型が発見できるでしょう。 pic.twitter.com/XsQEjCa64p

2022-04-29 20:30:05
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック57>『情婦』 昨日の『評決』に続いて裁判ものの名作を。『評決』の主人公がダメ弁護士だったのに対してこちらは優秀な人。ネタバレになるので具体的な内容は書きませんが、同じストーリーの型を使った作品として『白と黒のナイフ』や『ミュージックボックス』があります。 pic.twitter.com/k7gc2nV7fS

2022-04-30 20:27:18
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック58>『狼たちの午後』男たちが銀行を襲うが、警察に取り巻かれ、人質をとって籠城せざるを得なくなる。NYで実際にあった事件を元に映画化した「立てこもりもの」の代表的な作品。現在進行形的な先が読めない展開と実話の映画化ならではのリアルな緊迫感が楽しめます。 pic.twitter.com/PJWbfFibmX

2022-05-01 21:41:19
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック59>『野良犬』若い刑事がベテラン刑事と組んで事件を追う刑事ものの先駆となった作品。自分の拳銃が盗まれて事件が起こることで主人公の犯人を追う気持ちを強くすると同時に主人公に犯人と自分を同一視する側面を加えることでただ事件を追うだけではないドラマ性を生んでいます。 pic.twitter.com/AKUURImzRb

2022-05-02 21:08:14
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック60>『真夜中のカーボーイ』都会の片隅で身を寄せ合って生きる二人の男を描く。はっきり描かれない部分もあるので分析しにくい作品ですが、冒頭とラストの主人公の変化がなぜ起こるのか、なぜラストシーンで胸がキュンとして涙が出るのか、考えてみると勉強になると思います。 pic.twitter.com/tb0zDYRftP

2022-05-03 21:00:57
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック61>『太陽を盗んだ男』中学の教師が原爆を作って政府を脅迫する。とにかく破天荒なエンタテインメント。緻密なところとデタラメなところが混在する奇妙な感じはどこまで意図したのか、結果的にそうなったのか。日本映画にこんな作品があったのかと知っておいて損はありません。 pic.twitter.com/AYF0gVERUe

2022-05-04 21:08:25
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック62>『めし』倦怠期の夫婦の家に夫の姪が転がり込むことで亀裂が広がる。と言ってもドロドロの激しい展開はありません。主人公の妻の行動も「実家に帰る」ことくらい。そこにあるのは日常生活の中の非常に細やかな心理描写の積み重ね。それを学びたい人には絶好の教材でしょう。 pic.twitter.com/EWu8mAO8aQ

2022-05-05 21:59:23
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック63>『市民ケーン』映画史上のベストワンとも言われる傑作。主人公の死後、彼の関係者に話を聞いていく形で回想が積み重ねられる。脚本も映像も情報量が多く、一度で理解しようとせずに色々な人の解説を読んだりしながら何度も見て理解を深めて行くとよいと思います。 pic.twitter.com/Sea11L6zve

2022-05-06 20:03:17
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック64>『早春』夫が浮気するが、妻にバレて、許もらうまでの話。それだけのシンプルな話がなぜこんなに面白いのか。周囲の人物のキャラづけや絡ませ方、細かな描写の積み重ねが絶妙。小津作品は自分が年をとるほどに面白くなるものですが、僕はこの作品は割と若い頃から好きでした。 pic.twitter.com/LbTrMo7ur5

2022-05-07 22:45:18
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック65>『愛と青春の旅だち』海軍士官学校に入った主人公が無事に卒業できるかという話に恋愛の話をからめる。この二つの軸のからみ具合がよく練られていています。主人公の明確な目標に対してそれを阻むものは何か、主人公がどう変化するか、脇役の設定など学ぶべき点が多い作品。 pic.twitter.com/j29zlKtWAy

2022-05-08 20:07:51
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック66>『西鶴一代女』原作は井原西鶴の『好色一代女』。ヒロインが運命に翻弄され次から次へと不幸な目にあう話。「ドラマの主人公は行動しなければならない」と言われますが、この主人公は運命に流されるばかりでほとんど自ら行動しません。なのに退屈せず見入ってしまいます。 pic.twitter.com/5YQ76TlhZU

2022-05-09 21:20:42
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック67>『明日に向って撃て!』強盗しかできない男二人が時代の変化に押し流されて南米まで行く。実在の二人を題材にユーモアとペーソスにあふれた独特のタッチで描く。この作品から何かを学ぶというより、ただ「好き」になって何度も見ればセンスが身につくかも・・そんな映画です。 pic.twitter.com/F1PCnplhNr

2022-05-10 21:48:40
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック68>『クレイマー、クレイマー』妻が出て行ってしまい仕事人間だった主人公が一人で子育てに奮闘する前半。妻が子供の親権を主張し、裁判で争うことになる後半という構成。生徒に参考にして欲しいのは冒頭6分で妻が出て行ってしまうこと。生徒が書くと30分くらいかかりそうです。 pic.twitter.com/O1lOmtlkGd

2022-05-11 20:54:48
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック69>『スティング』詐欺師二人がギャングから大金を奪う計画を練り実行する。敵をだますのは当然として、観客も「だまされる快感」を味わえます。関心しつつも「いつか自分もこんなアイデアを思いつけるようになりたい」と目標にしたい作品。 pic.twitter.com/ye68OqOrQb

2022-05-12 21:17:51
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<名作映画百本ノック70>『街の灯』サイレント映画の名作。盲目の花売り娘が、主人公の浮浪者を金持ちと勘違いし、彼は娘の目の手術代を稼ごうと奮闘する。ギャグがかなりの部分を占めますが、サイレントゆえのセリフに頼らない心情の表現がとても参考になります。ラストシーンが感動的。 pic.twitter.com/xPOLZYrSiI

2022-05-13 22:18:57
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック71>『或る夜の出来事』家出した富豪の娘と記者が出会う。記者は特ダネになると思い娘と一緒にNYに向かうことに。『ローマの休日』と共通点が多い話。こちらは二人ともくだけたキャラで、ぶつかりながら仲良くなって行きます。二本を比較して分析すると勉強になるでしょう。 pic.twitter.com/pWuLrpTX5A

2022-05-14 22:25:38
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

『或る夜の出来事』を久しぶりに見て気付いたのは、前に紹介した『ミッドナイト・ラン』と共通点が多いこと。「AがBを遠方に送り届けようとする」「喧嘩するうちに仲良くなって行く」「トラブルでコースを外れて行く」「二人を追う者がいる」など。後者の方がかなり参考にしているのかもしれません。 pic.twitter.com/TDKui3EbnC

2022-05-14 23:04:37
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック72>『恋人たちの予感』友達からなかなか恋愛関係になれない男女を描く。恋愛ものに限らずドラマにはカセが必要ですが、この作品は病気、金銭、ライバル、身分違いなど外的なカセを一切作らず、自分たちの心の中にあるカセをどう乗り越えるかだけで面白くなることを示しました。 pic.twitter.com/lfrRtMQQAx

2022-05-15 22:11:43
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

『恋人たちの予感』はとにかく会話が面白い作品です。ストーリーが展開するというよりは「面白い会話集」という感じ。特に皮肉なものの言い方を僕はかなりこの作品から学びました。 pic.twitter.com/M4sslGAJ5e

2022-05-15 22:16:58
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

<名作映画百本ノック73>『赤ひげ』山本周五郎の『赤ひげ診療譚』が原作。人間愛を歌い上げた堂々たる大作。「厳しい師匠とそれに反発しながら次第に心酔して行く弟子」という普遍的な型を見ることができます。原作も読んで理解を深めて欲しい作品です。 pic.twitter.com/6BlzA6X4Ls

2022-05-16 20:02:43
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