ストックが付けられる自動拳銃

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漢陽造 @Gew88suko

【ストックが付けられる自動拳銃】 軍隊において拳銃は士官や事情により小銃を携行できない兵士の装備、もしくは騎兵の副兵装として考えられていた。 ストックを付けられる軍用自動拳銃は特に「小銃を携帯できない兵士」の為の装備という側面を重視したために生まれたものであろう。 【続く】 pic.twitter.com/raGThjY5SH

2023-01-16 11:51:07
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漢陽造 @Gew88suko

マウザー社のC/96を初め、ベルグマン社の製品群やステアー社のマンリッヒャーM1896(Ⅱ)、FN社のM1903など黎明期(1894〜1910あたり)の軍用を想定した自動拳銃には着脱式ストックの存在が広く認められる。 ただし、重量増加に対して得られる効果が少なかったためか当初は余り一般化しなかった… pic.twitter.com/HTs21GcIAV

2023-01-16 11:51:09
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漢陽造 @Gew88suko

しかし、こうしたストック付き拳銃が評価され広く導入された国があった。中国(中華民国)である。背景には当時の中国の情勢が関わってくる… 袁世凱死後、中国は多数の軍閥に分かれ半ば内戦状態となった。それゆえ日本やアメリカなど列強各国は小銃などの兵器類を大っぴらに輸出できない状況にあった… pic.twitter.com/J2NNSvuv6f

2023-01-16 11:51:11
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漢陽造 @Gew88suko

その状況においても、拳銃は護身用の武器であるとして輸出が可能であった。「拳銃」の枠内で最大限の性能を発揮できるストック付き自動拳銃は魅力的に映ったのだ。 また、当時の軍閥の日常的な業務としては鉄道の沿線警備など治安維持・警察業務であり、短機関銃のような装備が適していたが 【続く】 pic.twitter.com/zKLbDMTuSK

2023-01-16 11:51:14
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漢陽造 @Gew88suko

先述の事情により輸入は難しく、国産を行う事ができる工場も限られていた。(天津・青島の造船所や太原兵工廠が有名だが、一応他でも小規模な生産はあった模様) そこにスペインのBH社が全自動射撃が可能なC/96コピーを発売しそれにASTRAやマウザーも続いたことで、代用短機関銃的な地位を確立したのだ。 pic.twitter.com/lKScgEfu1g

2023-01-16 11:51:16
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漢陽造 @Gew88suko

さらに時代が下り冷戦期の1950〜60年代には、主に東側で車両又はヘリ搭乗員のための装備として「ストック付き自動拳銃」が評価され、ソ連ではАПС、チェコではVz.61が採用される。 「事情により小銃を携行できない兵士のための装備」としてようやく注目されたわけである。 pic.twitter.com/utV2QmZhmM

2023-01-16 12:26:32
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漢陽造 @Gew88suko

これらは全自動射撃が可能なことから「機関拳銃」と呼ばれ短機関銃と同一視されることもあるが、「短機関銃」が一般的にスリングにより携行される一方で「機関拳銃」はホルスターにより携行されるため、より携帯しやすいと言えるだろう。 pic.twitter.com/Anb7TnGHlN

2023-01-16 12:27:05
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漢陽造 @Gew88suko

ブローニングハイパワーことFN M1935 / GP-35が世に出た経緯にもこれが関わってくる… ハイパワーは元々ジョン・ブローニング氏がフランス向けに開発していた設計を基にデュドネ・サイブら他のFN社の技師たちにより完成された拳銃であるが、肝心のフランスには結局採用されず 【続く】 twitter.com/Gew88suko/stat… pic.twitter.com/4YcbRm3RXb

2023-01-16 17:53:50
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漢陽造 @Gew88suko

ベルギー軍が採用するのみに留まっていた。 しかし、ストック付き自動拳銃大好きな中華民国政府はこの設計に目をつけていたらしく、少数の市販仕様をサンプルとして輸入していたのである… 【続く】 youtu.be/GPb-6SDXh1Q

2023-01-16 17:53:51
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漢陽造 @Gew88suko

中国は1941年に同国にも納入されることになる「Boys対戦車ライフル」を製造するカナダのIngis社に対し視察を行った際に本銃の製造を再三要求。 6丁のサンプルまで持ち込んだそうで、カナダの欧州派遣部隊向けに5万・中国向けに18万の計23万の製造計画が立てられた… 【続く】 pic.twitter.com/0MhmmvMXvd

2023-01-16 17:53:53
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漢陽造 @Gew88suko

結局中国向けには約14万丁しか製造されず、終戦までにインドに送られたのはその内たった4000丁の初期ロットのみであった(中華民國國有の刻印が特徴)。 戦後届けられたものを含めても4万3760丁に過ぎず、残りはカナダ軍かイギリス軍特殊部隊が引き取る事になったという… 【続く】 pic.twitter.com/CZELBzmRFg

2023-01-16 17:53:56
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漢陽造 @Gew88suko

さて、ストックの話に移ると、実はフランス向けに開発されていた時代にはストックはなくベルギー軍納入仕様以降採用されたモノである。 ベルギー軍仕様はストックと言っても木製の板をカットしたシンプルなモノで、市販仕様はこれに革製のホルスターをピンで固定している… 【続く】 pic.twitter.com/Fjlwl8OvME

2023-01-16 17:53:58
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漢陽造 @Gew88suko

カナダ生産仕様は一説には中国側の要求により、C96のような木製のホルスター兼用ストックになっている… もちろんC96のより細く、一回り小型である。 中国購入分については全ての個体にストックが用意されたわけではなく、おそらく約2万8000丁分のストックが届けられた模様。 pic.twitter.com/YrCRrg9uh7

2023-01-16 17:54:00
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漢陽造 @Gew88suko

ちなみに、フランスがハイパワーちゃんを蹴って採用したのがこの娘である。 こっちも確かに優秀な自動拳銃だしなぁ… twitter.com/Gew88suko/stat…

2023-01-16 17:54:01
漢陽造 @Gew88suko

#フランス軍が使用した拳銃晒す Mle 1935 A コルト社のM1911を参考に、スイス人技師のチャールズ・ペッターにより開発された拳銃。フランスの機関車メーカーであるSACMによりドイツ占領下でも製造が行われ、スイス本国ではSIG P210から始まるSIG社系自動拳銃の原型ともなった。 pic.twitter.com/RNTgw4XMPE

2023-01-15 11:00:31
漢陽造 @Gew88suko

#フランス軍が使用した拳銃晒す Mle 1935 A コルト社のM1911を参考に、スイス人技師のチャールズ・ペッターにより開発された拳銃。フランスの機関車メーカーであるSACMによりドイツ占領下でも製造が行われ、スイス本国ではSIG P210から始まるSIG社系自動拳銃の原型ともなった。 pic.twitter.com/RNTgw4XMPE

2023-01-15 11:00:31
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