明治民法の婚姻制度

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Speed540 @speed540

明治民法で子供を作れる能力が婚姻の条件にならなかった理由を貼っておきますね。同性婚訴訟の札幌地裁判決文より twitter.com/ishizakipampam… pic.twitter.com/OQjt5apiof

2023-02-04 22:06:28
石埼学 @ishizakipampam

同性カップルにも法的婚姻を認める意義は何か。同性か異性かに関わらずカップルの愛情や親密な性的かかわりを公証するためか。かりにそうだとすると個人の内心に関わることや本来国家が立入るべきではない親密圏への国家のかかわりを認めることになりはしないか、という懸念が生まれる。

2023-02-04 11:20:09
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しいたけ @seetake_adhd

@a_learned_fool 明治民法の時点で婚姻の目的は生殖のみではないとの見解でした。 その上で現在同性に婚姻制度かパートナーシップか?となると、生殖目的としない異性婚が昔から容認されているなら、婚姻も不自然ではないと思うのです。子供前提としない別制度は養子や連れ子いる場合は?と考えると煩雑と思います。 pic.twitter.com/P3YSbAaCBT

2023-02-04 20:33:14
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喜久山大貴 @kikuyamahiroki

明治民法起草時の議論・検討の中で、婚姻と生殖を結び付ける見解の他に、両者の和合に婚姻の本質があるなどの反対の見解も示された。そして、婚姻とは、男女が夫婦の共同生活を送ることであり、必ずしも子を得ることや、子を残すことのみが目的ではないと考えられるに至り、老年者や生殖不能な者の→

2023-02-04 23:51:22
喜久山大貴 @kikuyamahiroki

婚姻も有効に成立するとの見解が確立された(中略) 子を残さない婚姻も有効といえるかがわざわざ議論の俎上に載せられ、必ずしも生殖のみが婚姻の目的ではないと言及されている。このことが意味するのは、男女が子を産み育てる共同生活こそが「標準」であり、子を残さない夫婦が共同生活を送る関係性→

2023-02-04 23:54:29
喜久山大貴 @kikuyamahiroki

は、国が寛容の精神で婚姻制度の中に包摂し、法的保護を与えているにすぎないということなのである。 (札幌地裁)判決では、同性婚を認めるために、あえてそのような表現は回避されているが、国の主張する生殖との結び付きこそが、婚姻制度の背後にある本質的な価値観であろう。

2023-02-04 23:57:58
喜久山大貴 @kikuyamahiroki

→(中略)明治民法以来の婚姻制度は、生殖と結び付いた男女の共同生活関係を「標準」としつつ、子を残さない夫婦が共同生活を送る関係もあわせて保護すべきであるとした。さらに、当事者間の婚姻意思と社会通念上の夫婦共同生活の実体があれば、届出がなくても婚姻に準じた関係として保護が与えられる→

2023-02-05 00:04:11
喜久山大貴 @kikuyamahiroki

ことになった。 他方で、戸籍制度を安定的に機能させるため、婚外子や非婚の者に対する苛烈な差別政策が、人々を自衛手段としての法律婚(届出婚)に促してきた。 今回の判決は、保護範囲を少しずつ拡張してきた婚姻制度の中に、「正常」の枠内にある同性愛カップルを新しく迎え入れることで、社会通念→

2023-02-05 00:07:04
喜久山大貴 @kikuyamahiroki

に支えられた婚姻制度を維持・強化しようとするものだともいえるのである。 以上見てきたような婚姻制度の系譜からも分かるように、政府が婚姻制度を通して「標準」的な家族に期待している役割とは、真摯な意思(ロマンティック・ラブ)によって同居協力し、次世代を産み育て、家庭内で無償かつ→

2023-02-05 00:09:18
喜久山大貴 @kikuyamahiroki

永続的にケア労働を提供することである。政府は、こうした「労働力の再生産」を担う共同生活関係に対し、婚姻に伴う法的効果、社会的承認などをパッケージにして特権を与え、法的に保護している。 岩波書店『世界』2021年6月号掲載の拙稿より引用

2023-02-05 00:10:58
喜久山大貴 @kikuyamahiroki

弁護士です。誰もが生きやすい社会をつくるため力を尽くしていこうと思っています。京都弁護士会所属。奈良出身。沖縄ルーツ。