D-Structure、Case、移動: 生成統語論の教科書の内容に関する対話 #gengo
今日は週末言語学徒。蟹さんもらどさんも、繰り返し繰り返しまとめがあるのがありがたい。勉強しているとつい局所的に追ってしまうので、それぞれが全体の中でどういう位置にあるかをあとの章のイントロで書いてあるのがうれしい。
2011-10-29 10:52:04蟹本のA Unified Theory of Movement再読なう。すでにSSはいらないって話が書いてあったのね。脚注にDSすらいらないとも。
2011-10-29 16:27:36@piyokacho 確かにDSがあるほうが初心者にはわかりやすいんですが。お亡くなりになってから20年も経つんですか。
2011-10-29 16:37:46@piyokacho D-Structuretってちょむ先生ご自身が言いだして、ご自身で廃棄したんでしょうか?
2011-10-29 17:14:03@mathlingue 正確にはちゃんと調べてないんですが、古くは古代インドのパーニニ、また伝統文法にも考え方としてはあったようです。名前はフランスのPort-Royalですでにあったようで(structure profonde?)ちょむが改めて名付けたみたいです。廃止の方向性は
2011-10-29 17:25:41@mathlingue 続き)少なくとも80年代初めには意識されてたみたいで、√John is impossible to please [t]に対して*John is possible to please [t]で、これは移動後に(im)possibleの主語に対する選択制限が
2011-10-29 17:35:29@mathlingue 続き)効いた為、と考えられ、ちょむのピサ講義で触れられたみたいです。その後、Larsonがbefore節に関してやはり移動後に効いてる、と考えるべきことを、Reinhartがexcept NPに関しることを論じたりして、じゃあθは全部LFでいんじゃね?みた
2011-10-29 17:45:57@piyokacho ありがとうございます。蟹にはDSがθ-Criterionに制限されると書いてありますが、今では全部LFなんですか。
2011-10-29 18:02:21『Deep Structure』というタイトルで高度な知能を持ったクラゲが人間を襲う映画をぜひ。
2011-10-29 18:15:56生成意味論とはなんだったのか、ということを認知言語学をやるひとは正確に理解するように努力すべきだと思います。コミットしている研究者がみな理解しているわけではない、という現状。池上嘉彦先生もちゃんと理解していないので、池上先生が書かれたものを読んでもだめ。HarrisのLingui
2011-10-29 18:54:01三上の立木式が実践的なのかな、と思ったけど、表現したい構造が知覚できているなら学校文法の矢印でも、樹形図でも、まあ要はなんでもいい。句読点は最も洗練されたダイアグラムだ。
2011-10-29 19:39:26@mathlingue LFは定義上統語論と、意味解釈に関わるシステムとの接点なので、その他に意味への出力/からの入力になる部分はないと考えられています。GB理論ではD構造をθ関係の純粋な表示と見なしていたので蟹本の説明ですがこれは1965年頃の統語論と意味解釈の捉え方の残滓です
2011-10-29 22:48:17@mathlingue 1965年頃は、Katz-Postalのテーゼと呼ばれますが、すべての意味はD構造(というか、その前身)にのみ表示され、文法変換はそれにタッチしない、と述べられていました。これに準拠して後に生成意味論と呼ばれるスタイルが生まれそこで研究対象が拡大されました
2011-10-29 22:53:17@mathlingue そのひとつが論理学で知られていた量化子のスコープの現象です。生成意味論では、∀とEの述語論理でのシンタクスに対応するD構造を仮定し、複数の表示を単一のS構造に写像していました。
2011-10-29 23:00:32@mathlingue しかし、変換の結果が解釈を決めるような現象があることから、Katz-Postalのテーゼをそのままで維持できない、と考えられるようになりました。例えば、Everyone loves someone.は∀>E, E>∀で多義的ですが、受動化されると後者のみに
2011-10-29 23:04:33@piyokacho Lebeauxのreconstructionに関するargument-adjunct asymmetryに関する主張も仲間ですね。HowardはLebeauxのjudgmentが共有できないと言ってましたが... @mathlingue
2011-10-30 03:18:40@piyokacho いわゆる基底位置への項の語彙挿入を保証するという意味「も」あったのだと理解しています。@mathlingue
2011-10-30 03:33:10@fun_stairs ありがとうございます(^-^)/ Lasnik先生、そうなんですか… 農工大の畠山さんとか東北大の島さんとか、面白い提案してますよね @mathlingue
2011-10-30 06:17:52あっ。そうだ _φ(・_・ RT @fun_stairs: いわゆる基底位置への項の語彙挿入を保証するという意味「も」あったのだと理解しています。@mathlingue
2011-10-30 06:19:33@piyokacho 説明、ありがとうございます!(´∀`*) Hornsteinの本ではθ関係の表示としてのDSに加えて、DSですでに格を持っていて、それをLFでチェックする、と言っているのですが、今ではすべてLFが担うのですか?
2011-10-30 09:16:35@piyokacho 蟹本もcovert movementの例としてこの例を挙げていました。RT 例えば、Everyone loves someone.は∀>E, E>∀で多義的ですが、受動化されると後者のみに
2011-10-30 09:19:00@fun_stairs @piyokacho この辺からぷすぷす・・・ わかるようになるのを楽しみに勉強しよっと!
2011-10-30 09:20:29