気象サイエンスカフェ東京(2011年10/25)台風発生の謎に迫る若手研究者の挑戦—それはチベットからはじまったー まとめ

スピーカーは、横浜国立大学人間教育科学部准教授の筆保弘徳さん。30代半ばの若き研究者ですが、日本を代表する台風の専門家のひとりです。気象サイエンスカフェ東京では、気象研究者になっていくいきさつから、現在取り組んでいる台風研究の最前線について話していただきました。(時間切れになるほど熱いトークでした!)
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KNB @kw36_wav

気象サイエンスカフェの軽めの実況。都内開催だとほぼ常連化しつつある@明大駿河台 #meteocafe

2011-10-25 19:00:30
KNB @kw36_wav

ゲストは横浜国大の筆保先生。 #meteocafe

2011-10-25 19:07:19
気象サイエンスカフェ @meteocafe

気象サイエンスカフェ東京スタートします!本日のスピーカーは、横浜国立大学筆保弘徳准教授です。話題は台風。 #meteocafe

2011-10-25 19:13:14
気象サイエンスカフェ @meteocafe

今日は前半は、自分が気象研究者になるまでのことと、今取り組んでいる台風研究について。 #meteocafe

2011-10-25 19:13:44
気象サイエンスカフェ @meteocafe

特別気象に興味があったわけじゃない。岡山大学学部生だったとき、気象学研究室が面白そうだから入っただけ。就職先が決まっていた。「来年、チベットいかない?」って先生に言われた。内定なども蹴っての決断が必要だった。それが分岐点だった。 #meteocafe

2011-10-25 19:15:03
気象サイエンスカフェ @meteocafe

チベットの高原の写真。吸い込まれそうな大地。標高5千メートル。あのとき見た空の色、生涯忘れないと思う。意外なことに、もっとすごい人たちを発見した。それが広い大地の中で、ぽつんと気象観測をしている人たち。その姿にあこがれるようになった。 #meteocafe

2011-10-25 19:16:21
気象サイエンスカフェ @meteocafe

それがら気象学の研究三昧。まわりにも「気象学者になりたい」といいまくった。まわりからもなれなれと。先生にもおだてられた。チベットで学んだ観測も、自分でやりたいと思った。 #meteocafe

2011-10-25 19:17:11
気象サイエンスカフェ @meteocafe

日本に帰って、自分であちこち観測して回った。観測したいというと、先生は、ドラえもんのポケットのように、なんでも測器を出してくれた。 #meteocafe

2011-10-25 19:17:54
KNB @kw36_wav

#meteocafe 台風研究のいきさつ。チベット高原への訪問。GEWEXのプロジェクトの気象観測へ参加、が契機に。その後気象機器を用いて各地の観測の日々。観測していたのは日本各地の局地風、地元岡山の広戸風など。

2011-10-25 19:19:04
気象サイエンスカフェ @meteocafe

岡山の広戸風について。日本3大局地風のひとつ。岡山と鳥取の間の1200メートルくらいの那岐山から、吹き下ろす。鳥取側がV字の地形で風が集まりやすい。この風によって色んな被害が起きている。家屋や木がなぎ倒されたりしている #meteocafe

2011-10-25 19:19:23
気象サイエンスカフェ @meteocafe

広戸風の強風域など、観測結果のデータがいっぱい出てきました。 #meteocafe

2011-10-25 19:19:57
気象サイエンスカフェ @meteocafe

広戸風は、南岸(紀伊半島側)に台風が通過したときだけ、発生する。こどもの頃、父親から聞いたことがあった。 #meteocafe

2011-10-25 19:20:51
KNB @kw36_wav

#meteocafe 広戸風の特徴。那岐山付近の地形によって発生するもの。台風レベルの風が長時間吹くタイプだが発生メカニズムがまだ不明だが、一般的に日本南岸の台風接近時に発生するとされている。山頂と麓の気圧差で出来るのではとして実際に観測した。

2011-10-25 19:22:08
気象サイエンスカフェ @meteocafe

チベットでは、気圧を測ることを先生たちとやっていた。風は気圧差で生まれるから、広戸風の観測に、山頂と麓で気圧計を持って行って、測った。(観測機器の写真がいっぱい。学生のワクワクドキドキが伝わってきます)#meteocafe

2011-10-25 19:22:35
気象サイエンスカフェ @meteocafe

あるとき、先生に買っていただいた気圧計を壊してしまった。優しい先生に、ものすごく怒られました。それから測器はものすごく大切に扱っている。#meteocafe

2011-10-25 19:23:37
気象サイエンスカフェ @meteocafe

運命の台風は98年10号台風。日本に来ないと思っていたら、フィリピン付近で急に転向して日本に来た。広戸風は吹かなかった。被害が大きかったが、測器は無事だった。ちゃんと観測も出来ていた。 #meteocafe

2011-10-25 19:25:03
KNB @kw36_wav

#meteocafe 98年10月の台風10号。フィリピン東方から列島を縦断。この時は岡山上陸、激甚災害で広戸風どころではなかった。ただ気圧データを見ると低圧部通過の時の一瞬の気圧の急激な上下、台風最接近時よりも気圧が低くもなった。が気象台の方も分からなかった。

2011-10-25 19:26:13
気象サイエンスカフェ @meteocafe

台風再接近の気圧の観測結果。気圧のV字型がきれいじゃない。台風の再接近のカーブよりも、1時間以内に低圧部が現れた。気象台に聞いても理由は誰もわからない。他の観測地点も同じだった。 #meteocafe

2011-10-25 19:27:03
KNB @kw36_wav

#meteocafe 同時刻の他の地点のデータを見ると同様の急低下が観測されていた、これはいわゆるプレッシャーディップという現象。Fスケールの藤田先生の命名した現象。当時から日本の台風のミステリー現象だとされていた。

2011-10-25 19:27:36
気象サイエンスカフェ @meteocafe

日本を代表する気象学者故藤田博士(シカゴ大)が1952年に観測した、「プレッシャーディップ」という現象だった。 #meteocafe

2011-10-25 19:28:09
気象サイエンスカフェ @meteocafe

プレッシャーディップという気圧の低圧部は、2000年頃は「内部重力波」説。波なんです。インパクトあることがおきたときに起きる波。 と言われていた。#meteocafe

2011-10-25 19:29:45
気象サイエンスカフェ @meteocafe

全部の台風で、プレッシャーディップが発生するわけじゃない。9月10月の台風だけ。台風の進行方向の左後ろだけで発生する。 #meteocafe

2011-10-25 19:30:33
KNB @kw36_wav

#meteocafe プレッシャーディップ、要するに内部重力波によるものとする説が2000年頃は主流だった。ただ全ての台風ではなく9・10月の台風の一部でのみ発生し、位置は進行方向の水平で左後方向に相当する位置にある傾向。

2011-10-25 19:31:07
気象サイエンスカフェ @meteocafe

そんないきさつで、台風のプレッシャーディップの内部重力派説に疑問を持ち始めた。台風に興味がわいたのはそれがきっかけ。 #meteocafe

2011-10-25 19:31:30
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