【GENSHIN】森の風より【講談完結】

次回が聴ける茶博士講談。
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次回お楽しみに @cha_boshi

お客さん達をお待たせしてしまったね。 『森の風』より千の風と時を超えてモン'ドに歌い継がれる、尽きせぬ献身の話をしよう。 神々が地上を歩いていた時代、遥か空の上、大空で元素が凝ってそれは一匹の龍の形を取り緩やかに降臨した。 (……トワリン!)

2023-02-24 21:52:37
次回お楽しみに @cha_boshi

龍が初めに出会ったのは風神ではなく、モン'ドに暮らす人々であった。 元素生物が龍になるなど只事ではない!その力は魔神に匹敵するとも言われている。矮小なる凡人にとって見知らぬ龍が自分たちの暮らす土地の空を飛ぶなど気が気では無かっただろうね。 (うんうん)

2023-02-24 21:53:02
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生まれたばかりの何も知らないまっ更な龍は見るもの全てに興味を持った。 特に、自分の飛ぶ空の下で暮らす人々に関心があった。それは、仲良くなりたいと言う気持ちの芽生えとも言えるだろう。 しかし、なかなか上手く行くものでは無かった! (おっと…)

2023-02-24 21:53:19
次回お楽しみに @cha_boshi

傍に寄り石を投げられ、その怯えが分からず。墓石の傍らに泣く人を見て、その悲しみが分からず。果樹園に降り立ちて枝をおり、人に罵声を浴びせられ、その怒りを分からず。 人間とは複雑怪奇。

2023-02-24 21:54:48
次回お楽しみに @cha_boshi

龍がそう思い、戸惑いながらも諦めず人々の近くに暮らしたならば、それは友好を求めていたと言う事に他ならないだろう。 天空の銘を持つ竪琴の音色を聞いた日。龍は心惹かれる詩を紡ぐ詩人の隣へと降り立った! この話の続きは、次回のお楽しみに!

2023-02-24 21:55:12
次回お楽しみに @cha_boshi

龍が詩人の隣に降り立った時、人々は恐慌した!古来より元素の力を秘めた龍と世界を司る神々は上手く共存した試しがない。 全く明日をも知れぬ気分だ。 故に何が目の前で起ころうともただ見ていることしか出来ない凡人は、力有る見知らぬ存在に対して頑なにだった。

2023-02-25 20:43:14
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詩人は龍を見てその気持ちを理解したのかもしれない。だから言った、汝ら龍を見よ、何と美しい!何と優しい! しかし、風の詩人の言葉でも人々の心は疑いに凝り固まって溶かせなかった。だが、龍はまだ人々の中に混じって交流する事を諦めてはいなかったのだ!

2023-02-25 20:47:48
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龍は思った。自分と人々の心を捉える竪琴の調べと詩文は一体なんの魔力があるのだろうか。この人を惹きつける力を知ったならば、皆が自分の事を理解してくれるだろうか。 こうして人々に心を傾けた龍は詩人の隣に居ることを選び、人の言葉と風神の御業を覚えたのだ。

2023-02-25 20:51:46
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以来、モン'ドの守りと信じられた龍は後の時代に四風守護の一角、東風になった。龍は常に詩人と共にあり、そして風が眠りにつく時、共に長い眠りについた。 龍が再び目覚める時、モン'ドは暗黒の嵐に晒されていたのだ。モン'ドで何が起こったのか!次回のお楽しみに!

2023-02-25 20:54:20
次回お楽しみに @cha_boshi

ここからはもう一つの龍の話をしよう。 王国の太陽は光を失い、黄金の輝きは失せ、白い織物は黄昏に染まった。黒日の王朝が滅ぼされたのだ。 そして没落した王国の城壁を破り災厄は大陸へ蔓延した。黄金と呼ばれる錬金術師の創り出した漆黒の獣達である。

2023-02-26 20:53:00
次回お楽しみに @cha_boshi

誕生を許されぬ生命、黒い仔は人の手により誕生した。創造主たる母に感謝して、母の願いのままに生きようとした。 雨水が小川へ流れる如く、草木の太陽へ向かって伸びる如く。 希望に満ちていた。美しき処へ、歌声の響く処へ行きたかった。生まれた処がいかに美しいか皆に伝えたかった。

2023-02-26 20:54:07
次回お楽しみに @cha_boshi

緑の平原で詩人の竪琴の調べを聴き、人々と巨龍と共に歌い踊る。美しい夢の様な結末で有ればどんなに良かったであろうか。 しかし、黒龍の血に流れる歪な黄金の祝福はその結末を許さなかったのだ。黒龍の運命やいかに!次回お楽しみに。

2023-02-26 20:54:35
次回お楽しみに @cha_boshi

暗黒の時代。堕ちた錬金術師の漆黒の魔獣が押し寄せ、蛮族が蔓延り、人々は城砦の中でしか生きられなかった。 狼が亡くなり、獅子はその座を降りて後継はなく、人々を護る闘いで犠牲の増える鷹の旗は地に降りた。モン'ドに暗雲の立ち込める時代である。

2023-02-27 20:55:41
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黒き毒龍が襲いかかりモン'ドへ最大の危機が訪れた!その時、人々の悲しみと怨嗟の中、天空は音を響かせ、祈りに応えて風神と龍は目を覚ます。 今この時、毒龍に対抗出来るのは東風の龍の他にはあらず!暴風の吹き荒れる中で龍は毒龍と一騎討ちをした。 pic.twitter.com/GKXmbBS2k7

2023-02-27 20:56:57
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闘いの果てに龍が毒龍の喉元をぞぶりと噛みちぎり、二匹の龍は諸共に天から墜落していった。 雪山へ落ち、白銀を緋色で穢した毒龍は、自分に止めを刺した美しい龍と詩人を思いこの様な出会いで無ければ如何程であったかと、その瞳を閉じた。 今でもその骸は冷たい寒空の下に横たわっている。

2023-02-27 20:58:00
次回お楽しみに @cha_boshi

もう一方、龍は毒龍の喉を噛んだ時にその毒血を口にしてしまう。毒血は山を崩し、大地を割る程の力が有ったのだ。 モン'ドを救った龍はどうなってしまうのか!また次回のお楽しみに。

2023-02-27 20:58:37
次回お楽しみに @cha_boshi

これで人々は自分の事を理解してくれるだろう。同胞を倒し、人々をモン'ドを護った。この事は自分の心が何処にあるのか十分に証明してくれるはずだ。 毒血の身を焼く程の苦しみの中で風神の手によって眠りにつく龍はそう思った。 竪琴は悲しみの音色を奏でる。

2023-02-28 20:57:53
次回お楽しみに @cha_boshi

風神は自由の風の友が自由でない事を、未だ報われぬ献身を哀しんでいた。 竪琴は詠う。 汝、龍よ。次に目覚める時、汝が自由となる事を望む。大空を駆けるその美しい様を人々が理解する時がいずれ来るべし。

2023-02-28 21:00:39
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厄災を乗り越えた後のモン'ドの人々は、危機が訪れる時は、龍が永き眠りから目覚め救ってくれるのだと信じた。 だがしかし長く安寧が続き、もう人々は四風守護を必要としない。守護の信仰は廃れ、神殿は荒れ果てた。 (……)

2023-02-28 21:02:34
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再び目覚めた後の龍が自由な空を飛ぶ様になったのか、続きは旅人の物語だ。自分の目で確かめて欲しい。 これで龍の物語はおしまいだ。次の講談もお楽しみに。

2023-02-28 21:11:13