歴史的使命を見失っている現在の自民党について

政権与党であるだけに民主党を批判する傾向が強くなるのはやむを得ないが、自民党も歴史的使命を見失って迷走が続いている。自民党の歴史的使命は、①日本を共産主義の国にしない、②生活を欧米並みにする、③日米安保で日本を守る、の三点であったと田原総一郎がかつて言っているが、それらは全て冷戦終結までに達成され、現在は新たな使命の模索が求められている。自民党は小泉政権時代に④構造改革の推進という新たな使命を獲得したが、その後にそれを放棄してしまっている。この④の使命を再び取り戻せるかどうかが将来の自民党の復権の鍵ではないだろうか。
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fj197099 @fj197099

自民党のイメージ変えたい…小泉青年局長が抱負(http://t.co/EHZ7AdVb)…自民党の歴史的使命とは①日本を共産主義の国にしない、②生活を欧米並みにする、③日米安保で日本を守る、の三点であったとかつて田原総一郎が語っている。そしてそれは冷戦終結までに全て達成された。

2011-11-02 22:25:42
fj197099 @fj197099

言うなれば90年代以降の自民党政治とは基本的に歴史的使命を欠いたものであったということである。それ故に90年代以降は政治に混乱と機能不全が目立つようになった。自民党は単独での政権を失い、連立政権に頼るようになった。長期の不況から中々脱却できず、国民の支持は漸減傾向にあった。

2011-11-02 22:27:15
fj197099 @fj197099

そして小渕内閣後の不透明な森政権への権力継承と、森政権の機能不全で内閣支持率は一時9%にまで低下した。いわばこの時点で自民党の消費期限が切れたも当然であった。自民党の有力者が55年体制の延長線上の発想しか持たず、新たな歴史的使命を見つけることが出来なかったのだから仕方がない。

2011-11-02 22:29:27
fj197099 @fj197099

そこに新旋風を巻き起こしたのが小泉純一郎であった。それまでとは明らかに異なる政治家である彼は自民党の歴史的使命として新たな要素を付け加えたのではと私は思っている。すなわちそれは④構造改革の推進という要素であった。日本の直面する構造問題を打破する、それが自民党の新たな使命となった。

2011-11-02 22:32:49
fj197099 @fj197099

新しい使命を吹き込まれた自民党は勢いを取り戻し、2005年9月の郵政解散では圧勝して5年に渡る長期政権が誕生した。この時期こそ自民党が生まれ変わる最大のチャンスであった。しかしこの変化は小泉一人の個性によるものが大きく自民党の党としての体質はこの間余り変化していなかったのである。

2011-11-02 22:34:47
fj197099 @fj197099

すなわち後継の安倍政権は「戦後レジームを打破する」と一定の方向性を打ち出したものの、郵政造反組を復党させることで小泉改革路線を結果的に否定する行動を採った。これが自民党の失墜の直接の原因ではなかったかと私は思っている。構造改革という使命を放棄した自民党は再び路線を見失なった。

2011-11-02 22:36:50
fj197099 @fj197099

福田内閣では政治の方向性さえ判然とせず、一体何を目的とする政権なのかそもそもわからなかった。麻生政権はサブプライム問題、リーマン・ショック等の事件を「百年に一度の危機」と表現してそれへの対応に汲々とすることに終始した。その過程で構造改革の路線(特に再生再建)は放棄されてしまった。

2011-11-02 22:39:52
fj197099 @fj197099

政権は「一体何のために存在するのか」という歴史的使命における位置づけを失うと脆弱である。安倍、福田、麻生の三内閣は就任後の支持率が右肩下がりで下がり続けるという同様の末路を辿った。総理大臣というポストは一年続けられれば長いと評されるポストとなった。自民党はその支持基盤を失った。

2011-11-02 22:42:06
fj197099 @fj197099

その傾向は既に2007年の参院選での敗北に現れていたが、結局は2009年8月の衆院選で政権交代という結果に至ったのである。民主党が財源にしても外交にしても甚だいい加減な方針しかもっていないことは当時から明らかであったにも関わらず、その懸念さえ自民党への不信感が打ち消したのである。

2011-11-02 22:44:59
fj197099 @fj197099

私は当時この選挙は「オーウェル的な選挙」であると見ていた。G・オーウェルの『1984年』を読んだ人ならご存知と思うが、その中には互いにあい争う三つの全体主義国家が出てくる。どちらも望ましくない(=政権担当能力を持たない)二つの巨大勢力の争いがこの選挙の本質であると見ていた。

2011-11-02 22:48:17
fj197099 @fj197099

それでも歴史的使命という観点から言えば分があるのは民主党の方であった。すなわち民主党は一度も本格的に行われたことのない「政権交代」への夢を語れるという絶対的な強みがあった。それは私に感銘を与えることはなくても世の中には感銘を与えた。民主党の大勝の背景にはそうした事情があったろう。

2011-11-02 22:50:50
fj197099 @fj197099

一応、誤解を払拭するために言っておくが、私は2009年の選挙では白紙で投票している。自民/民主の二大政党はもちろん、その他の政党も私に感銘を与えることはなかった。それはともかく、民主党は政権交代の期待に乗って大勝したが、その後は政権担当能力の無さを露呈したのはご承知の通りだ。

2011-11-02 22:53:26
fj197099 @fj197099

「政権交代」の夢を食いつぶして幻滅に変えた民主党は歴史的使命における位置づけを失い、鳩山~菅という二つの機能不全内閣を経、最後のチャンスとして現在野田内閣で政党として建て直しを図っている。その行く末はまだわからない。しかし問題は自民党である。自民党は結局未だに路線を見失っている。

2011-11-02 22:55:11
fj197099 @fj197099

当初の論点に戻れば、自民党の歴史的使命とは田原総一郎が言うように、①日本を共産主義の国にしない、②生活を欧米並みにする、③日米安保で日本を守る、の三点であった。これらはいずれも達成されて歴史的使命としての価値を失った。小泉時代に④構造改革の推進が加えられたがそれは後に放棄された。

2011-11-02 22:56:55
fj197099 @fj197099

小泉進次郎が「自民党のイメージを変えたい」と語る時、見失ってはならないのはこうした論点ではないか。すなわちそれは自民党の歴史的使命たるや何かという問題と密接に絡んでいる。私が考えるにそれは結局、財政再建を軸とした構造改革の推進しかないと思う。その路線に早期復帰できるかが問われる。

2011-11-02 22:59:23
fj197099 @fj197099

残念ながら自民党の現状を見る限りでは見通しは余り明るくはないようだ。民主党は遅まきながら構造改革の意義に気づき、増税やTPPへの取組みを開始している。民主党が本気で改革政党になれば自民党の存在意義は再び失われる。立場を差別化できるのは大きな政府か小さな政府かという論点である。

2011-11-02 23:02:18
fj197099 @fj197099

すなわち民主党が中道左派の政党として増税と社会保障重視の大きな政府の路線を採るのであれば、自民党は中道右派の政党として政府歳出の削減と自己責任をベースとした小さな政府の路線を採るしかないのではないか。両者とも改革と財政均衡を目的とする点では同じだが、その路線を異にする訳だ。

2011-11-02 23:04:23
fj197099 @fj197099

ところが谷垣自民党は消費増税を掲げて率先して大きな政府の路線の立場を採るかのような主張を行っている。これでは政策が差別化できない。消費増税はいずれ必要であるとしても、中道右派政党なら社会保障費の抑制にもっと重点を置くべきではないか。このあたりが自民党の将来が見えにくい一因である。

2011-11-02 23:06:08
fj197099 @fj197099

TPPについてももっとラディカルに自由化を全面肯定する姿勢があってもいい。一次産業を守りたがる「古い」政治を体現した民主党と率先して自由化を進めることで国際競争力を高めていく「新しい」政治を体現した自民党、という対比がなければ自民党の立ち居地が明確になるとはとても思えないのだ。

2011-11-02 23:08:49
fj197099 @fj197099

いずれにしても、自民党の長期低迷は歴史的使命を見失っていることに起因すると思う。安倍政権以来、せっかく獲得した「構造改革の推進」という旗印を放棄してしまったことがその原因である。自民党が将来、再び政権与党に復帰できるかどうかはその旗印を回復できるかどうかに掛かっているといえよう。

2011-11-02 23:10:16