柚木麻子の月9ドラマ企画書(仮想)「じゅうはん!」さっそくスピンオフ!

趣味で月9ドラマの企画書を書いているという柚木麻子 @yuzukiasako が、勢いでつぶやいた仮想月9「じゅうはん!」 第1話http://togetter.com/li/202120  10/20に発売された自身の新作「あまからカルテット」に、重版がかかったら第2話を発表します。と、もったいぶってみたものの、売れ行きに痺れを切らした作者がいきなりスピンオフしやがりました。 って、まだ10日しかたってないのにもう! 全部ただの妄想の暴走!言った手前、第2話が書けないので、どこまでも広がってゆくサイドストーリー…止めるのは重版しかないですよ。 続きを読む
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@yuzukiasako

「じゅうはん!」有吉&国仲パート→「あまからカルテット」重版がかかる気配はまったくないので第二話をつぶやくことはできませんが、夕べロンハーでの有吉先生が素晴らしかったので脇役であるこの二人の物語だけピックアップしてつぶやきます。本編はこちらhttp://t.co/7WPPS0Ch

2011-11-02 21:54:34
@yuzukiasako

みなみ30歳(国仲涼子)は派遣OL。売れない作家のヒロイン、織田文子(菅野美穂)の高校時代からの大親友で、彼女が成功することを願い、支えている。可愛くて心優しいみなみは派遣先のリア充エリート達にモテモテだが、根が文学少女なので、読書好きで物静かな男性と付き合いたいと思っている。

2011-11-02 21:55:30
@yuzukiasako

みなみの日課は、会社帰りに大型書店に行き、文子の著作を棚から抜き取り、こっそり平積みに移動すること。こんなことくらいしか出来ないけど、文子はいつかきっと売れるよ…。しかし、みなみの手を素早くとらえたのはカリスマ書店員三ツ島(有吉弘行)。「勝手に並べ方変えないでもらえませんかね?」

2011-11-02 22:01:18
@yuzukiasako

にこりともせずハタキをみなみの鼻先に突きつけ、さっさと文子の著作を棚に戻す三ツ島。基本的に異性から邪険にされたことがないみなみは慌ててしまう。「すみません。でも、これ、親友の本で、その、どうしても売れて欲しくて」「親友? あんたが? 織田文子の?」三ツ島は本とみなみを見比べた。

2011-11-02 22:05:02
@yuzukiasako

「あー、織田文子ねー、最近エンタメに鞍替えしたみたいだけど、どうなんだろ。表現がまどろっこしくてサクッと読めないし、情景描写ばっかりで全然話がすすまないんだよね。まあ、一言でいうならばつまんねえんだよな」「そんな言い方、ひどいです!」親友がメッタ打ちされ、みなみは泣き出しそう。

2011-11-02 22:13:06
@yuzukiasako

「書店員さんが作家のことをそんな風に言うのって、間違ってると思います。愛がないと思います」「愛だあ?」三ツ島は小馬鹿にしたように顔をゆがませた。「一冊一冊に正直な意見を持つのも立派な愛だろうが。じゃあアンタの言う愛って一体なんなんだよ。アンタ、織田文子に本音で感想伝えてんのかよ」

2011-11-02 22:18:32
@yuzukiasako

みなみは言葉に詰まる。正直なところ文子の小説が面白いと思ったことは一度もない。親友だから遠慮して、正直な感想を伝えていないのだった。自分が信じていた友情ってなんだったんだろう。「つまんねえならつまんねえって言うのも、愛なんじゃないの?」去り際、三ツ島はぶっきらぼうに言い捨てた。

2011-11-02 22:21:55
@yuzukiasako

その日から三ツ島のことが頭を離れなくなるみなみ。仕事も手につかない。ぼーっとしていると、朝倉華(平岩紙)と文子はニヤニヤ。「みなみ、もしかして好きな人がいるんじゃないの?」「そんなんじゃないよ!」でも、意地悪なのにどこか優しさを感じさせる三ツ島に惹かれている事実を認めるのだった。

2011-11-02 22:38:35
@yuzukiasako

みなみは三ツ島のいる書店に通うように。「この後ご飯いきません?」「三ツ島さんのお薦めありますか?」とびきりのスマイルで話しかけてもけんもほろろ。「俺が動いてくれんの待ってるわけ?悪いけど他力本願な女苦手なんだよな。キモいんだよ」とズケズケ言われる始末。その時、後ろで声がした。

2011-11-02 22:39:19
@yuzukiasako

「みなみが好きなのって、三ツ島さんだったの?」振り返るとそこには文子と担当編集者の野添(向井理)が!!「文子?どうしてこんなところに?」「新刊出たばっかりだから、書店まわりしてるの。あ、三ツ島さん、どうですか?売れ行き」「えー、正直に言ったらあなた死んじゃいますよ(ニヤニヤ」

2011-11-02 22:40:23
@yuzukiasako

「何その言い方!」「うるさいなあ、大きな口は重版かかったら叩いてくださいよ。相変わらずヘンなところで文章つまづいてんぞ!」野添が止め二入るのも構わず、つかみ合いになる文子と三ツ島。しかし、妙に息のあったその様子に、みなみは胸が痛むのを感じていた。そして、心は決まった。

2011-11-02 22:41:14
@yuzukiasako

翌日、職場に足を踏み入れた三ツ島はぎょっとする。「新人のバイトです。よろしくお願いします!」なんとエプロン姿のみなみが微笑んでいる。「うわっ、マジでキモいわ…。頭どうかしてんじゃねえの?」「なんと言われても構いませんっ。あなたの気持ちを絶対に振り向かせます。会社は辞めました」

2011-11-02 22:46:21
@yuzukiasako

しかし、一見楽しそうに見えた書店員の仕事も、やってみるとおもいのほかハードで、みなみはすぐに心が折れてしまう。おまけに三ツ島と仲の良い書店員、蓉子(たんぽぽ・白鳥久美子)の姿も気になって…。仕事の優秀さはもちろん、天才的なポップセンスで有名な蓉子は、三ツ島にも一目置かれていた。

2011-11-02 22:50:37
@yuzukiasako

いつの間にか、クールで有能な蓉子への嫉妬を抑えきれなくなるみなみ。そのせいで、発注数を間違えてしまい、三ツ島に激怒される。みかねた蓉子はみなみにそっと話しかけた。「三ツ島さんは私のことなんか好きじゃないわよ。あの人には忘れられない女性がいるの。私はそれをずっと見てきたわ」

2011-11-02 22:56:34
@yuzukiasako

三ツ島の想い人は、大人気作家・真鍋恭二郎(小日向文世)の亡き妻・加代子(濱田マリ・幽霊役も)http://t.co/7WPPS0Ch のことだった。売れなかった頃の真鍋を支えるために書店に足を運んでは、勝手に真鍋作品を平積みしていた生前の加代子。その健気な姿に三ツ島は惹かれたのだ

2011-11-02 23:09:01
@yuzukiasako

二人の関係は、書店員と作家の妻の域はこえなかったが、加代子は三ツ島の気持ちに気付いていた。報われぬ想いを知り、ますます三ツ島への気持ちを強めるみなみ。そして、自分も素晴らしい書店員になるために、心を新たに仕事に取り組むのだった…。本編の文子のサクセスとは別にみなみの成長も見所です

2011-11-02 23:12:27
@yuzukiasako

文子が直木賞を受賞する最終回ではみなみの恋もついにフィナーレを。加代子の幽霊や、文子や華、そしてたびたび病院を抜け出す森本(香川照之)達の力もあり、一人前の書店員になったばかりではなく、その一途さと優しさで三ツ島のハートもゲット!!閉店後の書店に三ツ島に呼び出されるみなみ…。

2011-11-02 23:16:19
@yuzukiasako

「どうしたんですか?」真っ暗なフロアを不安な気持ちで見回すみなみ。「明日からのフェアの飾り付けを見てくれよ」三ツ島がぶっきらぼうに言うと、店のあちこちに色とりどりのライトが点り、まるで宝石箱のように。そして一番目立つ棚には、みなみの好みにぴったりなチョイスの恋愛小説が並んでいた!

2011-11-02 23:20:18
@yuzukiasako

「こ、これ…」言葉に詰まっていると「なんだよ。その顔。俺だって恋愛小説くらい読むよ」三ツ島は不器用な手つきでみなみを抱き寄せる。「いたっ!」エプロンの胸のペンがぶつかり合い、思わず吹き出す二人。店の隅では、このロマンチックなライトアップをしかけた蓉子が満足そうにうなずいていた。

2011-11-02 23:23:39
@yuzukiasako

は〜やりきった〜(とても満足げ)。本編の二人はもちろん、華(平岩紙)と森本(香川照之)のひねりのきいたラブストーリーもあるんで、早くリアルでhttp://t.co/m2ZKIXhb 重版かかって「じゅうはん!」二話がつぶやけますように。おつきあいいただき、ありがとうございます。

2011-11-02 23:31:30