ダークネス・ゲイシャガール・スクランブル エピソード3
「一匹見たら三十匹ってぐらいに怪しい連中が居たのに居なくなってるじゃない!」 「いいことなんじゃないんですか?」 「暇つぶしにならないでしょうが!」 「暇つぶしなんですね。暇つぶしって明言していいんですね。なんかすごい理念とかなかったんですか?」 憤慨するレミリア。冷めたピザ。
2011-11-03 16:32:10「あーあーあーあーあー。咲夜五月蝿い。すげー五月蝿い。具体的にはモスキート音ぐらい五月蝿い」 「私まだ聞こえるんですけど、聞こえます? 23歳ですよね」 「バッチリ」 「逆に引きますねそれ」 冷めたピザもとい咲夜と、レミリアはサイドカーでてろてろとサラリマン一人もいない夜道を往く
2011-11-03 16:33:11本当に今日は静かだった。静か過ぎて耳鳴りがしそうなぐらい。耳を澄ましても、サイドカーのエンジン音と運転している咲夜の呼吸音ぐらいしか聞こえてこなかった。 オイランの甲高い悲鳴が聞こえたら――聞こえないほうが平和で良いことなんだけど、張り切って飛び出してきた手前収まりがつかない。
2011-11-03 16:34:13「帰ってテレビ見ましょうよ」 「もうちょいだけ」 「美鈴も何もないって言ってましたよ。両手一杯にお土産持って帰ってきましたけど」 「賄賂よ賄賂」 ライフロータスガンダーラに潜入した5人目の四天王。ミスズは口に豚足を詰められて死んだ。表向きはバナナの皮で転倒死したことになったが。
2011-11-03 16:35:43「帰ってテレビ見ましょうよ」 「もうちょいだけ」 「ムーンライトナイツ(笑)とかださくないですか。ニンジャスレイヤーっぽくしようとしてるのバレバレじゃないですか」 ゴウランガ! 発音できない部分だけでなく実際ヤバイ部分まで言及した咲夜はケジメを受けなくてはならない!
2011-11-03 16:37:35「ハイクを読め、咲夜。カイシャクしてやる」 「ちょっとたんま。あれって」 「ん?」 ダイミョ・クラスしか手に入れられないカゴであるリムジン。この町でそれを乗り回しているのは自分たちか、ムーンライトナイツぐらいのもの。 「奴らか」 「lol」 ケジメを逃れた咲夜は高笑いした。
2011-11-03 16:40:33「咲夜、なんて話してるかわかる?」 「読唇ジツでなんとかします」 「できんの」 「ワレワレハウチュウジンダ、だそうです」 「もうお前に頼らねぇ」 蓬莱山輝夜とその舎弟二人は、なにやら公園でオオトロ粉末を吸引してるかのようなヤバイことをしているように見えた。
2011-11-03 16:42:59「『せっかく甲冑を引っ張り出してきたのに無駄だったわね』『そもそも要らなかったんですよこれ。大体こんなの着たら動けませんって』『気合でなんとかするもんだってあんたの師匠が言ってたよ』『根性論反対ですって!っていうか着せようとしないでくださいよ!』ですって」咲夜の読唇ジツが炸裂!
2011-11-03 16:44:08「えっと」 「大切なことは全部、グーグルが教えてくれました」 「なんかもうあんたに突っ込むことが無駄に感じてきた」 「光栄です」 「褒めてないけど、どうする? なんかいま甲冑着せてるみたいだけど」 「歴女……ですかね」 歴女はこの世界では実際ヤバイ。BASARAで学ぶ。ヤバイ。
2011-11-03 16:45:04「謎の鎧武者が変質者を捕まえる!目立ちたがりのあいつが考えそうなことだわ」 「こっちの格好も大概ですけどね。帝都がそのまま崩壊してもおかしくない格好ですよ」 「ねぇ、あんた何歳だっけ」 「17歳です」 葛葉ライドウめいた格好であると暗に批判されたレミリアは憤慨した。アイエエエエ。
2011-11-03 16:47:10「闇のオーラを感じますわ……。曰くつきの逸品なのかも」 「はいはい。っていうかあんなの、重くて一歩も動けないわよ」 「ドーピングコンソメスープを静脈注射することによってですね……」 「はい」 「あ、はい」 くだらない会話をしているうちに、甲冑武者が一体出来上がっていた。
2011-11-03 16:48:08「咲夜、前から思ってたけどあいつらって」 「馬鹿ですよ。私たちと大差ない程度に」 「後半はいらない」 「妹様に呆れられますよ」 「もう五年もしたらあいつにもわかるようになるって」 「それ、五年前にも言ってましたよ」 「まだ知り合ってなかったろ。適当なことを言うな」 「はい」
2011-11-03 16:49:05「で、どうする? たいしたことはできないだろうし」 「様子が変です」 「ん?」 「一波乱、あるかもしれないですよ?」 咲夜が指差す方向にレミリアが目をやると、甲冑武者が重量を感じさせない機敏な動きで歩いていた。オソロシイ! ナムアミダブツ!
2011-11-03 16:50:17「ふむん」 レミリアは頬に手を当てた。あの鎧がハッポ・スチロール製であったとは考えにくい。とすると、あの鎧に古代のニンジャ・ソウルが憑依していたということが考えられないだろうか。古いジャパニーズ・ショーグン・アーマーにはニンジャ・ソウルが宿ることが実際稀に良くあることなのだ。
2011-11-03 16:52:36自称千年以上続くという元華族である蓬莱山輝夜の家にもそのような物が転がって居たとしても何もおかしくないというのがレミリアの見解であり、その推測は当たっていた。 初めは手を叩いて喜んでいた二人も、呼びかけに応じないことに次第にサツバツした状況だと理解し始めた。
2011-11-03 17:04:00