除染と避難に関して

タイトル通りです。
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猪飼周平 @shuikai

10月30日(日)福島市大波水戸内の町会が側溝の除染をやるとのことで手伝いにゆく。作業後、町会の方々と懇談することに。暮らしぶりや、現状認識についてできる限りお話を伺ってきたい。

2011-10-28 14:46:00
猪飼周平 @shuikai

朝から福島市大波で除染の手伝い。その後汚染ゴミの仮置き場を見学したのち市当局と懇談。

2011-10-30 16:04:02
猪飼周平 @shuikai

午後、福島市政策推進部長と1時間半にわたり意見交換。除染ボランティアの推進には、1)自己決定を保証するのに十分な情報の提供、2)ボランティアの労役の実質的費用を東電(ないし国)に請求すること、の2点が必須であることを説明。

2011-10-31 00:48:22
猪飼周平 @shuikai

今夕は、福島駅近くにてジャーナリストの藍原寛子さん、市議会議員の大内雄大さんと会食。大内さんは、市とは別に、福島市民のリクエストに応じて単独で民家除染を進めている。20代の若さで驚異的な実行力。

2011-10-31 00:48:58
猪飼周平 @shuikai

また、大内さんによれば、福島市の果樹農家の苦境は深刻とのこと。果樹の根を傷めないように除染するには人手が必要で、ボランティアに支援を求めたいとのこと。また、果樹から収穫された果物が安全かどうかを見届ける役割もボランティアに期待したいと。

2011-10-31 00:54:55
猪飼周平 @shuikai

今回の除染旅行では仁平典宏さんが一緒。大変優れた発言に感銘を受けたが、いかんせん体調悪仲間。ともにヘロヘロ1日を過ごす。

2011-10-31 01:02:24
猪飼周平 @shuikai

単独で民家除染を進める福島市議大内雄大さんについて。「売名」と批判されることが多いと本人こぼす。「売名」批判をする人は、邪悪な意図をもった除染活動は許されず、良い意図をもった除染活動だけが許される理由を説明する義務を負う。

2011-10-31 12:23:05
猪飼周平 @shuikai

重要なことは、福島市の除染が線量の高い順番で行う計画なのに対し、大内さんの除染が、住民の不安の声の順番で除染を行う点。互いに補完し合う2つのシステムとして機能する可能性を感じさせる。

2011-10-31 12:28:11
猪飼周平 @shuikai

藍原寛子さんの印象では、福島市渡利地区では居住し続けたい人と避難したい人が6対4くらいの割合で存在している。メディアの「政府に見殺しにされる福島市民」論が一面的議論であることはたしか。自主避難を経済的・社会的に支援する態勢作りを進めることで、除染と避難を両立させるのが本筋と理解。

2011-10-31 12:37:54
猪飼周平 @shuikai

2000年三宅島噴火後の避難期。生活再建に苦しむ住民→行政の対応能力を超えるクレーム→行政パンク→職員の大量退職という経過を辿る。帰島6年経った今も行政と住民は互いに被害者意識・不信をもつ。結果、村の再建を大きく制約している。

2011-10-31 12:46:23
猪飼周平 @shuikai

続)三宅島とほぼ同じことが、三陸地域や福島県でも起きるのではないかと懸念。なんとなれば、福島市の危機管理対策室は朝から晩までクレームで、ほとんどつながらない状態が続く。福島市の政策の良否を越えて、住民と行政の双方に不利益をもたらす状況が形成されつつあることを警戒すべき。

2011-10-31 12:49:45
猪飼周平 @shuikai

除染に反対し避難を主張する福島県外の方々にお願いしたいことがある。避難の問題のかなりの部分は受け入れる自治体や地域社会の問題。ご自分が居住する自治体の受け入れ状況を確認し、不十分であれば改善を支援して欲しい。現時点では自主避難を積極的に受け入れている自治体は数えるほど。

2011-10-31 23:52:22
猪飼周平 @shuikai

慈恵医大講義終了、というか授業開始後15分で防災訓練開始で授業終了。もっともキャンパスに詳しくない人間がグラウンドまで学生を「引率」。

2011-11-01 16:25:52
猪飼周平 @shuikai

東大先端研前の喫茶店なう。この界隈は本当に久しぶり。

2011-11-01 16:32:34
猪飼周平 @shuikai

夕方、児玉龍彦さんと面会。除染の最終形への展望、低線量被曝の危険性、ボランティアに期待される役割、避難(希望)者への支援のあり方等についてお話を伺う。当初30分の予定が2時間に。児玉先生は、私と非常に異なるタイプの思考法の方。現在私の言葉に翻訳中。

2011-11-01 21:58:28
猪飼周平 @shuikai

先週末の除染手伝+懇談の模様について、ご一緒させていただいた@yoshioquena氏のブログが伝えている。関心のある方はご参照ください。 http://t.co/K2qYtkK2

2011-11-04 01:34:18
猪飼周平 @shuikai

@ishikawakzさんが私の言説にコメントして下さっており、また先日児玉龍彦先生に面会したこともあり、少し論点を整理しておきたい。以下長くなって大変恐縮だが、9連投する。

2011-11-04 11:47:04
猪飼周平 @shuikai

①内部被曝か、外部被曝かという点では多くの専門家が指摘しているように内部被曝の方が問題。ただ汚染している土地がある以上食品が汚染する可能性があるので、最終的には内部被曝問題も除染を要する。

2011-11-04 11:47:20
猪飼周平 @shuikai

②では除染の可能性はどうか。先日児玉龍彦さんに直接伺ったところではコストを度外視すればほぼ完全な除染は可能。実際、南相馬市で児玉研が手がけた保育園は0.1μSv/h近くまで線量が下がっている。問題は短中期的にこれを面的に行うことができない点。

2011-11-04 11:47:38
猪飼周平 @shuikai

③児玉さんの描く除染の最終形。1)山林:バイオマス発電で30年間かけて山を燃やす。2)民家:屋根の葺き替え、表土のはぎ取りなど徹底した除染(ハウスメーカーの技術)。3)農地:農地の完全除染は難しいので、クリーンな土壌の代わりにクリーンな商品出荷を目指す(全品検査:技術開発済み)。

2011-11-04 11:47:51
猪飼周平 @shuikai

④住民主体。短中期的には現地は線量の高い状況が続く。この土地に住むかどうかは、住民が避難による生活破壊のリスクと被曝による健康被害のリスクを天秤にかけて決めなくてはならない。ただしこれは住民には究極のジレンマ。移住先の生活支援と、生活環境の可能な限りの除染でジレンマの緩和必要。

2011-11-04 11:48:05
猪飼周平 @shuikai

⑤自治体。自治体は基本的には、人口や産業の維持に強い関心をもつので、住民に住み続けてもらう方向の施策にバイアスがかかる。このバイアスを修正するのに自治体を非難することは有効ではない。むしろ、受け入れ側の自治体にあるバリアを取り除いてゆくこと、生活支援を市民が支援することが重要。

2011-11-04 11:48:22
猪飼周平 @shuikai

⑥ボランティア。④で述べたように住民は非常に厳しいジレンマの中にある。これを全体として支えることがボランティアの役割だろう。除染ボラはその一部と理解すればよい。児玉さんは除染ボラの役割は重視しない立場だが、私は除染ボラにも一定の意味があると考えている。特に短中期的に。

2011-11-04 11:48:37
猪飼周平 @shuikai

⑦ボランティア続き。被曝環境での作業という面からみると、除染はボランティアか、住民か、業者に雇われた労働者が行うことになる。どれが正義の観点からみて優越しているとは言い難いが、除染ボラには自分の意思で来るという点で、一定の利点がある。

2011-11-04 11:48:53
猪飼周平 @shuikai

⑧東京。福島市渡利地区の住民の6割が現地に住み続けることを希望しているという事態は、東京の人びとには理解不能かもしれない。これは、東京の人びとが、福島で生きることのリアリティから遠いことを意味する。ボランティア(除染に限らない)は、この2つの異文化を繋ぐことにもなる。

2011-11-04 11:49:08