私の１０年間の恋とその結末

かこにょ @downer_ututuxxx

昨晩は、思い出の整理というか。記憶の整理というか。ぼんやーりと出逢いから友達時代から付き合い出しからと色々と思い返していたのですよ。 あんなことあったなー。こんなことあったなーって。

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出逢ってから友達時代は怖くて苦手だった。告白されてから意識しだして。数ヶ月後に会った時、あの怖い顔をフニャフニャにして嬉しそうに微笑んでて。「あぁ、本当に私の事が好きなんだなぁ。なんて可愛い人なんだろう」って。そう思って付き合い出して。

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私が男性恐怖症だった事を知ってるから（当時は今より遥かに深刻だった）絶対に自分から手を出してこなかった。たまに手を握りたいなぁって思ってスーツの裾をつまむと、凄く嬉しそうに振り返って手を握って。 いつもニコニコしてた。私もそれが嬉しかった。 そうして、いつの間にか好きになっていた

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キスをしたのは付き合いだし１カ月。私が「したいなぁ」って言ったら驚いて。凄くおそるおそる口付けされて。 「もっと」って言ったら「大丈夫？」って。私を心配してくれて。「大丈夫」って言ったら止まらなくなってた。 ずっと我慢してくれてたんだなぁって。 けんは涙を浮かべてずっと笑顔だった

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私が免許の合宿に行くので長いこと会えなくなることになり。 夜に電話してて、初めて「愛してる」って言ってくれた。 一刻も早く帰りたいから頑張って勉強した。

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飛行機が苦手な私は新幹線で帰ったのだけど、東京駅のホームまで仕事休んで迎えに来てくれて。 私は、親に１日帰る日を嘘ついて、その日は初めてのお泊まりをした。 彼の腕の中で、私は眠れなくて。毎日の仕事で疲れてるのに、私といるだけで元気になる。幸せだって微笑み眠る彼を朝まで眺めてた。

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その日はできなくて。後から聞いたのだけど、あまりにも好きすぎて緊張しすぎて、大きくならなかったんだって。情けなくて仕方がなかったって言ってた。 私も初めてだからどうしてあげることもできなくて。 「腕の中で眠りたいな」って抱き合って眠ることしかできなかった。

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初めてえっちしたのはそれから更に３ヶ月。付き合いだして半年もしてからだった。 私は、ともかく大事に大事にされていた。 痩せっぽちの童顔だし、女としての魅力がないのかな？いやなのかな？って悩んだりもして。 でも、彼はただただ私を大切にしてくれてるだけだった。

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「好きすぎて、歯止めがきかなくなりそうだから。大切にしたいから」っていつも言ってた。 嬉しそうに、いつもそうやって微笑んでた。幸せだった。

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初めてのクリスマス。門限があって長くはいられなかったけど。 小さなダイヤとピンクトルマリンのついた可愛いピアスをもらった。 初めてもらったのはダイヤのピアスだけど、それは私がピアスを開けた記念にって別の方からもらったものをそのままくれただけで。 彼からのきちんとした初めての贈り物

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そういえば、私が学校サボって彼と会ってた日。偶然それが母にバレてしまって。 彼は、うちまで謝りにきてくれた。 「申し訳ございません。もうこのようなことはしませんし、させません。そして、今後もよろしくお願いします」って、母に頭を下げてくれた。

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初めての年末年始。初詣。ずっと一緒にいたいねってお願いして。

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初めての誕生日。 記念にペアリングを買った。それから十年。ずっと私の左手の薬指にはめられることになるペアリング。 中野の丸井で、安物だけどシンプルなデザインのものを買って。誕生日が１カ月違いだったから、お互いにお互いへの誕生日プレゼントにしようってお互いのものを購入した。

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付き合いだしから一年くらい。彼は泣き虫で。 私の前でだけはよく泣いていた。 嬉しい時や悲しい時、悔しい時、いつも泣いていた。 「麻紗子の前以外では絶対に泣かないよ？」っていつもその後に笑いながら言ってた。 そうして甘えてくれるのが嬉しかった。

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私は早速つけたんだけど、彼はずっと箱にしまったままで。 別れ際に「つけてくれないの？」って聞いたら「つけていいの？」って。 誕生日までつけちゃ駄目だと思ってたって。 笑いながら「つけてほしいな」って言ったら、すごくすごく嬉しそうに涙目でつけて、ずっと自分の左手の薬指を見つめてた。

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それから月日を重ねて。色んな事をして、色んな場所に行って。二人で沢山思い出を作って。沢山幸せを積み重ねていって。

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ある時、私に子供ができない身体だとわかった。 元々子供はいらないし、結婚もするつもりはなかったけれど、それで私は身も心もとても傷ついた。

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ボロボロになった私を抱き締めて、「俺が一生守るから」「もう傷つけたりしないから」って泣きながら言ってくれたのが心から嬉しかった。

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「もしいつか私と別れて、新しい女性とつき合いだした時に子供が欲しくなったら後悔するからやめて。手術なら私がするから」って言ったのに彼は聞かなかった。

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そうして彼は数ヶ月後にパイプカットの手術をした。 子供が育たなくても、子供を作ることはできる身体だから。 私が二度と苦しまないようにって、彼は迷わず手術を決意した。

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それから、かな。私は情緒不安定になり。少しずつ病んでいった。 彼は美容師の仕事を辞め、フリーターをしたり、短期の仕事をしたりと仕事が続かずストレスだけが溜まっている状態だった。 少しずつ、二人の仲は変化していった。

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それから彼は内装解体の仕事を初めて。肉体労働は彼に合っているからとても楽しそうだった。 現場が八王子だった時、うちの両親に頼んで１カ月程、うちに居候したりもしてた。彼はとても楽しそうに働いていた。

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その頃、私は仕事で追い込まれていた。仕事は楽しかったけれど、上司との相性の悪さ。そして何よりもおめでたで一気に数人辞めてしまい深刻な人手不足。 休みもまともに取れず、半日休だったり、休めても常に電話待機をしている状態で、家から一歩も出られなかった。

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そんな私を見ていた彼が「俺、働くよ」とある日突然言った。 彼は接客業が苦手だから。女性の多い職場での人間関係の陰湿さに耐えられないと美容師を辞めたくらいだから。私は断った。解体業が楽しそうだし、求人もかけてるから大丈夫だと。

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彼は「恋人が困っている時に助ける事もできなくて、なにが恋人か」と頑なに譲らなかった。 私は根負けして、彼はうちの会社に就職した。