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マシン・オブ・ヴェンジェンス #1

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
書籍 文学 ニンジャスレイヤー
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Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
◆餅◆ 秋のニンジャスレイヤー祭りとくべつ企画第三弾 ◆鰤◆
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(「デス・フロム・アバブ・セキバハラ」をお待ちの皆さんへ:担当翻訳チームは現在、ゼン空間のセッティングが整いにくい問題を解決中です。まずはこのとくべつ企画エピソードをお楽しみください。)
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◆餅◆ 今回のエピソードは短編であり、なおかつ、ニンジャスレイヤーを知らない方でも実際入って行きやすいものとなっている事が特徴です。しかしながら、更新中にスシがきれたら次回に続きます。ご了承ください。 ◆鰤◆
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第一部「ネオサイタマ炎上」より:「マシン・オブ・ヴェンジェンス」 1
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……男はうつむき、物思いにふけっているようでもあった。男の両腕は血で汚れていた。おそらくは、彼の周囲に倒れている五人の返り血だ。五人とも既に死んでいることは明らかだ。重金属を含んだ雨が、濁った血液を洗い流していく。 2
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死んでいる者らのうち、四人はダークスーツ姿で、一人は頭部の左半分を破壊されていて定かでないが、まるで四つ子のように、同じ髪型、同じ顔立ちをしているようだった。クローン・ヤクザなのだ。もう一人は?……ニンジャである。そして一人うつむいて死体を見下ろす男もまた、ニンジャだ。 3
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ヒュンヒュンヒュンヒュン。巨大な推進音が接近し、上空がにわかに明るくなった。ニンジャは顔を上げた。繁華街の退廃的なネオン看板……「おなしやす」「カボス」「良く犬」「コケシマート」といった極彩色の文字群の向こう、夜空を斜めに横切る飛行船あり。ニンジャはその鋼鉄の下腹を睨んだ。 4
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「安い、安い、実際安い」「この飛行船は広告目的であり、怪しくは無い。安心です」欺瞞の言葉を周囲に撒き散らしながら、飛行船はサーチライトを投射し、対象を探している。「……」一秒後、ニンジャは高く跳躍し、ネオン看板を蹴りながらビルの屋上へ飛び移った。そのまま駆け出した。 5
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-------- マシン・オブ・ヴェンジェンス -------- 6
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トレンチコートの男が近づくと、配管の陰に潜んでいた小男がのろのろと立ち上がった。トレンチコートの男は目深にハンチング帽を被り、若いのか年寄りなのか、それすら定かでない。男は両手を胸のところで組み合わせた。「ドーモ」小男も同様にアイサツを返す。「ドーモ」 7
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アイサツ……トクガワ・エドの治世から数百年が経過した今となっても、この極東のハイ・テック国家には「義」「礼」と呼ばれる価値観が連綿と生きている。自らを卑しめ、相手を尊ぶ。この国家では何より調和こそが重んじられる。たとえそれが、薬物中毒者と売人のようなマケグミの間であってもだ。 8
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「ドーゾ」トレンチコートが数枚の紙幣を小男に握らせる。紙幣には武田信玄がプリントされている。「ドーモ」小男は引き換えに、小さな薬包を手渡した。「イイー、とてもイイー、メン・タイが入ったヨ。ビックリしちゃうと思うヨ。バイオね、バイオの力ね」 9
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トレンチコートの男はその場で薬包を破き、中に収められた赤い錠剤を六錠、まとめて口に含むと、ボリボリと噛み砕いた。「ハッヒャ!」ネズミめいた小男は大げさに驚いて見せた。「あなた命知らず人よ。イッキ?イッキの?それ実際効きすぎてあなた大変大変よ。千手観音見えるか?ヤバイ?」 10
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「効かんな」トレンチコートの男は水無しで錠剤を飲み下し、無感情に言った。小男はヘラヘラ笑い、「あなた命知らずほどよ!千手観音クルじゃないか?ね?」「……これが奴らの金脈か」「え?」小男が眉根を寄せた、その時!トレンチコートの男の目がギラリと光った! 11
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「イヤーッ!」「グワーッ!?」トレンチコートの男はいきなり前蹴りを繰り出した。顔面を蹴られ、小男はアスファルトを転がる!前歯が全て折れて無惨に散らばった!「アイエエエ!アイエエエ狂人!」すかさずトレンチコートの男は小男の首根を掴み、吊り上げる! 12
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「何の?あなた何してるの?オーバードーズか?あなたハイか?」トレンチコートの男は答える代わりに、被っていたハンチング帽を脱いだ。その下にあったのは、赤黒いニンジャ頭巾、そして禍々しいメンポ(訳注:面頬。鼻から下を覆う金属覆面)であった!「クスリは効かぬ!」「アイエエエ!?」 13
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「ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」小男はもがいた。「ソウカイヤの人?」『ソウカイヤ』の名前が出た瞬間、ニンジャの目は大きく開いた。小男が泣き叫ぶ。「アイエエエ!なんで私とこ来るの?私いつも頑張ってる!明朗会計、ごまかし無いよ!8時間残業よ!実際優良業者よ!ヒドい事これは!」 14
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ニンジャは小男をなお高く吊り上げる。無慈悲!「頑張っている?頑張って中毒者を増やし、金を吸い上げ、ソウカイヤへ上納か!」「だってあなたソウカイヤでしょ!ニンジャでしょ!なぜ!?」ニンジャは泣き言を無視した。「答えろ。メン・タイの仕入れ元の所在。さもなくば殺す」「アイエエエ!」15
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小男はイヤイヤをした。「し、知らない決まりよ。ソウカイヤのエージェントいつもあなたみたいな覆面。ニンジャね。あなたニンジャなのに何探すか?何故の?ニンジャ同士仲間割れの?」ニンジャは答えず、小男を地面に投げ捨て、背中を踏みつけた。「とぼけるな」「アイエエエ!」 16
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「私がお前を見出すために、どれだけ綿密な下調べをしたと思っている。口先のアワレでごまかせると思うな。答えろ」「言ったら殺されるよ!お慈悲よ!」「慈悲は無い!」ニンジャが爪先に力を込める!「アイエエエエ!アイエエエエ!言うーよー!アイエエエー!」 17
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打ち捨てられた第三埠頭の暗闇に、ぽつりぽつりと重金属の雨が降り出した。毒性の風雨に長く曝されたコンクリートは、さながらネズミにかじられたレンコンを思わせる。そこへ今、黒塗りの家紋タクシーが、ドリフトしながら姿を現す。家紋タクシーは特定のヤクザクランに仕える忠実な足なのだ。 19
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そして、フットボールのペナルティキックめいて横一列にこれを待ち構えていたのは、スキンヘッドの黒人ヤクザ達、全部で十人だ。ユニフォームめいたスタジアムジャンパーには、漢字で呪術めく「横浜御縄談合」の銀刺繍。ただならぬ剣呑アトモスフィアが、家紋タクシーを出迎える。 20
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彼らこそ、スキンヘッドの黒人ヤクザのみで構成されたヤクザクラン「ヨコハマロープウェイクラン」……ジェットスキーにまたがりマグロ漁船を棍棒で襲う、血も涙もない凶悪集団である。彼らの視線下、家紋タクシーはエンジンを停め、そのドアを一斉に開いた。 21
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「……!」黒人ヤクザ達は息を呑んだ。タクシーを降りた四人はまるで四つ子のように同じ髪型、同じ顔立ち、同じサイバーサングラスをかけ、同じダークスーツを着込み、同じ家紋をネクタイに刺繍していたのだ。「ワッザ?クローンヤクザ?」リーダー格の黒人ヤクザが呟いた。 22
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