自由・平等・友愛：仮面ライダー アマゾンズ試論のための雑想

河樹　彬 @e_rewhon

『アマゾンズ』という作品にはダブルライダー、すなわち自由を奉ずる「鷹山仁」、幸福（平等）に素直な「水澤悠」に加えて、「駆除班」という第三の主人公がいる。彼等はカネで繋がった者達にすぎない。だが、それゆえに類を超えた「友愛」を育む。この辺りがすごく体感に即してる。

河樹　彬 @e_rewhon

さらに言えば、こうした構図（Season1）を踏まえた上で、Season2では「これら三者それぞれが、それぞれの正義に徹したがゆえに、自らの不正義に逢着する」怒涛の展開が待ってる。冗談抜きで、今まで触れた中で、最も考えさせられる物語（現在進行形で）。いま思い出しても、鳥肌が立つ。

河樹　彬 @e_rewhon

『アマゾンズ』を観たあと、古典を読むのが楽しくなった。これは例えばサンデルを読んでも、ダークナイト観ても起きなかったことで、作品の「思想性」の高さってものは、作り手（書き手）の肩書にも予算にも単純比例しないんだな、と心から思った。

河樹　彬 @e_rewhon

ふり返れば『仮面ライダーアマゾンズ』の衝撃からハヤ5年以上が経過してるけど、「自由」「平等」を忘れた人達、「友愛」（というか「お友達－利権－秩序」万歳な価値観）一辺倒な人達はいまだに増え続けてるわけで、この作品の批判性はまだまだ失われていないと思う。（残念ながら）

河樹　彬 @e_rewhon

「権力に尽くす人」やら「金の亡者」にも一部の理と社会的利用価値はある。私のたかだか50年未満の人生経験からみても、確かにある。こうした人は身内には優しい『友愛』の人だったりもする。『自由・平等・友愛』のいずれかを正義とするのではなく、三者を拮抗させた古人は正しかったのだと思う。

河樹　彬 @e_rewhon

自由・平等に並置される第三の正義は『友愛』だが、『財産』であった時代もあれば、『宗教』と呼ぶ人もいる。これらはどこか繋がっていて、個人的には『秩序』や『システム』といった問題系に一般化していける気がする。とすれば、これは文化記号論的なケガレの議論、差別の問題系とも直結する。

河樹　彬 @e_rewhon

と、ここに書いていることは完全に「思いつき」にすぎないが、個人的には、アリストテレスが「分配の正義」（平等）や「矯正的正義」（これがおそらく自由に繋がる）に加え、「交換的正義」という謎だらけの概念（第三の正義）を並置したあたりにまで遡れる話だと思ってる。

河樹　彬 @e_rewhon

アリストテレスの「交換的正義」の記述は本当に謎だらけなのだが、あれだけ「友愛」を重視したアリストテレスが、正義論の中で「友愛」を位置づけていないことには昔から違和感を抱いていた。この二つはどこかで繋がってる気がする。

河樹　彬 @e_rewhon

といったことを考えはじめたのは、『仮面ライダーアマゾンズ』という名作を観たからであり、ブログを書きながら考えたが、この第三の正義（友愛・財産・交換）がまだ整理できずに、頓挫してる。いつか続きを書きたい。書けるようになりたい。＞blog.livedoor.jp/e_rewhon/archi…

河樹　彬 @e_rewhon

柄谷行人は『自由・平等・友愛』の三幅対を「資本・国家・ネーション」に、さらには「貨幣交換・再配分・贈与」という三つの交換様式に対応させている（『トランスクリティーク』）。今更ながら、この視点は面白い。 pic.twitter.com/8GxOfWGrat

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河樹　彬 @e_rewhon

「自由・平等・友愛」への関心は、数年前『仮面ライダー アマゾンズ』を観たところから始まった。「鷹山・水澤・駆除班」という三者三様の主人公達は、相容れぬ正義ゆえに衝突する。三つの相容れぬ正義。これは「自由・平等・友愛」の原理にいきつく。＞blog.livedoor.jp/e_rewhon/archi…

河樹　彬 @e_rewhon

それぞれの正義が人間関係のなかで成立していくseason1も良いが、その自己崩壊過程（と、それでも残るもの）を描く『アマゾンズ』season2は、私が観た映像作品の中でもベストで、いつかその衝撃を言語化したいと思っている。