もし彼が生まれていなかったら

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トリヴィア：ローレンツ変換は実はローレンツではなくポアンカレの発明。ローレンツ変換の原型的な数式にポアンカレが相対性の原理（提唱したのはあの方ではなくマッハですこれもトリヴィアね）を持ち込んで、静止と運動は相対的であることを論証しました。ただいかんせん彼の書き散らし癖で失点。

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ミンコフスキー空間の閃きは、教え子アルベルトによる相対性理論に刺激された恩師ミンがローレンツ変換が直観的にわかるようマクスウェル電磁気学方程式をあれこれいじっているうちに虚数がカギと気づいたところから閃いたものです。彼は論文ではなく講義録でそれを世に問うたのでした。

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教え子アルは当初恩師のこの講義録＆講演録を読んでピンとこなかったのですがその後彼独自の思索を深めるうちにその重要性に気が付きました。

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ここにもうひとつの原理が放り込まれた。等価原理！これはアルの提唱したものです。「生涯最高の閃き」と後に振り返ったくらいずば抜けた洞察でした。

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ミンコフスキー空間において物体は等速運動を前提としていました。加速、減速した場合、この空間はどうなる？慣性力が空間に何か相互作用するとして、それはどんな空間になるか？

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仲良しの数学者にアイディアを話し、何か使えそうな空間はないものかと調べてもらって見つけてもらったのが、かのリーマン空間！

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もしアルが光速度不変の原理（特殊相対論の土台！）にたどり着かなかったとしてもポアンカレがわずかに遅れてたどり着いて、E = mc^2 をやはり彼が見出していたと思う。そしてこれに刺激されてミンコフスキーがやはりミン空間を発案していたと思う。

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ただここから先を、もしアルがいなかったら誰が先に進んでいったのだろうって、思う。

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「もしアインシュタインが生まれていなかったら」なんて小論、面白そうですね。

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