【戦国絵巻・燕の城SP】「決戦!名古屋城」その3
前回 SPその2
本編
【スワローズ妄想劇場】戦国絵巻・燕の城SP「決戦!名古屋城」その3(最終話) #swamou #swallows
2011-11-07 11:58:09【戦国絵巻・燕の城SP】「決戦!名古屋城」その3 ・・・名古屋城の城門前までやって来た南青山軍。しかし、その残存兵力は余りにも寂しいものであった。しかし、城に籠る上洛前の落合をここで討てば形勢を逆転できる。要は帝から開府の勅命が下らなければ良いのだ。 #swamou
2011-11-07 12:00:03多少なりとも動ける者は城門を破ろうと燃えていた。「申しあげます!」最近、伝令役に抜擢された山田が陣に駆け込んできた。小川公は、まだ少年のような山田の顔を見て(この様な若い者を戦に使わねばならぬとはな・・)と思いつつ「申してみよ」と答えた。 #swamou
2011-11-07 12:01:07「はっ!敵、平田隊の急襲を受け・・赤川隊壊滅にございます。」小川公は一瞬、眉を動かしたが、何事も無かったかの様に「ご苦労、よし、ここで貴様の任務を解く。国元に帰るが良い。」と山田に言った。しかし「いえ、私も攻撃に加わりたく存じます!」とすがる山田。 #swamou
2011-11-07 12:02:48しかし小川公が「我等はまだ終らん!次の機会の為に国元に帰り鍛練に励め!」と諭して下がらせた。「・・・ここまで参陣させて帰らせるのも酷ですな。」宮本が小川公に言うと小川公は「種を蒔いたのだ。」と返した。「種?」と宮本が聞き返す。 #swamou
2011-11-07 12:04:50「そう、種。奴はこれからの軍を担う大切な男。経験を積ませる為に参陣はさせたが、収穫はまだ先だ。」「・・そうですな。では我等育った者は収穫と行きますか。」と立ち上がった。と、その時、早馬が陣に駆け込み、小川公へ文を届けてきた。 #swamou
2011-11-07 12:05:53・・・城門では既に攻防戦が展開されていた。館山を先頭に突撃を繰り返す軍勢。しかし、固く閉ざされた城門は開かない。川本、青木が突撃し開きかけた城門を畠山が大きな木槌で叩く。「くそう!開け、壊れろ!」2回、3回・・しかし、決してそれ以上開く事はなかった。 #swamou
2011-11-07 12:06:32もう一回叩こうと木槌を振り上げた時、周囲が静かになっていることに気付いた。振り向くと小川公と宮本が立っていた。宮本が「畠山、もう良い。」と静かに言う。畠山が反論する。「なぜです!ここまで来て!なぜ!この木の板一枚向こうに敵将が居るんですよ!私は一人でも行きます!」 #swamou
2011-11-07 12:07:47再び城門に向き直り、木槌を振り上げる。その手を小川公が掴む。「殿まで!何故!」「良いんだ、畠山。もう良いんだ。」掴んだ手をそっと放し語りかけた。「先程、京より文が届いた。帝より上洛した落合殿に対し開府の勅命が手渡された。」と静かに語った。 #swamou
2011-11-07 12:09:09「なっ・・・落合はここに!この中に!」畠山は城を指差し訴えた。宮本が続ける「落合殿は主力を率いてだいぶ前に上洛していたそうだ。我々は・・・別動隊と戦っていたに過ぎないのだ。」それを聞いて畠山は絶句した。(我々は全力で戦った・・それが・・たかが別動隊相手だったと?) #swamou
2011-11-07 12:11:12畠山は天地がひっくり返ったような思いでしゃがみこみ、尾張国の底知れぬ戦力に恐怖した。(済まんな)と、心の中で思う。しかし、表に出さず同じように茫然とする残存の武将、兵士達に、小川公はその年齢には相応しくない大声と威厳で伝えた。 #swamou
2011-11-07 12:15:10「皆の者、ご苦労であった!いまの我々ではこの城を落とす事は成らなかった!これから暫くの間、辛い時期が続くだろう。だが、冬は過ぎ春は必ず来る。今は力を蓄えよう。全てが整ったとき、この城を必ず落とす!全軍、撤収!」そして軍が動き出す。 #swamou
2011-11-07 12:16:16宮本が泣き崩れる畠山を抱え上げ馬に乗せる。青木が森岡を慰める。膝をつく館山に石川が肩を貸す。相川が林を励ます。伊勢を背負って歩く飯原。助け合い、胸を張り、整然と隊列を組み帰国の途につく南青山軍。その目線は既に未来へと向かっていた。(終) #swamou
2011-11-07 12:16:48