100物語

ツイッター100物語
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リリングミスト @RelyingMist

1砂嵐. 空気は記憶装置であり、今までに有った全ての出来事を記憶している。ラジオやテレビのアンテナはそれらを不完全ながらも再生する装置である。ザァザァという音は47億年分の記憶を一斉に再生したためになる音であり、知識のある生物にとっては大変有益な情報も含まれているという

2011-11-08 23:30:28
リリングミスト @RelyingMist

2ケッケ. 隕石と間違えられる石のほとんどがこのケッケで、自ら飛び跳ねて移動する。大人の握りこぶしで隠せるほどの大きさで、人に危害をくわえる事は無いが、稀に若いケッケが人間や車にぶつかることがあるという

2011-11-08 23:30:38
リリングミスト @RelyingMist

3英雄. ホテルに入るなり「お待ちしていました」と言う声に迎えられた「本当に感謝しております」支配人がそう言うと、スイートルームに案内され、最高のもてなしを受けた。代金を請求されることもなく、永久に滞在できるようなので、私は仕事をやめ、このホテルに住むことにした

2011-11-08 23:30:49
リリングミスト @RelyingMist

4巨小僧. ある母親が公園で子供を遊ばせていると、子供たちの中にまるで着ぐるみのような巨大な子供がまぎれていた。自分の子供を呼びつけ聞いてみると「気がつけば居た。色々な遊びを知っているから面白い」などと言った。皆が帰っても巨大な子供は1人、ブランコで遊んでいたという

2011-11-08 23:30:59
リリングミスト @RelyingMist

5吐き気. 家が古くなったので立て替えることになり、全てを1度解体したのだが、大工たちがある地点に立つと猛烈な吐き気に襲われると訴えた。吐き気を覚える地点は丁度台所の下であり、掘ってみると古い米俵がいくつも出てきた

2011-11-08 23:31:07
リリングミスト @RelyingMist

6ごぎょうはこべらほとけのざ. 春の七草は本当は続きがあり「にまいさや・わだま・うずあな・さんかく」という植物のことが書かれているが、どこにも存在しないという

2011-11-08 23:31:15
リリングミスト @RelyingMist

7鈴. 小さな鈴が落ちている場所を見かけたら、それはあなたにとってよくない場所である。鈴は危険を知らせる合図であるので、すぐにその場所から離れるようにする。出来れば蹴るなどして鈴を鳴らしたほうがよい

2011-11-08 23:31:23
リリングミスト @RelyingMist

8誤植. ある人気週刊誌の88ページ目が何か砂嵐のようになっているというクレームが付き回収騒ぎになった。回収された週刊誌の砂嵐はどれもこれも微妙に違っていた。段ボールに入ったまま返本となった2冊を何気なく上下合わせると砂嵐の端と端がぴたりと一致し、何かの毛のような形になった

2011-11-08 23:31:30
リリングミスト @RelyingMist

9小人. 顔の両端から足の生えたボールのような生き物で巨大な目を持っている。土の中に住み、蝉の幼虫などを食べる。夜に道を歩いていて視線を感じたなら小人が見ている。小人自体はなにもしないが、小人の多い場所はあまり人や獣の寄り付かない所であることが多いので出来るだけ気をつけた方がよい

2011-11-08 23:31:38
リリングミスト @RelyingMist

10粒. 時計の音がしたので探してみると、地面にまいてある粒から聞こえていた。つまみ上げてみるとギィギィと小さな声で鳴く。金槌でつぶそうとしたが形が変わらなかったため、集めて熱したところ、パチパチとよく燃えた

2011-11-08 23:31:48
リリングミスト @RelyingMist

11骨. 昔からこの地域では土の中から骨が出てくる事がある。この骨は動物などのものではないし、骨の形をしているだけで実際には骨ではなく生きているようだ。見つけたら陶器のツボの中に入れ、振っても音がしなくなるまで放っておく。ツボの中は酒で満たされ、大層美味であるという

2011-11-08 23:31:55
リリングミスト @RelyingMist

12葉虫. 冬場にも関わらず、緑の生い茂る木は葉虫である。葉虫はお互いの足をつかみ合い人形となって、夜な夜な森をさまよう。場所を見つけると、そこでバラバラになり有毒なガスを出し翌日には消えてしまう。ゴムの焼けたような匂いがしたら葉虫が近くに居るということだ

2011-11-08 23:32:05
リリングミスト @RelyingMist

13古びたコート. ある町にコートをきた女が住んでいて、来る人来る人に悪口を言っていた。あまりにも頭にきた人がその女を懲らしめてやろうと自宅からコートを盗んでしまった。すると女は姿を現さなくなった。しばらくしてコートを返しにいってやると、手足と顔以外が白骨化した女が死んでいた

2011-11-08 23:32:17
リリングミスト @RelyingMist

14人時計. 5年前に川に流され死んだはずの弟がある日ひょっこり帰ってきた。姿形もあの日のままだった。本人はきょとんとしており、神隠しのたぐいのように思われたが、家の人間は昨日まで弟が居た事など忘れていたように思えた。弟が言うには「代わりの誰かが来ていたようだ」とのこと

2011-11-08 23:32:24
リリングミスト @RelyingMist

15死神. 白と黒のぶちで爪の先が黒くなっている猫は死神である。彼らはもうすぐ死にそうな生き物の側に現れ、事故などで死ぬと同時にその肉を食う。孤独死した老人の家から沢山の普通の猫が見つかったようだが、いったい彼らは何を食べていたのだろう

2011-11-08 23:32:34
リリングミスト @RelyingMist

16ふき. 小さな木の枝を持っており、これをくるくるとまわすと途端につむじ風がおき、周りのものを巻き込む。巻き込んだものはふきの前に戻ってくるので、これをふきだまりと言う。ふきはその中からなにかを探しているようだ。ふきの集めたものを蹴散らすと足が腐るといわれている

2011-11-08 23:32:41
リリングミスト @RelyingMist

17詩人. 詩人は町に現れ露天商のように言葉をならべているが、詩人達の言葉の中には読んではいけないものも存在するらしい。単純に悪い言葉が書いてあるものもあれば、不思議な動物が描かれていることもある。もし興味本位で見てしまい、その動物が夢に出てきたら、覚悟しなければならない

2011-11-08 23:32:48
リリングミスト @RelyingMist

18ゴロンゴロン. ある日を境に天井を何かが転がる音がし始めた。天井をぶち破り中をのぞいてみると、ねずみが石を転がしていた。よく見るとその石は地蔵の首で、まだいくつもあった

2011-11-08 23:32:55
リリングミスト @RelyingMist

19くぼみ. くぼみはおかっぱ頭で少し昔のような服を来ている女の子である。その名の通り、目がくぼんでおり眼球は無い。こちらを向いてはニタリと笑うだけで特に何をする訳ではないが、くぼみを見た人間は良い縁談が舞い込むという

2011-11-08 23:33:02
リリングミスト @RelyingMist

20石食. 大昔この辺りに住んでいた領主が土地を分けるのに「より多くの石を食ったものに与える」という触れ書きを出した。そのうちの4人はいまだに領主の言葉を信じて石を食べている。指や衣服はぼろぼろで、近づくと石膏の匂いがする

2011-11-08 23:33:10
リリングミスト @RelyingMist

21サボテン. これは他のものとは違って、ハチから垂れ下がり、紫色になっている。腐ったような臭いがするが、時折うなり声が聞こえ、ボコボコと波打つ。内側からは決して破ることが出来ているため、しばらく放っておくと静かになる

2011-11-08 23:33:17
リリングミスト @RelyingMist

22さるひと. 栃木の山奥で確認された、ひときわ大きな猿。他の猿と同じくらいの速度で木々を移動する。ひときわ長い手足を使って、そこら中に植物をくくった輪をつくる。その不気味なオブジェが時たまテレビの心霊特集などで放映される

2011-11-08 23:33:23
リリングミスト @RelyingMist

23箱鳥. 寄せ木作りで作られた仕掛け箱で、振るとツッツッと鳴き声のような音がする。少なくとも祖母の代からあるものらしい。アフリカからの土産物らしく、一度大学で見てもらったが、コイサン語に似ているが、なんと言っているか分からないらしい

2011-11-08 23:33:28
リリングミスト @RelyingMist

24大くじら. 中身は小さな粘着性の白いヒルのような生物で、体にたくさんの死骸を取り付けながら移動する。くっついた死骸は溶け、それ自体もまた粘着性を持つ。多くは2メートルほどだが、稀に50メートルを越すものもいるという

2011-11-08 23:33:37
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