@bergamotflavorさんによるエンジン話

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2011年11月10日(木)

簡単にエンジンの3要素として。良い圧縮・良い点火・良い燃焼とありんすがコレを文面通りと受け取ると抜けが多い訳で。良い圧縮にはバルブタイミング・オーバーラップ角度によりどれだけ空気を入れるか。良い点火には回転数に合わせた遅角・進角。良い燃焼には効率良い火炎伝播と空燃比も含まれるの。

posted at 17:59:22

それにボアとピストンストロークでもエンジンの性格は異なる。分かりやすいところで4発2000ccのスクエアエンジンと云うと1気筒がボア86mm×ストローク86mmになる。縦横同じ長さなのでスクエアと呼ばれるんじゃが、ストロークが長い場合トルクは増え、ボアが広い方がパワーを得やすい。

posted at 18:07:26

ストローク(クランク)が長い方がトルクを産む一つの要素であり、またストローク(工程)が長いと速く1工程を終わらせるのに向かない。 ココに更に混合気の流体としての要素を加味すると、低回転ロングストロークは充填効率が高いが、高回転ロングストロークは充填効率が悪くなる。

posted at 18:18:56

広いボアのエンジンは低回転~高回転の混合気充填効率はイイが、ストロークによる燃焼圧力ロス、短コンロッド等により低回転トルクは稼げない。 物凄く簡単に云えば、長ストロークエンジンは低回転トルク型。広ボアエンジンは高回転パワー型となりピークトルク・ピークパワーに差が出ますよと。

posted at 18:31:54

だから同じエンジン排気量・同じ気筒数でも性格は異なりんす。 トルクすっかすかでも上までガンガン回る物もあれば、太いトルクで加速はするが回らない物もあると。 コレをいかに上手いとこどりするのかが課題な訳でありんすな。強いトルクで高回転まで引っ張りそれを維持出来るかが課題でありんす。

posted at 18:39:33

2011年11月11日(金)

一般的な4ストロークエンジンは、吸入・圧縮・燃焼・排気の4工程を1サイクルとして繰り返すコトをさすのじゃが。 もう少し分解しピストンスピードがゼロになる所を死点とすると。 (オーバーラップ)吸入上死点・吸入下死点・圧縮上死点・燃焼下死点・排気上死点(オーバーラップ) となりんす。

posted at 17:44:14

吸入上死点(0度) 吸入下死点(180度) 圧縮上死点(360度) 燃焼下死点(540度) 排気上死点(720度) 4ストロークエンジンは720度(2回転)で一回燃焼、大まかに360度〜540度の間ですの。コレにオーバーラップを付け加えると簡単なバルブタイミングダイヤグラムじゃわ

posted at 17:55:45

さっきからオーバーラップとは何ぞやと。 簡単に「吸気・排気の両バルブが開いてる間隔(角度)」でありんす。 吸気上死点から吸気バルブが開くのではなく、その前には開き始め、 排気上死点で排気バルブが閉まるのではなく、遅れて閉じる。 吸気に排気が混ざりそうなイメージかもしれませんの。

posted at 18:12:39

2011年11月14日(月)

ではオーバーラップから。 吸気バルブはピストンの上死点より速く、排気バルブはピストンの上死点より遅く閉じる必要がありんす。空気は流体であるが故に動きにラグが生じるのでござんす。だから吸い込むときはあらかじめ先にバルブを開け、吐き出すときは余計に開けておく。

posted at 17:46:00

このとき吸排気バルブが両方空いている期間をオーバーラップと呼びんす。空気(流体)の動きに伴いエンジン回転が低いときはオーバーラップ期間を短く、回転が早いときはオーバーラップ期間を長く。いずれも流体の充填効率を考えた場合に適切な期間は異なり、また期間を角度で表現するのが普通じゃの。

posted at 17:51:20

バルブタイミングダイヤグラムにおけるオーバーラップ角度が狭いものは、低回転トルク型。 オーバーラップ角度が広いものは、高回転パワー型と云えますの。 余談になりんすが可変バルブタイミングとはこのオーバーラップ角度を変化させて低回転トルク型と高回転パワー型を両立させたものでありんす。

posted at 17:55:57

空気の充填効率に焦点がいってありんすがパワーを出すには燃料を燃やすほうがいいのか? 理論空燃比と云うものがありんす。これの比率は空気14.7:ガソリン1。理論上ガソリンが完全燃焼する比率でござんすな。コレにいかに近づけるか、その為には空気を沢山エンジン内にブチ込む必要がありんす。

posted at 18:04:57

エンジンとはいかに空気を多く取り込んで効率のイイ燃焼を得られるかとの戦いでござんす。 また空気(流体)は吸気管の長さによっても充填効率は変わりんすし、スワール(渦)によっても、スロットル径によっても変わりんす。吸排気ポートの大きさ、バルブリフトでも、吸排気脈動でも変わりんす。

posted at 18:19:05

たかが吸気だけでも小むづかしいコトでござんすな。とりあえずこの辺はさわりにして、次があるなら点火順序か…、点火進角・点火遅角かのー。 バルブタイミングダイヤグラムはぼろ太ちゃんにでも聞いてくりゃれ。 えんいー。

posted at 18:25:03

2011年11月15日(火)

さて。一般的な4発直列エンジンの点火順序からどんな事がわかるかを見て行きましょうかのー。 まずエンジンが縦置きでも横置きでもどんな風にマウントされていても「前」がありんす。簡単にクランクプーリーがついてる方が「前」、ミッションが繋がっている方が「後ろ」でこざんすなー。

posted at 17:43:40

んでクランクプーリーがついてる方からシリンダーを数えるので 前①②③④後 この場合直列4気筒エンジンですな。 じゃあエンジンの点火順序はどうかと云うと ❶❸❹❷である事がほとんどでありんす。 ①②③④ <これがシリンダー配置なら ❶❹❷❸ <これが当てはめた順序でありんす。

posted at 17:53:44

なんでそんなバラバラかと云えば順序が❶❷❸❹の場合隣同士になるシリンダーが熱をもってしまうから熱対策の影響でダメ。 熱の影響から❶❹❷❸と遠い所から燃焼させれば理想じゃが、今度は❶と❹と云うイチバン端同士になるとクランクシャフトが捻れてしまいんす。熱対策とクランク捻れを考慮すると

posted at 18:00:52

❶番燃焼の次の燃焼は❷でも❹でもなく❸になりんす。 ❶が排気工程❸が燃焼工程と決まると次の燃焼工程(現・圧縮工程)にはいるシリンダーは❷と❹どれか。 答えは燃焼したばかりの❶と❸に挟まれた❷ではなく❹ これも熱対策を考慮した結果ですの。

posted at 18:08:01

❹番の隣で❸が燃焼したばかりじゃが端なので❷よりは熱影響が少ないのが理由じゃわ。 さて。ここまでで点火順序は❶❸❹と決まると残りはひとつ。 冷えた❶と❸の間の❷が燃焼出来るのでありんす。 熱対策とクランクシャフトの捻れ(強度・振動)を考慮すると 点火順序は❶❸❹❷になりんす。

posted at 18:12:53

❷の燃焼次の工程で❶が燃焼しても端のシリンダーなので熱影響はありんせん。 つまり、燃焼・圧縮・吸気・排気をあてはめると。 ①②③④ <直列4気筒エンジン 燃排圧吸 <工程はこれ。 ここまで読むコトが可能になりんす。

posted at 18:18:23

さて。各シリンダーにおける点火順序と各工程(燃焼・圧縮・吸気・排気)がわかれば、バルブタイミングが見えてきますの。 ①②③④ <直列4気筒エンジン 燃排圧吸 <工程はこれ。 吸気と排気が上死点時、両方でバルブが開いているのは。②・④番シリンダーになるわけでありんす。 書き間違え

posted at 18:29:59