「キャンサーステムセル」「分子標的薬」をヤンデル先生が解説してくれた

病理学会非公認!病理広報の病理医ヤンデル先生が「キャンサーステムセル」「分子標的薬」をわかりやすく解説してくれて面白かったので、まとめてみました。
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病理医ヤンデル @Dr_yandel

「体の中にあるいろいろな細胞のDNAに傷がついて癌が出る」というのが、長年信じられていました。(続く) RT @yukolove: @Dr_yandel ヤンデルたん、「キャンサーステムセル」を、ゆこにもわかるように説明してくだちゃいo(*・ω・)ノ >蜜の味

2011-11-10 23:00:16
病理医ヤンデル @Dr_yandel

(続き)しかし、現在いくつかの臓器由来のがん(乳がんや肝がんなど)で、Cancer stem cell(癌幹細胞)と呼ばれる細胞があるのではないかと言われ、がんの学問がすごく進歩し始めています。(続く) RT @yukolove: 「キャンサーステムセル」を説明して

2011-11-10 23:01:40
病理医ヤンデル @Dr_yandel

具体的には、がんの中に「がんの元になる細胞」というのが少数存在するという考え方です。蜂の巣に「女王蜂」がいるようなイメージでしょうかね。RT @yukolove: 「キャンサーステムセル」を説明して

2011-11-10 23:02:40
病理医ヤンデル @Dr_yandel

(続き)「女王蜂」は、すべてのがん細胞を生み出す元になっているとも言われますし、抗がん剤に対する耐性があり、治療したときに最後まで生き残るとも言われています。(続く)RT @yukolove: 「キャンサーステムセル」

2011-11-10 23:04:13
病理医ヤンデル @Dr_yandel

(続き)従来の抗がん治療は主に「働き蜂」を攻撃するような薬を用いていたのですが、働き蜂を倒すとともに女王蜂も倒すべきだろうというのが、「キャンサーステムセル研究」の一つの目標ですね。(続く)RT @yukolove: 「キャンサーステムセル」を説明して

2011-11-10 23:05:11
病理医ヤンデル @Dr_yandel

(続き)現在のがん研究においては、「働き蜂の中に潜んでいる女王蜂を探す」というのが一つのトレンドです。今の人間の検査システムでは、「蜂」だということはわかっても、女王蜂を見極めることは(一部の例を除いて)難しいのです。RT @yukolove: 「キャンサーステムセル」を説明して

2011-11-10 23:06:34
病理医ヤンデル @Dr_yandel

(最後)この10年で「キャンサーステムセル研究」は格段に進歩しています。いずれは「完全に駆逐したはずのがんがなぜ再発するのか」が、今よりもっとわかるようになるでしょう。まだわからないことも多いですが、期待の分野です。RT @yukolove: 「キャンサーステムセル」を説明して

2011-11-10 23:08:17
病理医ヤンデル @Dr_yandel

今までの抗がん剤は、多かれ少なかれ「がんではない細胞」にもダメージを与えてしまうため、副作用が生じます。そこで、「抗がん剤ががん細胞だけを攻撃するシステム」というのを考えます。 RT @yukolove: 「分子標的薬」を説明して

2011-11-10 23:16:31
病理医ヤンデル @Dr_yandel

たとえば、正常の細胞を「普通の高校生」に、がん細胞を「不良高校生」に例えてみましょう。 RT @yukolove: 「分子標的薬」を説明して

2011-11-10 23:17:24
病理医ヤンデル @Dr_yandel

「不良高校生」は、たとえば髪型がリーゼントであったり、財布にじゃらじゃら鎖がついていたり、なんなら特攻服を着ていたりして、見た目が普通の高校生と違います(イメージが昭和ですが許してください) RT @yukolove: 「分子標的薬」を説明して

2011-11-10 23:18:50
病理医ヤンデル @Dr_yandel

今までの抗がん剤が、「悪そうな顔したやつの顔面を殴る薬」だとすると、この分け方では「ちょっと人相は悪いけど根のいい人」(つまりがんじゃない細胞)もぼこぼこにされてしまう危険性がありました。 RT @yukolove: 「分子標的薬」を説明して

2011-11-10 23:19:44
病理医ヤンデル @Dr_yandel

しかし、例えばそり込み+リーゼントのように、「明らかに不良の奴しか持っていない特徴」を見つけて殴るような薬を開発すると、正常の細胞に対するダメージを減らすことができます。 RT @yukolove: 「分子標的薬」を説明して

2011-11-10 23:20:36
病理医ヤンデル @Dr_yandel

この「がん細胞にのみ現れている『分子』(例:リーゼント)」をターゲットとした薬が、分子標的薬です。問題は、不良=リーゼントみたいな「安直な見極め」はそう簡単にはうまくいかないということですね。 RT @yukolove: 「分子標的薬」を説明して

2011-11-10 23:22:01
病理医ヤンデル @Dr_yandel

見た目はちっとも悪そうじゃないのに、携帯電話でオレオレ詐欺をやっているような「隠れ不良」を見つけ出して補導するにはどうしたらいいでしょうか。そういうことを考えるのが、「新しい分子標的薬を研究する」ということになります。 RT @yukolove: 「分子標的薬」を説明して

2011-11-10 23:22:50
病理医ヤンデル @Dr_yandel

これくらいでいっすかね?(*´∀`) じゃ、そろそろおちますよ。

2011-11-10 23:23:20
病理医ヤンデル @Dr_yandel

ありがとよ(*´∀`)ノ今後ともよろしくどうぞ。 RT @monique_monica_: @yukolove ヤンデルたんちゅごいねちゅごいね!♪(・∀・)ノねーたん感心しちゃったぁん。癌って私に身近過ぎて一生一緒に生きていく感じよ!ぜひ有益な情報チョウダイナ。

2011-11-10 23:25:18
病理医ヤンデル @Dr_yandel

禅問答キタコレ RT @naokororin2: @Dr_yandel すごい、、、ヤンデル先生が先生にしか見えなかった、、、

2011-11-10 23:28:46
病理医ヤンデル @Dr_yandel

*でもね、わかりやすく説明できたとしたらそれはうれしいことだけど、本当にうれしいのは「人に説明できないほど最新の研究に携わっている」ことなのかもしれないのですよ……。がんばれ、がん研究学者。ヤンデルは研究者の皆さんを応援しています。

2011-11-10 23:33:31
病理医ヤンデル @Dr_yandel

ブンブンブブブン RT @hiromartha: @Dr_yandel すごい。わかりやすかったです。やっぱり先生だったのですね(=´∀`)人(´∀`=) ちょっと説明が横浜銀蠅(←古い)チックだったけど。

2011-11-10 23:44:46
病理医ヤンデル @Dr_yandel

「中央」とは限らないのですね。また、女王蜂が1匹とは限らないのです。働き蜂はわんさか増えるのですが、女王蜂も少しずつ増えているのではないかと言われているのです。 RT @kyasse: はじめまして、失礼します。 その女王蜂って、腫瘍やガン細胞軍の中央にいる訳ではないのですか?

2011-11-10 23:59:06
病理医ヤンデル @Dr_yandel

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2011-11-11 00:03:33
病理医ヤンデル @Dr_yandel

CML=慢性骨髄性白血病です。これは「血液のがん」です。「がん」とは、「細胞が本来の役割とは違う異常な働きをはじめ、本来の増え方とは違う異常な増え方をして、本来の居場所とは違う異常な場所で悪さをする」病気のことです。(続く) RT @yukolove: 「CML幹細胞」を説明して

2011-12-01 23:22:20
病理医ヤンデル @Dr_yandel

CMLに限らず、最近はこの「がん」について、「幹細胞」というのを探してそいつを叩く、というのが研究のトピックスとなっています。そして、このお話は実は以前にご説明した「キャンサーステムセル」のことなのです。(続く) RT @yukolove: 「CML幹細胞」を説明して

2011-12-01 23:23:19
病理医ヤンデル @Dr_yandel

「キャンサーステムセル」:cancer=がん、stem cell=幹細胞のことです。つまり、「がん幹細胞」という意味です。前回のおさらいになりますが、体内で増えるがん細胞を「働き蜂」に例えると、幹細胞は「女王蜂」にあたります。RT @yukolove: 「CML幹細胞」を説明して

2011-12-01 23:24:56
病理医ヤンデル @Dr_yandel

従来の抗がん剤は、がん細胞の95%以上にあたる「働き蜂を殺す」ものであったり、「働き蜂の羽をむしる」ものであったり、「働き蜂の針を抜く」ものに相当します。最初はこれらの治療で働き蜂をほぼ全滅させることができます。(続く) RT @yukolove: 「CML幹細胞」を説明して

2011-12-01 23:26:06