「絵の人は基本的に~」の個人的な所感をまとめた散文

個人的な所感。 さらなる散文メモ「あの生成の影響だとかについて感触のメモ」:https://togetter.com/li/2147214
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Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

ちょっと考えを雑にまとめてみようと思う。 > 「絵の人は基本的に画像生成AIへの拒否感が激強なのに対し音楽や文章の人はAIへの抵抗感がかなり薄いようなのだがその違いはなんなのだろうか togetter.com/li/2118440

2023-04-06 14:16:17
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

まず最も大きく目立つ所は"求められるクオリティと生成されるクオリティ"の辺りで、「AI画像生成のクオリティは"多く求められるくらいのレベルに到達している"」が、「音楽・文章のAI生成は"多く求められるほどのレベルではない"」という所だろうが、その点はただ目立つだけで本質は少しズレる。

2023-04-06 14:20:28
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>画像と音楽・文章との本質的な違いは閲覧にかかる時間、言い換えると『消費されるスピード』である。文章は文章を読むための時間という大きなハードル、また音楽は再生時間という絶対的なハードルが存在するが、画像はハッキリ言えば一瞬でも消費されうるものである。あまりにも短い。

2023-04-06 14:22:42
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>この『消費されるスピードの違い』は作品の扱われ方として非常に大きな違いとなる。現時点という注意書きは必要になるが、最も極端な違いは「AIを介した生産速度」である。AIがどれだけ早く出力するかだけでなく"AI生成物を人が選別や調整する工程を含めて"も、画像関係は圧倒的に、脅威的に短い。

2023-04-06 14:26:36
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>現実問題として他に比べて画像は「消費速度も早い」のに「AIによる生産性が著しく高い」ため【制圧状態を引き起こす】問題が物議をかもしている。もっと細かく言えば音楽・文章は消費できる速度の遅さから"事前の選別"、つまり『表紙・作家そのものへの訴求性』が非常に大きなものという点もある。

2023-04-06 14:34:34
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>音楽や文章は"コアではない一般的な視点"からはどのような作品であるのかで判別されるよりも前に「どのような作家が作った作品なのか」「どのような広告をされている作品なのか」や「どのような所で流れている音楽なのか」「どのような賞を取った文章なのか」が、どうしても大きいと考えられる。

2023-04-06 14:38:17
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>つまり音楽や文章は「作品を見てもらえるハードルがかなり高い」。"そのものが好き"などではない、一般的な視点から言えばそれらの新規の作家なんて"時間を費やすに値するかどうか分からない"のだから、参入障壁が非常に高い。その上で"AIを介した生産性"が著しく高いわけでもなく手間がかかる。

2023-04-06 14:55:13
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>要約すれば音楽や文章の関係は現状「既存作家が脅かされる状況になりにくい」わけである。その点、画像については事情が大きく異なる。画像はその消費の早さ、"確認のしやすさ"から基本「作品そのものが名刺」になり「どのような作品なのか」から判別されることになる。作家と同列に作品もある。

2023-04-06 15:01:12
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>作家から作品を見られることもあるが「優れた作品であれば人目を引きつける」のが画像の性質である。そしてAI画像生成は「一定以上のクオリティを出せる」ためより現実的に「脅かされる状況を作れる」わけで、またAIを介した生産性の高さから【制圧状態を引き起こせる】ため脅威となるわけである。

2023-04-06 15:06:20
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>心情的な問題についてはそこへさらに付け加えられる。あまりに露骨なものであれば法的な問題も含まれることにもなる。特に「"第三者が"作風を模倣し、それによる制圧状態を作り出せること」には危機感を持つのも当然のことで、こうした状況、問題が成立しうるのがAI画像生成なのである。

2023-04-06 15:17:27
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

もう一つめんどくさい所をまとめてしまうと。『創作という魔法の独占』の問題である。現実的に言うと創作はあくまでも現実の積み重ねであり、作品は現実を積み重ねて作り上げるものであるのだから、魔法と表現することは苦労を無視した飛躍した言い回しではあるのだが、そうした認知はありえる。

2023-04-06 15:20:05
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>少々乱暴なまとめになってしまうが、"現在特に広まっているAI画像生成ソフト側"の理念を雑に説明すると『創作という魔法の独占状況の打破』なのである。「一部の人間しか使えない魔法(創作)という特権を、機械的に再現することで多くの人間に使えるようにして特権ではなくさせる」わけである。

2023-04-06 15:27:18
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>庶民も文化的に豊かな日本では馴染みの薄い感覚だろうが、乱暴な言い方をすれば「創作をできる人というのは生まれから文化的にも経済的にも豊かな"特別な階級の人間"」であり、つまり「創作は特権階級のもの」と表現してしまえるのである。あるいは日本でもその感覚を持つ人は少なくないだろう。

2023-04-06 15:36:15
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>AI生成は「文化的に豊かな特権階級のものであった創作をより広い人間が扱えるようにし、その階級構造を打破できるもの」という表現ができてしまうものであり、そうした意図を持って、もしくは【そうした悪意を持って】攻撃的にも扱ってしまうことができるものなのである。

2023-04-06 15:39:20
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>そうした文化的な問題が存在していて、そうした状況が顕在化、既に現実で実用化されてしまっているものが今のAI画像生成の領域なのだ。細かい事情にこうした問題も含まれているのだから、環境としてなんともめんどくさい話になってしまっているわけである。

2023-04-06 15:45:24
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

最後に。"どうすればいいのか"について、私はなんとも言えない。

2023-04-06 15:48:40

追記:どういう感覚であるかを例える

Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

追記>思いついた例えとして、【絵は作品そのものが名刺になる】わけで、AI生成で模倣大量生産される状況を他分野で例えるならば【ほぼ似た名前・名刺で圧倒的な生産量で活動されるような状況】に近いものだと表現できる。つまり「地道な作業をしている隣に似たものが大量にある状況になりうる」のだ。

2023-04-17 14:25:55
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>そのため安直に「便利なら自分でも使えばいい」という話にはならない。「自分が使ったとしても"ほぼ同じ名刺で作られたものが大量に存在する"と言うこと自体は覆らない」。また物量で対抗しろという話も最悪「1対不特定多数」にもなりうるのだから物量作戦も決して現実的とは言い難くなる。

2023-04-17 14:30:56
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>こうした部分は"倫理上の善悪"の話というよりも主に"居心地の悪さ"や"感触の気持ち悪さ"であるために他分野では理解し難いが、さらに多くの人に身近な例えなら【SNSでよく似た名前・よく似た振る舞いで活動する存在が大量に生まれる】ような状況なのだ。なりすすましに限らず、そのつもりもなくだ。

2023-04-17 14:38:52
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>しかもその例えで「同じ場所で活動しうる」ことも言い表すなら「その"よく似た存在"がなんの隔たりも無く本人のフォロワーだとかとすら交流をし始めることすらある」ような状態なのである。もちろん「見える所に限らず、見えないところで"よく似た存在"が知らない活動している」こともありえる。

2023-04-17 14:42:01
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>そうした状況を危惧している、もしくは既に直面している場合すらありえるのがAI画像生成の影響を受けている環境である。一つ言っておくが「コピー・クローン」のように表現していないのはAI生成は性質上"模倣・イミテーション"であり、「同一の存在になろうとしているとは限らないため」である。

2023-04-17 14:47:29
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>まとめ直すと「例えば高度な人工知能技術があなたによく似たアカウントを作り出して、あなたのフォロワーたちとも仲良くなろうとしていたらどう感じるだろうか?」という話である。「あなた自身を好いてくる場合もあれば、あるいは嫌っている場合もある」。ようはそんな感じの状況になっているのだ。

2023-04-17 14:53:17
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

>技術上の「その人が技術も身につけてもっと頑張れば上回れる」という考え方はもっともらしく聞こえてしまうが、問題はそれだけではないのだ。"お気持ち"だとか、個人的な心情なんて不合理な問題だと言ってしまうこともできるだろうが、黙って受け入れられるとは限らない非常に怖い問題だとも言える。

2023-04-17 14:59:21
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

(とはいえ残念ながら現実問題、技術者ほど「進歩は止めることなく前進させ続けるべきだ」と考えたがるし、技術者に限らず"利益を出す技術"は動かしたがる人々が絶えることは無く、もう"広く動き出した後"にそれを止めることは時代が変わって利益の出ない時代とならない限りは…という苦い話もある)

2023-04-17 15:10:39