amenitydry先生らによる某法哲学会功利主義祭潜入記
- eguchi1965
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若松先生による開幕の挨拶。功利主義に死亡宣告を下した直後に、政治哲学ではなく応用倫理学として、功利主義は復活してしまった。ここでもう一度、ベンタム自身の見解に基づき、個人の倫理ではなく統治の哲学としての功利主義を再考してみよう、とのこと。
2011-11-13 09:13:51公衆衛生の倫理学が勃興している。組織化された地域社会の努力により、疾病を予防し健康を増進し云々というのがpublic health。公による健康への介入。
2011-11-13 09:24:12感染症が撲滅され問題は慢性疾患へ、と思ったら感染症への関心が復活。個人の自律・自由への介入・制限が再び問題になる。
2011-11-13 09:28:15禁煙・禁酒など、公衆衛生はリーガルモラリズムという道徳の強制という形を取ることが多かった。あなたのために規制します、はどこまで許されるのか問題。
2011-11-13 09:32:13死刑囚の最期のたばこ一服が禁止された理由:健康に良くないから。これは馬鹿げてると。禁煙問題が典型例で、代表的な禁煙ファシストはプーチン。あわわ、こわい。
2011-11-13 09:35:25全体の利益を目的とした介入は、その介入で不利益になる人々の問題はどうなるか。予防接種の義務化の問題など。さて、こういった権威主義とリベラリズムの狭間で公衆衛生はどうなるか。ミルとプーチンが並んでる。
2011-11-13 09:39:56二つのベンタム解釈。一つはフーコー流の権威主義的功利主義。もう一つは個人的自由主義的功利主義。前者の後継者がチャドウィック。後者がもちろんミル。
2011-11-13 09:42:02チャドウィックって誰?憲法典執筆の助手。救貧法改正のための調査、報告。この報告書はすごい売れたらしい。ただ、人間的には問題が多く、人間関係は酷いことになってたらしい。最後には追放されたので功利主義者は気をつけよう。
2011-11-13 09:45:30コレラ対策、埋葬法、上水道の整備。これらの問題で権威主義的すぎて多くの人たちに嫌われてチャドウィックは嫌われて事実上引退へ。このチャドウィックラインでの公衆衛生の倫理学はマズイぞ、と。
2011-11-13 09:49:54それに対するリベラル功利主義の公衆衛生の代表者として、ミル。ミル自身は公衆衛生についてあんまり言っていないけど、自由論を公衆衛生についての側面から解釈していこうと。
2011-11-13 09:52:20本人に判断能力がない場合のソフトパターナリズムと、ある場合のハードパターナリズム。ミルは後者を拒否するけど、公衆衛生の側面からは後者も必要。我々が目指す先はチャドウィックとミルの間。
2011-11-13 09:54:57修正ミル主義。共和主義の側面から公衆衛生を正当化しよう。ベラーのラインとパトナムのライン。自由の制限としてではなく、共同体への義務としての公衆衛生。
2011-11-13 09:57:46ナッジ。自由を尊重しつつ、介入。公衆衛生や環境問題の際には、 我々は十分に合理的な判断が出来ないのではないか。おなじみの二つの思考システムの話。間接的な情報操作などに基づいて、一見自律的な判断をしているけど実は誘導されている、という感じのことかな。
2011-11-13 10:01:15ナッジと規制。やっぱりそういう感じかな。ナッジならマスメディアを使ったプロパガンダ、アルコールのグラスを小さくするなど。直接的な規制よりは抵抗感が少ないと。修正ミル主義ならこの方針を採用出来る。
2011-11-13 10:05:49ハートによれば、ミルは、欲求が比較的安定していて、外的刺激からの影響を受けにくい中年男性をモデルに個人を理解し、パターナリズムを斥けたらしい。
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