風の谷へ消えたトップクラフトと、ジブリの初代経営者、原徹氏について

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『風の谷のナウシカ』は3.11が公開日だったのか。象徴的ですね。 しかし、これはスタジオジブリ作品ではない。当時、制作母体を全く持たなかった宮崎駿に手を差し伸べたのは、トップクラフトという海外との合作で実績のあるアニメスタジオだった。『ホビットの冒険』等のファンタジーを作っていた。 pic.twitter.com/HlT3XHtGBT

拡大

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『風の谷のナウシカ』はジブリ作品ではないし、プロデューサーは鈴木敏夫氏ではない。ナウシカのプロデューサーは高畑勲氏。 制作スタジオ、トップクラフトの社長は原徹氏。原徹氏は『おもひでぽろぽろ』までジブリの社長だった。 最近、どうも勘違いしている人が多いので、念のために呟いておきます。

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

「ナウシカ」はジブリ作品ではない筈だが、権利を買い取ったから今では「ジブリ」作品なのだろうか？しかし、ナウシカが作られた時には、ジブリなんてスタジオはこの世に存在しなかったのだが。「ナウシカ」のために手を上げ、「ナウシカ」が原因で消滅することになったトップクラフトの立場は？

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

Wikipediaを見ると「トップクラフトはジブリへと発展的に改組された」とか記載されているが、そんなキレイな状況ではなかった筈だが…。（トップクラフトで活躍していたスタッフは殆ど残れなかったのですから） こんな風に歴史は改竄されて行くんだなぁ。

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

ジブリの歴史から原徹氏の功績が過剰に消されている気がする。 原徹氏が『ナウシカ』の制作を引き受けなければ「国民的作家」となる宮崎駿のキャリアもジブリの成功もなかったのでは？全て鈴木敏夫氏がやったかのようになっているが、ジブリを軌道に乗せた経営者は原徹氏ではないのか。 釈然としない。

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

原徹は東映動画で『ホルス』の制作だったが、ホルスの興行的失敗で東映を退社することになった。 その後、合作アニメプロダクション、トップクラフトを立ち上げ『ホビットの冒険』や『ラストユニコーン』などのファンタジーアニメを制作。 奇しくも『ナウシカ』で宮崎駿、高畑勲と再び組むことになる。

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『ナウシカ』の制作後、トップクラフトは実質的に解散しジブリが作られます。wikiでは「発展的改組」とされていますが、トップクラフトのスタッフの多くはジブリに残れなかったのですから、もう少し複雑だったでしょう。 ナウシカ当時のトップクラフトの人が「大部屋扱いだった」と回想していますね。 x.com/woody_honpo/st…

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『ラストユニコーン』（1982） ピーター・S・ビーグルの名作ファンタジーを、ビーグル自身の脚本でアニメ化。 トップクラフト初の劇場用アニメで米国での評価も高かったが、日本未公開で、ソフト化もされていないのでは？ この作品の原画家である吉田忠勝氏の仕事を見て、宮崎駿は蟲の作画を任せた。 pic.twitter.com/rHIiG0llAu

拡大

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

宮崎駿は、アニメ『風の谷のナウシカ』の続編は作らないのですか？という質問に「もう、虫を描いてくれるアニメーターがいない」と答えたことがあったけれど、吉田忠勝氏がいなかったら『ナウシカ』は出来なかったのではないか？ しかし、吉田忠勝氏の仕事がクローズアップされたのは見たことがない。

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

全ての蟲を吉田忠勝氏が描いた訳ではないですが、ボリュームのある蟲の作画ではかなり活躍されたのです。

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

トップクラフトはトールキンの『ホビットの冒険』と『王の帰還』もアニメ化している。アーサー・ラッカムのイラストのスタイルを生かした画面デザインで作画された。 偶然かもしれませんが、未完に終わったラルフ・バクシ版『指輪物語』の欠落部分を補完する形でアニメ化しているんですよね。 pic.twitter.com/oMv5TxH9cK

拡大

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

ジブリが「トップクラフトの発展的改組」で出来たというなら、『ラストユニコーン』もジブリでソフト化すれば良いのにね。 しかし、そういう話は全く出ない。宮崎駿も高畑勲も関係していないからね。 ならば発展的改組なんて言わない方が良いと思うけれど。 x.com/woody_honpo/st…

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『ナウシカ』が制作されていた頃、私は雑誌の制作ルポなどを熱心に読んだが、金田伊功やなかむらたかし等の外部から招聘したスターアニメーターに比べて、トップクラフトのアニメーターは扱いが軽いな、と感じていた。 近年、当事者の人が「大部屋扱いだった」と回想していて、やはりそうか…と。 pic.twitter.com/DynEwgVe5S

拡大

拡大

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

それは実力の違いから来るものだったのかもしれないが、あまり良い印象は受けなかった。 雑誌を読んでいるだけのファンですら違和感を覚えたのだから、現場では色々とあったのではないか。 まぁ、雑誌ってアニメージュだから、鈴木敏夫氏がそう扱っていた訳だが。

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『ナウシカ』後に「トップクラフトがジブリに発展的に改組」というのも、色々あったのだろうな…と推察する。 高畑勲は「組織から作り変えないと宮さんの求める映画は作れない」と語り、宮崎駿は「陣地を借りて人を使い捨てにしてしまった」と述懐していた。 pic.twitter.com/04JmO8pask

拡大

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

twitter.com/tkashiwatanabe…

渡部高志 @TkashiWatanabe

ナウシカだが俺はキチンとワンシーン担当している。 主人公もテトもちゃんと描いている。 数カット手伝ったのではない。モブも飛行機も戦車も爆発も描いている。 全部で120カット以上やっている。 量でも引けは取っていない。 でも今に至るまで大きく取り上げられたこともない。 先輩らもそうだ。

2021-10-16 22:07:17

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

twitter.com/tkashiwatanabe…

渡部高志 @TkashiWatanabe

当時若干24〜25歳。未熟なりに追従しようと必死だった。 だが大部屋扱い。 仕方が無いと納得していたが、今は思うとこが大きい。 演出に転向したのもナウシカがきっかけ。 ある意味復讐心があったのかもしれない。 何にしても大きな転機を与えてくれた作品だった。

2021-10-16 22:12:01

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

twitter.com/tkashiwatanabe…

渡部高志 @TkashiWatanabe

その後も居たスタジオでのナウ〇シカ後の顛末もあり、 自分はスポットライトが当たる雲上人を避けるようになった。 その延長線上にまだいる。 こういうのを虎と馬というのであろう。

2021-10-16 08:02:46

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

一方で、当時のトップクラフトのアニメーターの人達は、みなさん「宮崎駿さんとの仕事は勉強になった。刺激を受けた」とも語っているので、一概に良いとか悪いとか断罪できる問題ではないと思う。 x.com/woody_honpo/st…

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

宮崎駿氏は「高畑さんの通った後にはぺんぺん草も生えない（スタッフを使い潰すので）」と批判していたけれど、宮崎さんも余り変わらないじゃん…とは思いました。

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

木原浩勝氏について（蛇足ですが）。 『怪談やJホラーブームの原点を作り上げたスゴい人！』 sugoihito.or.jp/2013/03/6060/

木原浩勝/KIHARA Hirokatsu/増補改訂版『ふたりのトトロ』（講談社文庫）絶賛発売中‼️ @KiharaHirokatsu

……確かに。 x.com/woody_honpo/st…

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

@KiharaHirokatsu コメントを頂き、恐れ入ります。 当事者の方がご覧になっていたとは。 …失礼しました🙇‍♂️

木原浩勝/KIHARA Hirokatsu/増補改訂版『ふたりのトトロ』（講談社文庫）絶賛発売中‼️ @KiharaHirokatsu

いえいえ💦恐縮します💦 『ナウシカ』の目立たない（誰も注目してくれない）グッジョブは数多く登場する「蟲」にあると思うのです。 世界観的に。 この作画を吉田（通称・師匠）が一手に引き受けた事が作品完成の勝因であったのですが…どれほど知られているのかな？ …などと思いながら読みました。 x.com/woody_honpo/st…