茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第3128回「ぼくがNHKの戦国武将ものの大河ドラマを見る気がしない理由」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート３１２８回をお送りします。文章は即興で書いています。本日は感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

昨日、NHKの大河ドラマ「どうする家康」を１エピソード、仕事をしながらながらで見て、気になったところはガン見した。映像などよくできているし役者さんもがんばっているとは思ったけれども、ぼくはやはり戦国武将ものの大河は苦手だと思った。続けて見ることはないと思う。

茂木健一郎 @kenichiromogi

家康とか、秀吉とか、戦国武将の時代はどうだか想像するのは楽しいかもしれないけど、それをドラマで見たいとは特に思わない。小林秀雄は、かつて、講演で「家康とか秀吉とか信長とか、今の俳優が演じられるような人間じゃないですよ」と言ったが、同じ思いだ。さらに時代が流れている。

茂木健一郎 @kenichiromogi

根本的な問題として、戦国武将のドラマを彼らの目線で見ることが現代的な文脈から見て違和感ありまくりということがある。彼らは政治的な野心のために人の命を道具とした人たちであり、現代のやわな俳優で丸めても、その本質は変わらない。別にそういうの見たいと思わない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

大河ドラマに対する違和感の構造は、トロッコ問題に似ている。５人を救うために１人を犠牲にするか、レバーを引くかどうする、と問題提起されるけど、実際にはたいていの場合、私たちはレバーを引く側じゃなくて、線路の上に横たわっている側なのだ。確率的にも6/7だから間違いない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

おじさんが読むような経営雑誌とかでも、よく、秀吉が信長が家康がどうのとか言っているけど、いや、読者の圧倒的多数は、そういう権力者の気まぐれや横暴で右往左往してとばっちりを受ける側でしょ、と言いたくなる。大河ドラマもそういう勘違いの下に成り立っている（あるいは成り立っていない）。

茂木健一郎 @kenichiromogi

日本では「ミスター・ビーン」で有名なRowan Atkinsonが出ていたBlackadderシリーズは、国王や将軍などの権力者の横暴で迷惑をこうむりつつも知恵をつかって生き延びる（そして最後はBlackadder goes… twitter.com/i/web/status/1…

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート３１２８回「ぼくがNHKの戦国武将ものの大河ドラマを見る気がしない理由」をテーマに６つのツイートをお届けしました。