栃木県中部の宮彫めぐり ~鹿沼の神社彫刻を中心に~

昨年に作成した「北総地域と京成本線沿いの宮彫めぐり ~神社の装飾彫刻~」(https://togetter.com/li/1874435)以下、関東各地の神社の装飾彫刻(宮彫)シリーズの最新版です。 また、探訪に当たっては前回と同じく以下のサイトを参考にしました。 新・龍元洞雑記帳 続きを読む
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八幡宮(栃木市・千塚町)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

先週の土曜日にフォロワーさんの車に乗せていただいて栃木県の鹿沼市を中心に彫り物ガッツリ系の神社さんを巡ってきたので暇を見ながらレポします。1箇所目は栃木市 千塚町の八幡宮さん。覆屋には目の細かい金網が掛かっていますが胴羽目の位置が低めで光量もあり、鑑賞難度はあまり高くはありません pic.twitter.com/NvOMTABEcc

2023-05-10 14:16:05
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は3面とも源頼光の酒呑童子退治。順に大江山の麓で老翁に遭遇した頼光たち、三社の神から毒酒と兜を授かる場面、酒呑童子の館で饗応される一行となっています。なお向拝柱の昇龍・降龍の丸彫りや木鼻や手挟あたりを除くと全体的に装飾は控えめで、脇障子は欠損していました。 pic.twitter.com/VoSsmBsb5S

2023-05-10 15:03:13
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小松神社(鹿沼市・久野)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

2箇所目は鹿沼市 久野地区の小松神社さん。覆屋は格子が横型の仕様になっていますが 隙間の幅もあるので、それなりに鑑賞しやすい造りになっています。なお、現在は本殿の階(きざはし)の左側にミツバチが巣を作っており、覆屋の外から頻繁に出入りをしていますので、鑑賞の際には注意して下さい。 pic.twitter.com/4KWRg5fDoB

2023-05-11 08:26:31
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

本殿はやや高い位置に胴羽目があるので、じっくり鑑賞したい場合は脚立を使用するのをオススメします。胴羽目の彫り物は順に高砂の翁と嫗、天岩戸、長坂の戦いで劉備の子・阿斗を懐に抱きながら奮戦する趙雲(三国志)。また脇障子はL字型の形状で、それぞれの表の面に七福神と唐子が配されています。 pic.twitter.com/aHqIsBB950

2023-05-11 08:46:23
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

また、胴羽目以外にも出来の良い彫り物があり、中でも解説板でも言及されている腰羽目の四季耕作図は人物の力点などの表現が優れた佳作であり、神話や説話だけにとどまらない社殿彫刻の題材のバリエーションの多彩さを改めて認識させてくれます。何れにせよ、見応えたっぷりの社殿でした。 pic.twitter.com/Q6weoQR0F2

2023-05-11 09:03:48
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

小松神社さん(鹿沼市)の高砂の松の彫り物、謡曲のイメージと違ってサブキャラが複数いるのに加えて躍動感もあって萌える。 pic.twitter.com/Ud1tGvA58O

2023-05-11 09:25:18
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星宮神社(鹿沼市・戸張町)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

3箇所目は鹿沼市 戸張町の星宮神社さん。覆屋は前面の一部を除き四方がガラス張り格子で、社殿との間も割合に近いので目視に関しては問題ないのですが、左側には物入れが据えつけられており密着はできず、また背面に板が立てかけられているため右半分ほどが塞がっているなど多少の難ありです。 pic.twitter.com/Ni0gUxdmy5

2023-05-11 11:34:23
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

一間社ながらも多彩な彫り物で覆われた本殿。胴羽目は順に長坂の戦いで奮戦する趙雲、玉巵(太真王夫人)、高砂の松の翁と嫗。なお、同社は通りに面した交差点の角にあり非常に目立つ立地であり、加えて背後も人家に接していますので節度を持って鑑賞しましょう。 pic.twitter.com/DXZ8wemUDZ

2023-05-11 12:13:18
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今宮神社(鹿沼市・今宮町)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

4箇所目は鹿沼市役所に隣接する今宮町の今宮神社さん。本殿は完全露出型ですが、御覧のように基壇も含めて地表面からかなり高い位置に胴羽目があるため細部の鑑賞には双眼鏡などが必須になります。なお、右側面は低い位置から見上げる形ですが左側面と背面に関しては背後の高台から見る事が可能です。 pic.twitter.com/pT1cDxBBoZ

2023-05-11 14:53:41
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は左側面が素盞嗚命の八岐大蛇退治、背面が鳳凰。そして、不覚にも撮り忘れてしまいましたが右側面にも彫り物があります。なお、社殿の手前の唐門の前後にも彫り物がありますが、現在同社では唐門および神楽殿修繕の寄附(一口3000円)を募っておられますので、篤信の方は是非、御寄進を。 pic.twitter.com/ddkKcpzUov

2023-05-11 15:57:49
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三所神社(日光市・小倉)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

5箇所目は日光市 小倉地区の三所神社さん。覆屋の格子の仕様は小松神社さんに近いですが幅が5cm程度でやや狭く、また周囲が林であるため光量も不足気味、加えて胴羽目は多少高い位置にあるので、踏み台か脚立が必要です。※目線位置に来る腰組の間や腰羽目には彫刻は無し pic.twitter.com/2OvwvWIs3Z

2023-05-11 17:57:39
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は順に二見ヶ浦の夫婦岩、二十四孝の太舜、三韓征伐の神功皇后と武内宿禰ですが、夫婦岩は崇敬者であろうと思しき方が差し込んだ金属製の鳥居のために昇る朝日が隠れてしまっていたり、神功皇后の方は奉納額が彫刻の上に直置きされている点が気になりました…。 pic.twitter.com/gHM32v6PLR

2023-05-11 18:20:01
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

この太舜、遠目で見た時は「それな!」してるのかと思った次第。 pic.twitter.com/EMeOD8dTPK

2023-05-11 18:27:21
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日枝神社(鹿沼市・板荷)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

6箇所目は鹿沼市 板荷地区の日枝神社さん。本殿の覆屋は上部に格子はあるものの地面から高さ3m強あたりまでは金属板で塞がれており、背面には更に高い位置まで波板が貼られているため胴羽目や腰組部分の目視は無理という高難度物件で、脚立と如意棒を併用して部分的に撮影するのが精一杯でした…。 pic.twitter.com/cM3SW8SpiP

2023-05-11 19:28:41
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

とりあえず、海老虹梁の鳳凰などの彫りの凄さはお分かりいただけると思いますが、実際のところは隣接する人家から丸見え状態で不審者と誤解される可能性もあるので、器具を使用しての撮影の際は事前に地元の方に相談しておくのが無難ですね。※なお、同社の彫刻は公刊の宮彫の写真集に掲載されています pic.twitter.com/f6PLSo9bOm

2023-05-11 19:53:23
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石村神社(鹿沼市・引田)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

7箇所目は鹿沼市 引田地区の石村神社さん。覆屋は大きめの開口部の上に粗めの金網が掛けられていますが上部にある程度の幅の隙間があるので、鑑賞自体は割合に楽ですが、拝殿正面に人感センサーがあり、賽銭箱にお賽銭を入れようと近づくだけで警報が鳴り響くので、参拝時は気を付けて下さい。 pic.twitter.com/ThWaleF22Q

2023-05-11 21:36:58
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は順に小狐丸を鍛造する三条小鍛冶宗近、牡丹に唐獅子、菊慈童です。特に小鍛冶の彫り物は相槌を打つのが稲荷神ではなく、その眷属である神狐となっている点が珍しいと思われますが、その他の彫り物を見ても、近隣の地区の彫刻に比べて全体的に素朴さを感じさせる作風であることが見て取れます。 pic.twitter.com/PnlSC6vs75

2023-05-11 21:48:21
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