オレとオマエは友達だったのかぁぁ!?実証IO編

昔の偉い人が提案した構造推定でカルテルの影響を除外する手法の適切さを確認した論文を世に送り出したそうです。たぶん。
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にるそん @ohtanilson

みんな大好きブレスナハン1980s Worksとポーター1980s Worksの手法を手元のデータでやってみたら簡単だけど勉強になったし、結果が出たらオンラインアペンディクスに回そうかな。制度知識ドリブンの理論モデルの組み合わせ、ああ美しき1980s実証IO。

2021-10-01 09:43:57
にるそん @ohtanilson

みんな大好きdemand rotation IVを発明したブレスナハン1982の理論的計算的保証が同じ彼らと同じジャーナルにアクセプトされました(院の友人と共著)。 IOの初回の構造推定の課題に最適なので引用して使ってね(RとJuliaのコードもGithubに載せます。共同コーディングのいい訓練になりました。 twitter.com/ohtanilson/sta…

2023-05-25 00:52:59
似非 @kDrjf853_3tna

友人認定されてることを初めて知った共著者です.短い論文ですが,実証IOの文脈でも重要なコンセプトに関する論文なので,以下に宣伝も兼ねて長くはなりますが補足説明をします. twitter.com/ohtanilson/sta…

2023-05-25 16:22:30
似非 @kDrjf853_3tna

BLPモデルでMCのパラメータも同時に推定する際には,多くの論文でベルトラン競争が仮定され,その一階条件を使ってモーメントを構成します.しかし,データの期間の間でカルテルが行われていた場合には推定結果にバイアスが生じることになります.

2023-05-25 16:22:31
似非 @kDrjf853_3tna

IOではモデルを誤認していた場合,反実仮想にもバイアスの影響が出てしまうのが大きな問題です.では,データからどのようなモデルで競争しているかを知ることはできるのでしょうか.この問題に取り組んだのがBresnahan (1982)をはじめとする文献です.

2023-05-25 16:22:34
似非 @kDrjf853_3tna

Bresnahanは線形需要と線形MCの同質財市場において,conduct parameterと呼ばれるパラメーターを導入したモデルを考えました.このモデルはconduct parameterの値によってクールノー,カルテルなどの競争モデルに対応できるモデルとなっています.

2023-05-25 16:22:35
似非 @kDrjf853_3tna

これによってconduct parameterを識別することでデータを生成した競争モデルを識別することが可能になります.Bresnahanはdemand rotationと呼ばれるIVを使ったconduct parameterの識別戦略を提案しました.

2023-05-25 16:22:36
似非 @kDrjf853_3tna

その一方で,Perloff and Shen(2012)はBresnahanが考えたモデルに問題があることを指摘しましたが,私たちはその指摘が間違いであることを証明し,シミュレーションも用いて,Bresnahanが正しいことを確認しました.

2023-05-25 16:22:38
似非 @kDrjf853_3tna

ここまで,同質財市場の話をしましたが,差別化財で同様にconduct parameterの入ったモデルを考えて,その識別はできるのか,という疑問があると思います.Nevo (1998)の結論は「理論的には可能だが,実際にやるにはIVの条件が厳しすぎる」というものです.

2023-05-25 16:22:39
似非 @kDrjf853_3tna

現在でも差別化財のモデルでconduct parameterを推定する論文はあまり書かれていません. ただ,ここ数年,conduct parameterの推定ではなく,検定で競争モデルを特定しようとする方向で発展があります

2023-05-25 16:22:40
似非 @kDrjf853_3tna

ここでは2つモデルを持ってきて,それぞれのモデルでマークアップを推定して,どちらのマークアップがデータを生成した競争モデルのマークアップに近いかを検定を行います.さらに多くの候補を持ってきて,それぞれを競わせると,データを生成した競争モデルに近いモデルがわかるという論法です.

2023-05-25 16:22:40
似非 @kDrjf853_3tna

Backus, Conlon, and SinkinsonやDuarte, Magnolfi, Sølvsten, and Sullivanが関連した論文になります.長くなりましたが,ここまで読んでいただきありがとうございました.

2023-05-25 16:22:41