『モーパッサン伝』とモーパッサンの小説について

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

ETRETAT : 印象派の画家を魅了した絶景の街 | O'Bon Paris | Easy to be Parisian obonparis.com/ja/magazine/tr… モーパッサンの育ったエトルタはノルマンディーの海がきれいな場所だった

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モーパッサンの父親は放蕩者で彼が12歳のときに両親は離婚(法的には別居)し、それ以後母子家庭で育てられた。母親は文学少女でフロベールと友達であり、12歳の息子にフロベールの新作『サランボー』を読んで聞かせた(モーパッサン伝)。

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「彼女に宛てて詩を書いて贈った。しばらしくして彼女を訪ねると、友人たちと一緒に彼の詩句を読んで笑っている姿を目撃したのだった。恥辱と怒りに雷のように打たれ、女とは軽薄で哀れな偽りの被造物であり、その地上における唯一の存在理由は雄の欲望を満足させることだという確信を深めた」(同書)。

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彼は「心から溢れ出るものを詩のなかに吐き出した。彼の考えでは、自分を揺り動かす感情は散文では表現できないのだった。とりわけ、韻文の神々しいメロディーに頼らずにどうして女性を称えることができるだろう、と自問した」(モーパッサン伝)。 音楽がなくても韻文にはメロディーがあるんだな。

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モーパッサンは生涯結婚しなかった。

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バカロレア (フランス) - Wikipedia ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90… ナポレオンが作ったもので、その頃はラテン語の試験が主だった。なにせ学問的な論文はみんなラテン語で書いてあったからね。これをモーパッサンも受けて合格した。

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モーパッサンはナポレオン三世の政治には批判的だったし、普仏戦争の愚かさも知っていたが、戦争が始まるとくじ引きによる徴兵を待たずに志願している。 モーパッサンは法学部へ行って役人になっており、これは三島由紀夫と同じだが、戦争には志願したんだな。

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モーパッサン伝(水声社)は読みやすい訳文で内容もおもしろい。 ちょっと分かりにくいところは、ネットで調べれば良い。モーパッサンの生まれ故郷の風景とか、ナポレオン三世の皇后ウージェニーのこととか、ナポレオン三世のあとのティエール大統領のこととか、詳しく書いてないこともある。

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昔はモーパッサンも言ったように、女は雄の欲望を満たす以上の価値はないと言われたが、いまは逆転して、男は雌の欲望を満たす以上の価値はないと見なすのが流行している。それがモテ非モテ論であり、女の「好きピ」探しなのである。そこから始まる婚活は堕落した女の所業なのだ。

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普仏戦争で皇帝ナポレオン三世は最前線のセダンで自ら指揮を取って戦い、モルトケのプロシャ軍に破れて捕虜になってしまった。まさにノブレス・オブリージュ。

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Poémes, d'Guy de Maupassant - poésie française wikipoemes.com/poemes/guy-de-… モーパッサン伝の原文

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「ロワイヤル通りと言えば、断固として右寄りだったのである」(モーパッサン伝) は原文では Et rue Royale on est résolument à droite. 「ロワイヤル通りの人たちは右寄りだった」で この通りはモーパッサンの勤めていた海軍省のある所。彼は勤め先で左翼だと思われて嫌われた。

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本の最後についている索引は、読書の途中でこれは誰だっけと確認するときに使うもの。それが人名索引。地名索引もあれば、これはどこの事だっけに答えてくれる。 モーパッサン伝には人名索引しかないので、ロワイヤル通りはネットで調べる(rue royale maupassant)必要がある。

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アレクサンドラン - Wikipedia ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2… モーパッサンは最初は詩人になりたくて、このアレクサンドラン(12音で行末で音を合わせる)で劇詩を書いていたらしい。

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モーパッサンはフロベールの秘蔵っ子で、小さい時から文章の添削をし、海軍省から文部省への転職のために大臣にかけあい、劇詩の上演の後押しをし、文学界と社交界への紹介もし、ずっと手紙のやり取りをし、至れり尽くせりだったらしい。

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Avoir un oeil qui dit merde à l'autre : signification et origine de l’expression linternaute.fr/expression/lan… やぶにらみのことをこういう。それをもじってモーパッサンは J'ai un œil qui dit Zola à l'autre と友人に手紙に書いたらしい(モーパッサン伝)。

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アブデル・カーデル（モーパッサン伝） kotobank.jp/word/%E3%82%A2…

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テミドール - えとるた日記 etretat1850.hatenablog.jp/entry/20090212… これはモーパッサンの作品ではなく、モーパッサンが序文を書いて出版した本(モーパッサン伝)。

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The Project Gutenberg eBook of Thémidore, par Gondart D'Aucourt. gutenberg.org/cache/epub/425… フランス語版無料

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女にはセックスの対象としての価値しかないとモーパッサンは言ったが、その価値もない女がほとんどだろう。

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『ユダヤ的フランス』のドリュモンみたいに戦前のフランスでも反ユダヤ主義はすごかった。戦後は全部ドイツのせいにしてしてみんか知らん顔をしてるけど。

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イーニース、英語ではAENEASはこうなる。

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faune　1.牧神、漁色家 2.動物誌、人物群 (モーパッサン伝)

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モーパッサンは稀代のモテ男で女をとっかえひっかえして楽しむ放蕩者、漁色家で、女をまともな人間とは思っていなかったため、パートナーを一人に限る結婚のことなど考えられなかった。そういう人間が書いたのが『女の一生』なのだという忘れてはいけない。

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女を束の間の快楽の対象としか考えなかったモーパッサンにも、ついに生涯の伴侶となるべき女性が現れたのかと思わせるが恋心を綴った書簡の文面が『モーパッサン伝』に伝えられているが、その後の研究によってそれは他人による偽作であると証明されたのだった。