茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの「日本が偶有性の新文明へ適応できない限り、没落が続くことは避けられない」と私見

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茂木健一郎 @kenichiromogi

「連続ツイート」をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています! 本日は、連続ツイートクラシック。何度も論じたテーマですが、ふたたび訪れ、言葉を紡ぎ出す。

2011-11-07 07:03:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

にぼ(1)人類の文明を今、変化させしめているのは「グローバリズム」と「インターネット」の二つの波である。両者に共通しているのは、「偶有性」。ローカルな結合だけでなく、長距離結合もあるネットワークの中で、容易に予測できない事態が頻発している。

2011-11-07 07:04:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

にぼ(2)日本の変調は、偶有性への不適応である。日本は今や偶有性の新文明における「後進国」。よほどの覚悟を持って自分たちを見つめ、マインドセットを書き直さない限り、再浮上は覚束ない。没落は必定である。

2011-11-07 07:05:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

にぼ(3)大学入試における「厳格なペーパーテスト」が「公正」だと思っている時点で、偶有性に不適応。人間の生育プロセス、能力は多様。それを、総合的に判定して構成員を決定するアルゴリズムが、偶有性の新文明においては適応的。日本の大学入試は、もはや100年くらい古い。

2011-11-07 07:07:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

にぼ(4)「記者クラブ」を維持する一つの理論付けは、「フリーランス」の記者にはさまざまな資質のものがいて、大マスコミほどの「クオリティ・コントロール」ができないというものだろう。偶有性への不適応。さまざまな資質の人がいて、それでいい。石もあれば、玉もある。それが現実。

2011-11-07 07:08:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

にぼ(5)日本の地上波テレビがネットに進出できないのも、「著作権」とか、「スポンサー」との関係を、従来通り杓子定規にとらえているから。これも、偶有性への不適応。形式的に齟齬を来すことを恐れるあまり、実質的な利益をとらえることができないでいる。

2011-11-07 07:09:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

にぼ(6)役所の異常なまでの書類主義も、偶有性への不適応。ローカルな形式的齟齬を恐れるあまり、全体の最適化、効率化を図ることができないでいる。その結果、行政組織は愚鈍のかたまりになって、無駄な仕事で忙しがる、不思議なカフカ的世界が現出している。

2011-11-07 07:10:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

にぼ(7)大学で教えている体系が完全に陳腐化しているため、ネットの偶有性に適応できる人材が枯渇している。そのため、単なるブツではなく、ウェブと連動した「ものづくり2.0」で活躍する人材が枯渇。iPhoneのような画期的な商品が、日本から出なくなってしまった。

2011-11-07 07:11:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

にぼ(8)日本の現在の変調は、以上に例を挙げたような、日本の従来の文明のあり方の「グローバル化」「インターネット」という偶有性の新文法への不適応という一般現象として説明できるものであり、それだけ根が深い。このまま没落が長期化する可能性も、あながち否定できない。

2011-11-07 07:13:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

にぼ(9)ウェブとの連動を考えずに済む「ものづくり」中心の時代には適応的だった国民性が、偶有性の新文明においては陳腐化し、むしろ邪魔になる。日本の危機の本質はここにある。新卒一括採用や、不動産賃貸における「連帯保証人」など、偶有性への不適応症候群が、日本を後進国へと貶めた。

2011-11-07 07:18:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「日本が偶有性の新文明へ適応できない限り、没落が続くことは避けられない」ことについての連続ツイートでした。

2011-11-07 07:15:33
牧野能治 @MAQIO

@kenichiromogi 「偶有性」がこれまでの固着した関係を開放して新たな可能性を提供してくれることは疑いない。じゃあ、世の中で勃興しているのは偶有性を保持した社会なのか。国の勃興や日本の再浮上って文明と大くくりにすると迷子になっちゃう。今は、いわゆる経済発展の意味だよね。

2011-11-07 15:07:50
牧野能治 @MAQIO

@kenichiromogi 見回してみて、経済発展著しいと言われてる国を身近に挙げると、韓国、中国、インド。これらの国では偶有性が担保されてるのか。発展途上国における経済発展は旧態依然の薄利多売産業が基本になってることに気付く。より安い労働でより安く物を作りそれを先進国に売る。

2011-11-07 15:10:35
牧野能治 @MAQIO

@kenichiromogi 要は、日本の没落は薄利多売モデルで雇用が維持できなくなって発展途上国に市場を奪われちゃった、という先進国特有のものだよね。じゃあ、先進国の中で偶有性に適応できて経済が調子いい国ってどこなのか、そこをモデルにできないものか、と考えるのが自然だよね。

2011-11-07 15:49:59
牧野能治 @MAQIO

@kenichiromogi 偶有性に適応したユートピアはあるのか。偶有性そのものの社会は存在しない。偶有性に適した組織は社会に混在していて、それでいいと思う。大きい組織は画一性を尊重し、小さい組織は偶有性を尊重する。問題は小さい組織が育てた偶有性の芽を社会が摘み取らないことだ。

2011-11-07 15:57:08
牧野能治 @MAQIO

@kenichiromogi 大きい組織の内部に偶有性への適応を求めると、磁力が外れカオスが生じる。これまでに規則があるから。小さい組織は規則があってもゆるく偶有性を育む素地がある。大きい組織で偶有性に適応するには、誰が責任を取りどう評価するのか、ということが課題となる。

2011-11-07 16:26:13
牧野能治 @MAQIO

@kenichiromogi 経済の停滞に悩み、偶有性の欠如にその理由を認める社会というのは先進国の中のさらに一部だ。先進国が薄利多売に頼らずに何かを生産するということは、画一性からの逸脱がキーワードになる。じゃあそのためには学校も教育も関係ないのかと言うとそうとは限らないよね。

2011-11-07 23:11:12
牧野能治 @MAQIO

@kenichiromogi 国の勃興に『偶有性』が必要とされてるのは一部の先進国だけ。だって他の国は安い労働力をベースにまねっこピーナッツで経済発展しちゃうんだもん。先進国に輸出しつつ、自国の物品に対する飢餓感のある国内マーケットが大口を開けて待っている。開拓者の苦悩が偶有性。

2011-11-07 23:29:00
牧野能治 @MAQIO

@kenichiromogi アンチからオルタナティブ。それがいいと思う。国民全部。大企業に入りたい人は入るといいよ。ただ泥船かもしれないけどね。ぬるま湯のカエル。ただ何か新しい事を始める人の邪魔をしない社会にしようよ。その可能性を紡いで、今の大企業に代わる社会になればいいよね。

2011-11-07 23:33:56