横浜市会議員選挙・神奈川県議会議員選挙(横浜市分)の記録・コメント(2023年) (中区・磯子区・金沢区・西区・南区・港南区)

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※総得票 有効投票数(無効票・白票を除く)
※前回増減 前回(2019年)選挙からの増減。
※候補者欄の「前回増減」 今回の候補者と同じ政党の候補者が前回出ていたら前回増減の対象とした。
※予想 私が、2022年参議院選挙を基に作った横浜市議選予想。無所属等細かい所は限りなく適当。
※予想乖離 私の予想と実際得票との違い。私の予想は2022参院選を基にしたので、乖離がプラスだと、参院選より盛り返した(立憲・国民など)、マイナスだと参院選より勢いを失った(維新・公明など)と考えられる。
※最下位次点差 最下位当選者と次点落選者との得票数の差
※今回不出馬票 前回立候補し、今回立候補せず、所属政党も候補者を出さず(一部例外あり)、後継候補もいなかった人の前回の得票。
※市議計 当該区の所属市議の得票数を合計した票。なお、自民党は自民党系無所属の得票を加え、公明推薦が出ている場合公明党の得票を加えた。県議が無所属で、前所属を出て間もない場合は、前所属の市議の得票数合計を記した。


中区 市議
総得票 46701 前回増減 +3710
  氏名     所属 得票 前回増減 予想 予想乖離
当 伊波 俊之介 自民  10096 -88  9234 +862
当 福島 直子  公明  9639  -568  7243 +2396
当 松本  研  自民  8786 -3141  7555 +1231
  佐久間 衛  立憲  7445  +7445 6717 +728
  小菅 信良  維新  7435  +7435 6236 +1199
  森  英夫  社民  3300 -2658   1307 +1993
最下位次点差 1341 今回不出馬者票 4715(共産)

中区 県議
総得票 45590 前回増減 不明(前回無投票のため)
  氏名     所属  得票  市議計
当 原  聡祐  自民  15434 18882
当 作山 友祐  無所属 13377 7445
  酒井 美風  維新  10423 7435
  佐々木 康子 国民   6356

 市議選は、予想段階で現職(佐久間氏を除く)全員当選と出て、結果的にもそうなった。
 予想乖離が全てプラスに出ているが、参院選では中区(特に電車が通っていない本牧地区)には行かないので、仕方ないと思っている。
 福島氏は山口那津男代表の応援を受け、予想より2000票以上積み上げた。公明党で予想より大幅に勝ったのは横浜市内では福島氏だけで、「他区からの物理的な応援」が入った可能性がある。
 森氏は福島みずほ党首が3回入り、共産党が擁立を見送ったのに、2600票も減らしてしまったのは不可解。
 自民では松本氏がかなり得票を減らした。今回応援弁士は伊波氏の地盤である本牧に集まり、松本氏の地盤である野毛(日ノ出町駅?桜木町駅?)には来なかった。

 県議選は、立憲を離党した作山氏が(港南区の浦道健一氏と比べても)普通に勝った。
 原氏の得票が市議計を下回っているので、公明票が全く来なかったか、自民票が抜け落ちたか(あるいは、その両方か)と考えられる(これは、各区の自民党県議候補にあてはまる)。公明票の多くは作山氏に流れたか(残りは各候補に分散された)。

磯子区 市議
総得票 58844 前回増減 +233
  氏名     所属 得票 前回増減 予想 予想乖離
当 二井 久美代 無所属 12326 +4776 2804 +9522
当 関  勝則  自民  8169 -5665 12363 -4194
当 武田 勝久  公明  7761 -1082 9468 -1707
当 太田 正孝  無所属 7743 -4712 6664 +1079
  山本 尚志  自民  7287 -1499 6657 +630
  中山 真吾  立憲  5440 +5440 9314 -3874
  酒井 亮介  維新  5031 +5031 6974 -1943
  蓮池 幸雄  共産  3292 -2186 6057 -2765
  森田 洋平  れいわ 1795 +1795 2844 -1049
最下位次点差 456 今回不出馬者票 1665(無所属)

磯子区 県議
総得票 57553 前回増減 +288
 氏名     所属  得票  前回増減 市議計
当 新井 絹代  自民  24473 -4910 15456
当 市川 智志  立憲  12941 -6369 5440
  平田 裕太郎 維新  11130 +11130 5031
  早乙女 智子 無所属 9009 +9009

 市議選は、全く予想が外れた。太田氏は二井氏と森田氏に票を奪われ、二井氏は基礎票がなく伸びないと見た。しかし、2021年総選挙の前の磯子区市議補選で二井氏は太田票に加え自民票を得て勝ったのだが、その自民票が2年後も二井氏に定着してしまった、ということが考えられる。自民市議計は前回より7164票も減っている、その票が二井氏に行ったことを示すのであろう。
 応援弁士が山本太郎れいわ新選組代表の1回だけという忘れられた選挙区で、二井氏は初当選時からSNSで活動が報告されており、有権者から評価されたのだろう。
 武田氏は3位当選だったが、次点との差は474票しかなかった。実は横浜市内で公明党が一番危なかったのが磯子区だった。しかし聖教新聞は途中から「落選危険候補」から外し、公明党の応援弁士も来なかった。公明党の「重点候補」は山口那津男代表石井啓一幹事長が応援し、南区仁田昌寿氏が958票差だったがまあ全員普通に当選した。しかし、磯子区は全くの油断だった。
 中山氏は恐らく議員会館秘書で(選挙区がバラバラの多数の議員の秘書をしている)、こういう人は(後にも出てくるが)選挙に弱い。補選の時は応援弁士が多数来て負けたのだから、維新に勝ったのでまだましな方か。
 酒井氏は…そもそも親族がいるなら中区ではなく磯子区の県議に擁立すればよかったのだが…「負け癖」がついて、自分を根本から見直さないと当選できなくなってしまっているようだ。

 県議選は、新井氏が自民公明の市議計を確実にとって盤石。市川氏は、前回は太田氏(当時は立憲公認)の傘下として動いて勝ったので、今回独力で、維新をかわして勝ったのは貴重である。

金沢区 市議
総得票 72096 前回増減 -3052
  氏名     所属 得票 前回増減 予想 予想乖離
当 高橋 徳美  自民  17508 +4613 11919 +5589
当 矢田部 孝一 立憲  13271 +206 11798 +1473
当 黒川  勝  自民  12063 -2451 13440 -1377
当 竹野内 猛  公明  11517 +330 11600 -83
当 坂井  太  維新  6828 +2603 9341 -2513
  増田 茂代  共産  6400 -1146 7277 -877
  新谷  仁  無所属 4509 +4509 
最下位次点差 428 今回不出馬者票 11716(幸福・無所属)

金沢区 県議
総得票 69946 前回増減 不明(前回無投票のため)
  氏名     所属  得票  市議計
当 大村  悠  自民  28659 29571
当 松崎  淳  立憲  26916 13271
  砂田  健  維新  14371 6828

 市議選は、高橋氏が大量得票増を果たしたのに驚いた。故小幡正雄氏の票と黒川氏の票を持って行ったと考えられる。今回の選挙で何回も出るキーワード「女性パワー」が出た。
 新谷氏が思いのほか取り、当選ラインが「誤差」になった。坂井氏は得票数はともかく、市議経験者が維新の議席を得たのはこの後大きい。

 県議選は、松崎氏が大村氏に迫る健闘を見せた。大村氏は小泉進次郎自民党神奈川県連会長の支援を受けたが、自民市議計より取れなかった。前回は無投票だったので、組織が動かなかったのだろうか。
 金沢区の立憲は、矢田部孝一氏はJAM推薦で国民民主票も取れるし、松崎淳氏は情報労連推薦でさらに労組票を固められる。

<神奈川1区 次期総選挙予想>

 自民党は市議一人を落とし、得票も減らしている。県議選を観る限り、公明党と完全に協力できているとも言えない。松本研氏はかなり得票数を減らし、元秘書の大村氏が票を出してないあたり、松本純氏に追い風が吹いている状態ではなさそうだ。
 各得票数上では、維新は立憲との差を詰めている。しかし金沢区県議選のように、純粋に戦うと大差負けしている。総選挙では応援弁士がどのくらい来るかが微妙な勝負を分けそうだ。
 篠原氏は勝てなくとも比例復活は堅い。浅川氏は身内との戦いで、他の選挙区で惜敗率の高い候補が出ると大変だ。


西区 市議
総得票 31930 前回増減 +1576
  氏名     所属 得票 前回増減 予想 予想乖離
当 清水 富雄  自民  13405 +3060 9493 +3912
当 荻原 隆宏  立憲  10090 -632 4770 +5320
  浅田 侑吾  無所属 8435 -852 4068 +4367
最下位次点差 1655 今回不出馬者票 なし

西区 県議
総得票 なし 前回増減 不明(今回・前回とも無投票のため)
  氏名     所属  得票
当 加藤 元弥  自民  無投票

 市議選は、候補者を擁立していない党の動向がわからないので、予想乖離が大きくプラスに出たのも仕方がない。
 菅義偉前総理はなぜ浅田氏を公認させなかったのか。前々回は自民独占もなしえており、今回も荻原氏次第では2人公認なら独占もあり得た。菅氏は松原商店街(保土ケ谷区だが、西区とも言える)で清水氏の応援をしている。

 県議選は3回連続無投票。

南区 市議
総得票 63133 前回増減 -2632
  氏名     所属 得票 前回増減 予想 予想乖離
当 遊佐 大輔  自民  19348 +1549 13290 +6058
当 高田 修平  立憲  12901 +2211 8458 +4443
当 仁田 昌寿  公明  11937 -2774 13706 -1769
当 渋谷  健  自民  11267 -324 8860 +2407
  荒井 由美子 共産  10979 -482 8264 +2715
最下位次点差 288 今回不出馬者票 2812(無所属)

南区 県議
総得票 なし 前回増減 不明(今回無投票のため)
  氏名     所属  得票
当 新堀 史明  自民  無投票
当 岸部  都  立憲  無投票

 市議選は少数激戦。気の早い次回予想だが、荒木氏が健在なら次点バネで復活、情勢によって、「梶尾バブル(後述)」の高田氏か渋谷氏が危ない。荒木氏が引退するなら共産党は難しい。
 遊佐氏が取り過ぎ、渋谷氏との差が危険水域まで開いてしまった。渋谷氏は3回連続得票減。菅義偉前総理は南区に4回も来た(自分の選挙区だから当たり前か…)が、2日は京急弘明寺では渋谷氏を、井土ヶ谷では遊佐氏を、分けて応援して気を使った。
 高田氏も取り過ぎの感がある。前回港南区の梶尾明氏のように、予想を覆して当選し、次は大差で落選する、という影が見えるような…。高田氏は県議選立憲の岸田氏と同じ浜教祖なので連携が上手くいったいう点もある。
 仁田氏は選挙戦後半の6日に石井啓一幹事長の応援を受けた。実はかなり危なかった(荒木氏との差は958票)。荒木氏には党幹部が応援に来なかった。案外こんなことが当落を分けてしまうのかもしれない。

 県議選は無投票。

港南区 市議
総得票 78760 前回増減 +990
  氏名     所属 得票 前回増減 予想 予想乖離
当 山田 桂一郎 維新  14909 +3463 9818 +5091
当 瀬乃間 康浩 自民  13993 -1096 15111 -1118
当 安西 正俊  公明  12973 +1090 13292 -319
当 田野井 一雄 自民  12691 -1911 12364 +327
当 三輪 智恵美 共産  12209 -861 9098 +3111
  梶尾  明  立憲  8545 -3135 11565 -3020
  飯島 天太  無所属 2414 +2414
  上出 剛久  無所属 1026 +1026
最下位次点差 3664 今回不出馬者票 なし

港南区 県議
総得票 76228 前回増減 +539
  氏名     所属  得票  市議計
当 桐生 秀昭  自民  30792 26684
当 浦道 健一  無所属  15671 8545
  久坂 誠治  維新  14929 14909
  宮原 裕美  国民  14836

 市議選は、前述の「梶尾バブル」により、ある程度固まっていた感がある。梶尾氏はSNSの活動報告も少なく、衆院選でも他区に行っていたから、恐らく地元の活動はほとんどしていないはずで、3135票減も予想の範囲内だった。
 横浜市内で維新候補がトップを取った唯一の(市議県議を含む)選挙区である。山田氏はもともと自民票をもらっていたが、今回は次点バネに加え維新票が上乗せされた。毎日SNSで駅頭活動報告をする。落選時の活動量は非常に(梶尾氏とは比較にならないほど)多かったのだろう(議会内だと精彩を欠くイメージはあるが…)。
 菅義偉前総理が3回来たが、瀬乃間氏も田野井氏も得票減。市長選での「林前市長応援組」は1区2区では票を落とし1人が落選した。2区では菅氏は公平に応援した。その点で「あまり」しこりは残っていない、と言える。