茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第3143回「「赤毛のアン」にはあって、日本の「お笑い」にはないもの」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート３１４３回をお送りします。文章は即興で書いています。本日は感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

３０分以上の長尺で、じっくりと一つのことをお話する「#自分だけの部屋」は、このあと、エピソード１０として、「赤毛のアン」をとりあげる。批評的なお話だけじゃなくて、ポジティヴで感動的なことを話すのは大切だと思うから、これからも時々何かの素晴らしいところを語り尽くすシリーズを出したい

茂木健一郎 @kenichiromogi

ところで、昨日、日本の「お笑い」についてお話した時、反応を見ていて、ああ、そこがまだわかっていないんだなと思ったことがある。批評的コメディというと、日本では、「お笑い」のフォーマットの悪影響があるのか、人を傷つけるというイメージがあるみたいだ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

実際には、コメディの背後にあるのはヒューマニズムである。たとえばチャプリンがヒトラーの演説を茶化すときに、根底には人間の自由や尊厳に対する思いがある。差別や偏見の問題を扱うときにも、そのようなものがない社会への願いがある。

茂木健一郎 @kenichiromogi

日本の「お笑い」の文化の悪影響の下にある人が、海外の批評的コメディを表面的に見て、それは人を傷つけるんじゃないかとか思うのは、逆に言えば日本の「お笑い」にはヒューマニズムのかけらもないからだろう。

茂木健一郎 @kenichiromogi

その意味で、#自分だけの部屋　のシリーズで日本の「お笑い」を徹底的に批判した私が、次に「赤毛のアン」がどうして奇跡の傑作なのかをお話するのは首尾一貫している。問題になっているのはヒューマニズムの存在とその不在。ヒューマニズムは「赤毛のアン」にはあって、日本の「お笑い」にはない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート３１４３回「「赤毛のアン」にはあって、日本の「お笑い」にはないもの」をテーマに５つのツイートをお届けしました。