五野井郁夫氏はキャンセルカルチャーをどう捉えているのか

五野井郁夫氏の論の批判の前に、何を考えているのか把握するための作業、思いやりの原理(最善の相)です。
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Ikuo Gonoï @gonoi

エヴァリストがJ. K. ローリングのトランス差別発言についてBBCで応答拒否した件、ウォルツァーやチョムスキー、ローリングら153名連名の「正義と公開討論にかんする書簡」(2020.7月7日)から、文化と芸術の発信者が守勢に立たされている現状を踏まえて少し考えてみたい。 harpers.org/a-letter-on-ju…

2020-12-17 23:16:32
Ikuo Gonoï @gonoi

「キャンセルカルチャー(cancel culture)」「ウォークカルチャー(woke culture)」に対しネット上はもはや「沈黙は金」という状態になりつつある。なぜならばネット上の反対者は、自分が気に食わない相手に対しては、たとえ引用発言ですらも文脈をわざと外して抜き出し、燃やすための材料にするからだ。

2020-12-17 23:26:05
Ikuo Gonoï @gonoi

2020年7月に英米圏の著名人153名連名でハーパース・バザー上に掲載された「正義と公開討論にかんする書簡」は、近年 #MeToo#BlackLivesMatter といった社会正義を求める運動とともに隆盛しつつある「キャンセルカルチャー」「ウォークカルチャー」への憂慮として、議論に一石を投じている。

2020-12-17 23:28:33
Ikuo Gonoï @gonoi

「正義と公開討論に関する書簡」(以下書簡)はイデオロギーへの服従が、オープンな議論や他者との違いを許容する既存のリベラルデモクラシーの規範を弱める「キャンセルカルチャー」「ウォークカルチャー」という新たな一連の道徳的な態度と政治的なコミットメントを激化させていると警鐘を鳴らす。

2020-12-17 23:34:48
Ikuo Gonoï @gonoi

「書簡」は、リベラルデモクラシーの社会にとって情報や自由な意見交換が生命線であることを確認する。その上でそれらが反対意見に対する不寛容さ、公共の場での侮辱の流行、複雑な政策課題にたいして盲目的な道徳的確実性に頼ることで解決する傾向等によって、日々制限されつつあることを問題視する。

2020-12-17 23:40:41
Ikuo Gonoï @gonoi

「書簡」が描くのは言論環境の現状だ。編集者は物議を醸す記事を掲載したかどで解雇され、本は信憑性に欠けるとして回収され、ジャーナリストは特定の話題について報じることを禁じられ、教員は授業で文学作品を引用したために調査され、組織のトップは只の不器用なミスを犯したために更迭される現状。

2020-12-17 23:44:55
Ikuo Gonoï @gonoi

「書簡」は公開討論を制限することは、それがトランプ大統領のような抑圧的な政府によるものであれ、あるいは「キャンセルカルチャー」や「ウォークカルチャー」のような不寛容な社会によるものであれ、権力を持たない者を必ず傷つけ、誰もが民主主義への参加能力を低下させると危惧する。

2020-12-17 23:57:25

有用な手段として認識している

Ikuo Gonoï @gonoi

女性差別主義者の3類型。いずれも人として論外だが、①は自然主義や保守主義、直観主義まで幅広いが落ち着く先は女性を低く見る立場。②は自己の主張や権威を強めるために使い分けているサイコパスで、素では女性差別がデフォルト。③は反ジェンダー平等が反グロ—バリズムの正義だとする信念がある。

2021-02-10 01:43:03
acount @acount85798478

@gonoi それぞれに対応する反女性差別の形態はないんでしょうかね?

2021-02-10 01:51:44
Ikuo Gonoï @gonoi

@acount85798478 どの女性差別主義者に対しても有効なのは地道な啓発と教育、そして五輪スポンサーにも効く不買運動や、いまはネガティヴな意味を帯びがちだけど、キャンセルカルチャーだと思います。②はわたしが今回したようににその正体を暴くことですが、③は陰謀論のひとつなので説得はかなり困難だなあと。

2021-02-10 02:02:27
Ikuo Gonoï @gonoi

『世界』6月号拙稿の通りわたしはキャンセルカルチャーをネガティヴに考えていません。今回白井聡さんの発言は直ちにキャンセルせず議論した方がよいと判断しました。これら事実を踏まえずあなたは五野井が「トランス差別を行いました」と断言しましたが事実に反しておりわたしへの侮辱を構成します。 pic.twitter.com/sYG2apvS95 twitter.com/Democracist_sh…

2023-05-31 12:35:05
shu@民主主義者 @Democracist_shu

確実にトランス差別を行いましたよ、あの番組で。 さらにあなたはこのやりとりにおいても、一貫して差別する側(の気持ち・事情)に寄り添い、差別される側(の被害)は等閑し続け差別を重ねています、現に。 あなたの考えからすれば『「性自認」法令化に反対する声明』もトランス差別ではなく、(続

2023-05-31 08:46:20
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意味がボイコット一般に拡張される

Ikuo Gonoï @gonoi

反レイシズム運動や現在のツイフェミで気になることがある。ツイートした者が明らかに差別主義者やミソジニストならばとことん批判しキャンセルカルチャーも発動すべきだが、単なる事実誤認や言葉足らずならば、事実を指摘すれば良いだけだ。あと必要なのは寛容。それ以上やるはただのサディストだよ。

2021-06-04 18:16:51
Ikuo Gonoï @gonoi

そういうわけで実施的にトヨタが五輪をキャンセル。大企業が「キャンセルカルチャー」発動すると破壊力ありますね。豊田社長が欠席するのも当然でしょう。まああれほど今回の問題が海外で報道されていますから。 twitter.com/gonoi/status/1…

2021-07-19 13:13:03
Ikuo Gonoï @gonoi

トヨタ、五輪関連CM見送り 「社長は開会式出席せず」と。まあそうですよね、そうでしょう。 twitter.com/kyodo_official…

2021-07-19 13:05:41
Ikuo Gonoï @gonoi

これの前ツイートdw触れておられたキャンセルカルチャーの論点は、不買運動や市場からの締め出しをする「ノー・プラットフォーミング」までやるか否かですよね。第三者が表現活動を停止させる権利はないしそんなことしたらただの暴力だけど、他方で人権分野で第三者によるキャンセルまでは止められず。 twitter.com/daisukeohnosgm…

2021-07-21 00:24:10
大野台介 @daisukeohnosgm

仮に、反社会的、非道徳的なふるまいが発覚したとしても、表現活動まで停止に追い込む理屈は、刑務所にでも入らない限りは、そんな理屈立たないと思う。第三者が表現活動まで停止させようとするなら、それ、単なる暴力ですよ。作り手の人間性と、すでにある生産物(作品)は分けて考えるべき。

2021-07-20 21:02:18

↑ 表現の自由戦士がキャンセルされるという現在の主張との整合性がない。

過剰な攻撃になりうることも認識している

Ikuo Gonoï @gonoi

小山田圭吾さんの件に限らず、キャンセルカルチャーの対象になったものの根拠となる報道や告発が誤報であった場合、一連の文春報道のように訂正がされても訂正が広がらずイメージダウンしたままという問題系、考える必要がありますね。#DOMMUNE 「小山田圭吾氏と出来事の真相」youtu.be/QWmVXYZjtr8

2021-12-31 19:52:12
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話題のインタビュー記事

リンク 毎日新聞「政治プレミア」 キャンセルカルチャーを奪い返す 「表現の自由戦士」は正しいか | | 五野井郁夫 | 毎日新聞「政治プレミア」 弱者の武器であったキャンセルカルチャーが、リベラルな価値の攻撃に使われています。 困難を抱える若い女性を支援する一般社団法人「Colabo(コラボ)」への攻撃など、女性への個人攻撃も起きています。 187 users 98
uncorrelated @uncorrelated

mainichi.jp/premier/politi… 「キャンセルカルチャーは、メジャーな価値観のなかでは取り上げられづらい人々の声を、SNSを通じて効果的に発信するもの」は、説得的定義と呼ばれる詭弁ではないかな。論敵を社会的に追放するものを弱者の武器と再定義して、その陰湿な部分を隠そうとしているよね。

2023-06-06 10:55:31
Ikuo Gonoï @gonoi

毎日新聞政治プレミアに「キャンセルカルチャーを奪い返す 『表現の自由戦士』は正しいか」が掲載です。弱者の武器たるキャンセルカルチャーがリベラルな価値やColabo、女性への個人攻撃に使われるなか、どうすれば本来の意義を取り戻せるかを論じました。ご高覧下さいませ。mainichi.jp/premier/politi…

2023-06-06 12:17:27
Ikuo Gonoï @gonoi

毎日新聞の拙記事は以下岩波『世界』6月号の拙稿「キャンセルカルチャー論」のスピンオフです。『世界』論文ではキャンセルカルチャーの理論的説明をしましたが、毎日記事では「ホモ・サケル」概念(アガンベン)も振り返りつつ弱者への攻撃の苛烈化メカニズムも論じました。 amzn.to/3MRbLGC

2023-06-06 12:24:26
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