「サティアグラハ」

サティアグラハ=真理の把握、闘い、意識の進化 「欲望を離れ、大いなる平和を求めて戦え」
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上田紀行 @UedaNoriyuki

ニューヨークに来て、メトロポリタンオペラでフィリップ・グラスの「サティアグラハ」を観る。グラスのミニマルな音楽とオペラの相性は?と軽い気持ちで観たが、衝撃だった・・・。南アフリカ時代のガンジーの抵抗運動を描く。歌詞はサンスクリット語。ぼくの人生を変える一日になるかもしれない。

2011-11-20 13:48:11
上田紀行 @UedaNoriyuki

METで観たグラスの「サティアグラハ」、それは「いかに戦うか」のオペラだ。戦うことは単に相手に勝つことを目指すのではなく、私たちの意識を進化させ、欲望にがんじがらめの自分を真理の探究へと向かわせるプロセスだ。それをこんなインパクトで提起するオペラがあり得たとは!

2011-11-21 00:17:53
上田紀行 @UedaNoriyuki

インド独立運動のガンディーは知っていても、ロンドンで弁護士になって乗り込んだ南アフリカ時代のガンジーを知る人は少ない。この若きガンディーが、トルストイやタゴールにインスパイアされながら、過酷な状況の中で「サティアグラハ(真理の把握)」を確立していくか。

2011-11-21 00:26:22
上田紀行 @UedaNoriyuki

第一幕はトルストイが見守り、第二幕はタゴールがガンディーとその闘いを見守る。二人は何も語らないが、そこにいる。第三幕は一転して、ガンディーが影響を与えた、マルティン・ルーサー・キングがいる。ガンディーに力を与えた人たち、ガンディーが力を与えた人たちの物語でもある。

2011-11-21 00:29:09
上田紀行 @UedaNoriyuki

オペラ「サティアグラハ」に魂をわしづかみにされつつ考えていたのは、日本社会に「闘い」はあり得るのかということだ。「闘い」が軽視され、見えなくなり、そして自分の欲望の果ての「戦い」ばかり目立つ。その中で、自分の意識を高め、真理を探究していきながらの闘いはいかにして可能になるのか。

2011-11-21 00:34:44
上田紀行 @UedaNoriyuki

オペラ「サティアグラハ」の冒頭は、インド精神世界の中心である「バガヴァット・ギータ」の、王子アルジュナのクリシュナへの問いで始まる。「なぜ人は戦わねばならないのでしょうか?」欲得の中で報酬を求めて戦うのではなく、欲望を離れ、大いなる平和を求めて戦え。クリシュナの答を聞くガンディー

2011-11-21 00:44:41
上田紀行 @UedaNoriyuki

欲望からの「得」を求めて戦うのではなく、意識の進化とともに闘え。先週出版した『生きる覚悟』で、「得の絆」と「徳の絆」の違いを力を込めて論じた直後のニューヨークでの「サティアグラハ」との出会い。グラスの音楽を聴くつもりが、こんなシンクロニシティのただ中に連れていかれてしまうとは!

2011-11-21 00:52:03