モーリーさん:David Ropeik氏によるAP配信の記事の分析、批判

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モーリー・ロバートソン @gjmorley

Columbia Journalism Review:ハーバード大学で環境マネージメント学を教えるDavid Ropeik氏がAP配信の「将来の発癌リスク」に関する記事を分析、批判。 http://t.co/RGkkOLcr

2011-11-23 17:25:46
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→ 従来の要因から今後引き起こされる癌の母数があまりにも大きいため、福島原発事故由来の放射能が将来引き起こす癌は、件数が少なすぎて統計的に埋もれてしまう「隠れ発癌」となるおそれがある、と記事にはあります。

2011-11-23 17:28:42
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→ Ropeik氏によれば、ここから導かれる結論は「福島の放射能は将来、ほんのちょっとの、わからないくらいの癌を引き起こす可能性がある。それは統計的に認識出来るかもしれないし、できないかもしれない」となります。しかしそれだとあまりにもつかみのない記事になってしまう。

2011-11-23 17:30:01
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→ また、福島の放射能に接した人がまったく癌を発症しない可能性も否めない(まだ将来のことであるから)。そこでAPの元記事では、随所に重大なリスクが日本を覆っているというトーンがちりばめらています。これは「リスク認識」に関連する仕掛けである、と論じられています。

2011-11-23 17:32:39
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→ Ropeik氏は続けてAP元記事の25番目の段落に書かれた一文をあげています:「日本政府の当局者によれば、放射能に対する過剰な恐怖がメンタルヘルスの問題を萬延させており、これによるリスクのほうが実際の発癌リスクよりも高い」

2011-11-23 17:39:33
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→ Ropeik氏は「原子力を過剰に恐れる世論に負けた世界中の政府が石炭による発電を採用した結果、排出される粒子により毎年数万人が死んでいる」とも論じています。

2011-11-23 17:44:49
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→ 低線量の放射能被爆による癌のリスクがそもそもあるのかは、まだ議論されている最中だということもAP元記事には含まれていますが、その情報は水や森や食物が汚染され、汚染度が掘り起こされ、人々は政府への信頼を失った結果ガイガー測定器を持ち歩いている、という描写の後に表記。

2011-11-23 17:46:57
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→ということで残りは細かい翻訳のニュアンスになります。英文がわかる方はこちらの原文でどうぞ。 http://t.co/RGkkOLcr 筆者が批判しているのは、AP記事の論理構造の弱さです。さまざまな見解や情報を客観的に並べながらも、不安という「つかみ」を捨てられない姿勢。

2011-11-23 17:51:15
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→ かつて1981年にハーバード大学に入学した9月の新学期に、全学生が共通で取らなくてはならない「Expository Writing」というコースがありました。略称は「Expos = エクスポズ」。日本語では「解説」としか訳されていませんが、論理的に普遍性がある文章という意味。

2011-11-23 17:53:40
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→ ハーバードの「Expos」は学生が最初にくぐる鬼門でした。主張がまずはっきりしないと、それはあいまいな文章としてはじかれます。日本からアメリカに戻ったばかりのぼくは「主張」をすること自体がやぼだと思ったので、強いアレルギーがありました。なんで、ただ話し合えないのかと。

2011-11-23 17:55:37