フィジシャン、ヒール・ユアセルフ #6

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
書籍 文学 ニンジャスレイヤー
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR
(「テメェに用があるんだよクソ野郎」ネザークイーンはミシミシと音を立てて己の拳を握り込んだ。そのニンジャ装束はVの字の輪郭で焼失しており、鋼めいた胸板と腹筋が露出していた。「ヤモトどうしてくれた」「……」ナックラヴィーは無言でカラテを構えた。アンデッドらしい全くの無感情である。)
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR
(ネザークイーンはゆっくりと間合いを詰める。否、ほとんど無防備に歩みを進める。一歩。二歩!「ヤモトどうしてくれた」「……」ナックラヴィーも摺り足でじりじりと近づく。「……どうしてくれたって訊いてんだよ!」ネザークイーンが弾丸めいた勢いで飛び出す!「ザッケンナコラァァー!」)
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR
第二部「キョート殺伐都市」より:「フィジシャン、ヒール・ユアセルフ」#6
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR
破城槌めいたネザークイーンの右ストレートが、痩せさらばえたナックラヴィーを襲う!「イヤーッ!」「アバー」ナックラヴィーはオーセンティックなカラテ・ガードでこの拳を受ける。何たるガード!一体この身体のどこに、これほどの芯の強さが?打撃を受けたその体軸がブレる事すらないのだ! 1
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR
「ヌウッ」それだけではない。ネザークイーンは己の右腕を伝わる違和感を察知し、拳を引いた。何事?その腕に七色の色彩がペンキめいて付着している。殴った際か?「アバー」ナックラヴィーの濁った瞳が邪悪な意志力を輝かせる。皮膚の無い黒い腕を、ネザークイーンの顔めがけ稲妻めいて突き出す! 2
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR
「イヤーッ!」ネザークイーンは身をそらし、謎めいた接触を回避!普段のイクサであれば彼は黙ってガードし、その衝撃力を、お返しのエネルギースリケンの糧とするところだ。だが彼は思い留まった。ニンジャ第六感だ。何かが、まずい!「イヤーッ!」躱しながらのヤリめいた蹴りを繰り出す! 3
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「アバーッ」ナックラヴィーはオーセンティックなカラテ・ガードでこの蹴りも受けた。反動でバック転を繰り出し、着地。ダメージはさほど無いと見えて、これはアンデッド故の無感覚であろうか?それともナックラヴィー自身のカラテの練度か?ネザークイーンは舌打ちする。蹴った脚にも七色の汚染! 4
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR
「ソノ色彩ハ……汚染……」ナックラヴィーは首を傾げ、ネザークイーンを指差した。「私ヘノ、カラテ攻撃ハ、貴公ノ、ビョウキ……」「だから何だコラァ……」ネザークイーンは突き進んだ。「殴るのをやめてくださいってか?ザッケンナコラー!」再び破城槌めいた右ストレート! 5
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR
「アバー」やはりオーセンティックなカラテ・ガード!「イヤーッ!」すかさず逆の手で繰り出す大振りなフック!「アバー」やはりオーセンティックなカラテ・ガード!「弱敵」次の右ストレートを待たず、ナックラヴィーが踏み込む! 6
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ネザークイーンは一瞬で覚悟を決めた。直後、ナックラヴィーの両掌は滑るように彼の胸板に達した!「グワーッ!」ナムアミダブツ!ネザークイーンの上半身に七色のさざ波が走る!ハカバ・ハンド!一体この後のネザークイーンにいかなる運命が待ち受けるのか?そしてヤモト!このジツを受けたのか? 7
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「イ……」ネザークイーンの身体が悪寒めいて激しく震え出す!そして嘔吐!「オゴーッ!」「アバー」ジツを終えたナックラヴィーはしめやかに身を引かんとす!だがネザークイーンは嘔吐しながら両手を振り上げ、電撃的速度で両手チョップを振り下ろした!「……イヤーッ!」「アバーッ!?」 8
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ゴウランガ!実際捨て身!ナックラヴィーの首に両側面から突き刺さる大鉈めいたチョップ!いかな痛みと無縁のアンデッド首と言えど、激昂したネザークイーンの決死の打撃にガード無しで耐えられようハズも無し!勝負あり!おお、否!ナムサン!なんたる事だ!「……弱敵」 9
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ネザークイーンがまるでオモチャめいてあっけなく両膝をつき、もたれかかるようにズルズルと昏倒するさまを、棒立ちのナックラヴィーは平然と……無感情に見下ろした。チョップの鋼鉄の意志は命中の瞬間まで保たなかった。ハカバ・ハンドがクリーンヒットした瞬間、結末は定まっていたのである。 10
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ネザークイーンは二度の打撃結果から、短時間で決着まで持っていかねば敗北が待つのみである事を悟っていた。これほどのカラテ使いに彼の不慣れな実体スリケンは恐らく通じず、ムテキで返す衝撃力も無し。ならば病毒が致命的に進行するまでに、渾身の打撃、捨て身の攻撃で倒すべし!……しかし。 11
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ハカバ・ハンドの邪悪な病毒は……防御時の消極的感染ではなく、攻撃として掌から注ぎ込まれた全力の感染は……ネザークイーンの覚悟の末の最善手よりもなお速い無慈悲な速度で、その身体を一瞬にして蝕み尽くしてしまったのである。 12
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(翻訳チームより:これはベンハのような大作映画めいた措置であり、読者の皆さんの休憩時間を設け、急性ニンジャリアリティショックをある程度緩和します。更新再開は数時間後で、日をまたぐ事はありません。奥ゆかしいニンジャ西洋画を思い浮かべお待ちください。アイキャッチ表記方法は検討中です)
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR
「ザッ……ケン……ナ」ネザークイーンにはまだ息があった。だがやがてローソクの残り火めいた意識も失われたようだった。「私ハ任務ニ戻ラネバナラヌ」ナックラヴィーは爪先でネザークイーンを仰向けに裏返した。なまなかな死体よりも恐ろしい有様である。邪悪なアンデッドは片膝をついた。 13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR
ナックラヴィーは片手をかざした。ハカバ・ハンドを、一瞬の激烈な病毒で衰弱しきったネザークイーンの顔に、覆い被せた。このジツは敵を戦闘不能に追い込み、弱って死ぬに任せるのは容易だが、殺害するにはもうひと段階が必要となるのであろう。 14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR
ナックラヴィーは顔を上げ、声の方向を見やった。一瞬後、飛来したスリケンが二者に割って入り、すぐそばの地面に突き刺さった。声とスリケンが飛び来ったのは、逆さまになったタンクローリー廃車の上からである。何の気まぐれか、雲が流れ、病んだ色の太陽光が鉄のモニュメントを一瞬照らした。 16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR
「……」ナックラヴィーは素早く立ち上がり、無言でカラテ警戒した。廃車の上に立つ逆光のニンジャはオジギした。病んだ太陽はすぐに雲間に隠れ、その赤黒いシルエットと、「忍」「殺」のメンポが明らかになった。「ドーモ。ニンジャスレイヤーです」「……ドーモ。ナックラヴィー……デス」 17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR
「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは回転跳躍!両腕がムチのようにしなり、二枚のスリケンが同時に投げつけられる!「アバー」ナックラヴィーは両手をかざし、人差し指と中指でスリケンを挟み取った。タツジン!だがその時にはニンジャスレイヤーは既に着地し、死角からさらなる攻撃をしかける! 18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR
「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーの両腕がムチのようにしなり、二枚のスリケンが投擲された。「アバー」だがナックラヴィーは持ち前のニンジャ反応速度で、死角からの連続スリケンをも挟み取った。中指と薬指である。タツジン!だがこれも伏線!ニンジャスレイヤーはさらなる死角にいる! 19
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2011年11月27日
フィジシャン、ヒール・ユアセルフ #1 http://togetter.com/li/211642 フィジシャン、ヒール・ユアセルフ #7 http://togetter.com/li/219531
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